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佐藤 健一

更新日:2026-08-07

読了目安:5分

WhatsAppで複数の顧客へ継続的にメッセージを送る場合、必要な仕組みは配信規模や運用方法によって異なります。少人数への手動送信で足りるケースもあれば、運用担当者が管理画面から配信するケース、CRMや業務システムを起点に自動送信するケースもあります。

国内企業でも、海外顧客や訪日客など、普段からWhatsAppを使う相手との連絡手段として検討されるケースがあります。

WhatsApp一斉送信ツールを選ぶ際は、機能の多さだけでなく、提供形態、配信対象の管理、テンプレート申請、配信結果、システム連携、料金構成を同じ項目で比較することが重要です。この記事では、法人向けの候補をタイプ別に整理し、自社に合う候補を2〜3件まで絞り込むための確認ポイントを解説します。

先に確認 先に確認

WhatsApp Business Appでの具体的な一斉送信手順は、WhatsAppで一斉送信する方法で確認できます。WhatsApp Business APIプロバイダーの導入支援、アカウント申請、料金やサポートの比較は、WhatsApp BSPの比較記事を参照してください。

WhatsApp一斉送信ツール比較のイメージバナー

WhatsApp一斉送信ツールとは|Business Appとの違い

この記事でいうWhatsApp一斉送信ツールとは、複数の連絡先への配信を管理し、WhatsAppメッセージの作成、配信、結果確認を行うための法人向けサービスを指します。製品によって、運用担当者向けの管理画面を中心とするものと、開発者が業務システムへ組み込むAPIを中心とするものがあります。

少人数への手動送信であれば、WhatsApp Business Appのブロードキャスト機能で対応できる場合があります。一方、配信対象の絞り込み、予約配信、テンプレート管理、配信結果の確認、CRM連携などが必要な場合は、法人向けツールが候補になります。

利用方法 向いているケース 主な運用方法 次に確認する内容
WhatsApp Business App 少人数へ手動で案内し、担当者がスマートフォン上で運用する場合 アプリ上で配信対象を選び、ブロードキャスト機能を使用 一斉送信の方法を確認
管理画面・マーケティング運用型 運用担当者が配信対象、テンプレート、配信日時、結果を管理したい場合 管理画面からキャンペーンを作成し、配信後の状況を確認 この記事で候補を比較
API・通信基盤型 CRM、EC、予約、認証などの業務システムからメッセージを送る場合 APIやWebhookを使い、システム上のイベントを送信条件に設定 BSPの選び方を確認

公式提供ではないブラウザ拡張機能や自動送信ツールは、利用規約への適合やアカウント制限のリスクを確認しにくいため、法人向けサービスの主な比較対象には含めません。

WhatsApp一斉送信ツールの比較表

以下では、各ツールを同じ項目で比較します。料金・プラン・サポート条件は、2026年8月時点の各社公式公開情報に基づきます。各社で公開範囲が異なるため、記載がない項目は非対応を意味しません。提供形態や料金、サポート範囲は契約内容や利用地域によって異なるため、導入前に自社の条件に合うか確認しましょう。

ツール 向いている企業・用途 提供形態 一斉配信の管理 テンプレート・レポート システム連携 料金構成 別のタイプが向く場合
EngageLab 管理画面とAPIを併用して、一斉配信や通知を運用したい企業。 公式認定BSP。管理画面+REST API。 手動/TXTでの一斉配信、MAジャーニー連携。 テンプレート審査状況、配信・既読・失敗、推定コスト。 REST API、MA、Contact/Event連携。 日本の契約主体ではMeta公式の料金体系に準拠し、EngageLabの追加サービス料はありません。 少量の手動送信だけならBusiness App。
WATI WhatsAppキャンペーンや共同受信箱を管理画面で運用したい企業。 公式APIセットアップ支援+管理画面+API。 Campaigns、予約配信。上限はプランにより異なる。 テンプレート提出、キャンペーン分析。 CRM/Commerce連携、API、Webhook。 サブスクリプション+メッセージ料金+追加機能。 API実装を中心にしたい場合はAPI基盤型。
AiSensy WhatsAppの一斉配信、セグメント、共同受信箱をまとめて運用したい企業。 Meta BSP。管理画面+API Campaign。 連絡先一括登録、セグメント、予約配信(Pro以上)。 テンプレート申請、配信・既読・返信・クリック。 API Campaign、Shopify/WooCommerceなど。 Freeは一斉配信不可。Basic 45米ドル、Pro 99米ドル/月から+メッセージ料金。 複数チャネルを一元管理したい場合は多チャネル型。
Brevo EmailやSMSとあわせてWhatsAppキャンペーンを運用したい企業。 管理画面+WhatsApp Campaigns API。 リスト/セグメント、除外、予約配信、配信停止管理。 テンプレート、配信・既読・エラー、受信者別レポート。 Brevo CRM、Email、SMS、Inbound Webhook。 Professional 499米ドル/月から+WhatsAppクレジット。 WhatsAppだけを小規模運用する場合は専用型も比較。
SHOPLINE SHOPLINEでECを運営し、WhatsAppで販促・案内を配信したい事業者。 SHOPLINEメッセージセンター。 購読済み/24時間以内の連絡先、即時・予約配信。 テンプレート保存、配信結果、失敗理由。 注文・配送通知、第三者アプリ、API/Webhook。 有料WhatsAppパッケージ。クォータ制、14日間トライアル。価格は非公開。 SHOPLINE未利用、または複数CRM連携なら汎用型。
Twilio 業務システムから通知・認証・マーケティング配信をAPI制御したい企業。 Programmable Messaging API。 送信先・配信ロジックは自社管理。予約送信に対応。 Content Template Builder、Status Callback。 Messaging API/Services、Status Callback。 0.005米ドル/送受信メッセージ+Meta料金。 非技術担当者が画面中心で運用するなら管理画面型。
Bird API連携からマーケティング・複数チャネル運用まで広げたい企業。 Meta BSP。現行DocsはBird管理番号・事前登録テンプレート中心。 セグメント、キャンペーン、自動ジャーニー。APIは1リクエスト1宛先。 事前登録テンプレート、配信ステータス。提供範囲は契約時に確認。 100以上の連携、API、Webhook。 Bird処理料+Meta料金。Marketingは50,000コンタクトからのBundleあり。 自社番号や独自テンプレート必須なら提供可否を確認。
CM.com 管理画面またはAPIで運用し、日本語で導入相談したい企業。 Meta BSP。管理画面+Business Messaging API。 一斉配信、Address book、複数担当者チャット。 テンプレート作成・申請API、配信結果確認。 CRM/チャット連携、API。日本語資料・相談窓口あり。 Go 49ユーロ、Basic 149ユーロ、Advanced 499ユーロ/月+従量・Meta料金。日本は個別見積もり。 APIだけをセルフサービス運用するならAPI特化型も比較。

WhatsApp一斉送信ツールの選び方

候補を比較する前に、自社の配信目的、担当者、顧客データの保管先、必要な連携方法を整理します。機能数だけで選ぶと、導入後に開発作業や手動集計が増える可能性があります。

一斉配信の目的を整理する

確認すること
販促、予約・配送通知、認証、顧客対応のうち、どの用途を主に扱うか整理します。
なぜ必要か
マーケティング運用を重視するツールと、APIによる通知送信を重視するツールでは、管理画面や必要な開発作業が異なるためです。

管理画面とAPIのどちらが必要か確認する

確認すること
運用担当者が自分でキャンペーンを作成するのか、業務システムが条件に応じて自動送信するのかを決めます。既存のWhatsApp Business App番号を継続して使いたい場合は、同じ電話番号でWhatsApp Business AppとAPIを併用するCoexistenceへの対応可否も確認します。
なぜ必要か
API中心のサービスでは、送信画面や顧客管理を自社で用意する場合があります。管理画面中心のサービスでも、複雑な連携には開発が必要です。Coexistenceでは、Business App側のブロードキャストリストなど一部機能に制約があるため、既存の運用方法も確認しておきましょう。

連絡先・セグメント・予約配信を管理できるか

確認すること
連絡先の登録方法、セグメント条件、除外対象、予約日時、重複送信の防止方法を確認します。
なぜ必要か
対象者の更新や配信停止の反映を手作業に頼ると、誤送信や対応漏れにつながるためです。

テンプレート申請と配信結果を管理できるか

確認すること
テンプレートの作成、申請、承認状況、言語別管理に加え、送信済み・配信済み・失敗など、確認できる配信ステータスを比較します。
なぜ必要か
申請状況や配信エラーを担当者が確認できないと、予定した日時に案内を送れない場合があります。

CRMや既存システムと連携できるか

確認すること
顧客データの保存先、送信条件となるイベント、APIやWebhook、標準連携の有無を確認します。
なぜ必要か
必要なデータを連携できない場合、担当者がCSVを更新したり、配信結果を別システムへ転記したりする作業が残ります。

料金と運用体制を確認する

確認すること
プラットフォーム費用、Meta側のメッセージ費用、利用ユーザー数、電話番号、追加機能、導入支援、最低契約条件を確認します。
なぜ必要か
初期の月額料金が低くても、配信量や担当者数が増えると総コストが変わるためです。

条件から候補を絞り込む

ここまでの確認項目を自社の条件に当てはめると、まず比較する候補を2〜3件まで絞り込みやすくなります。

自社の状況 まず比較したい候補
管理画面を中心にWhatsApp一斉配信を運用したい EngageLab、WATI、AiSensy
Email・SMSも含めて顧客接点を管理したい EngageLab、Brevo、CM.com
EC運用とWhatsApp配信をつなげたい SHOPLINE、WATI、AiSensy
APIで業務システムから配信したい Twilio、EngageLab、CM.com
日本語での導入・技術サポートを重視したい EngageLab、CM.com、Twilio

WhatsApp一斉送信ツールをタイプ別に比較

各候補は同じ種類のサービスではありません。複数のタイプにまたがるサービスもあるため、ここでは主な運用方法を基準に整理しています。この記事では、法人向けWhatsApp配信について公式公開情報を確認でき、管理画面での運用、ECとの連携、API・通信基盤など、提供形態の違いを比較できる8サービスを対象としています。以下は2026年8月時点で確認できる各社の公式公開情報を基に整理しています。

管理画面・マーケティング運用型

配信対象の管理、テンプレート申請、予約配信、結果確認などを運用担当者が管理したい場合の候補です。管理画面があっても、CRM連携や複雑な自動化には別途設定や開発が必要な場合があります。

EngageLab

EngageLabのWhatsApp製品画面
向いている企業・用途
管理画面からの一斉配信に加え、REST APIを使って通知や認証メッセージも業務システムから送信したい企業に向いています。
提供形態
EngageLabはMetaの公式BSPです。EngageLab ConsoleのWhatsAppメッセージセンターとWhatsApp REST APIを利用できます。WhatsAppアカウントはEngageLab上で登録し、EngageLabの料金体系が適用されます。
配信管理・テンプレート
WhatsAppメッセージセンターでは、受信者番号を手入力するか、TXTファイルでアップロードして一斉送信できます。現在の公式ガイドでは送信時間は「即時送信」です。EngageLab MAでは、ユーザーデータを条件にWhatsAppをジャーニーへ組み込めます。テンプレートの審査状態や配信・既読・失敗、推定コストなども確認できます。
システム連携・運用条件
業務システムやCRMのデータはREST API経由でEngageLab MAへ連携できます。一般メンバー向けのWhatsApp権限管理は現時点で対象外ですが、APIキーではメッセージ送信・テンプレート管理の権限やIP制限を設定できます。EngageLabを提供するAurora Mobileは日本法人を設け、日本の顧客向けに導入相談や技術サポートを提供しています。
料金構成
WhatsAppの料金はMeta側の料金体系に連動します。日本の契約主体では、Meta公式の料金・請求体系に準拠し、EngageLabによる追加のサービス料はありません。実際の単価は送信先の国・地域やメッセージカテゴリなどで変わるため、見積もり時に確認します。
別のタイプが向く場合
少人数への手動連絡だけであれば、WhatsApp Business Appで足りる場合があります。管理画面を使わず、APIによる実装の自由度を優先する場合は、API・通信基盤型も同じ条件で比較するとよいでしょう。

WATI

WATIの製品画面
向いている企業・用途
WhatsAppのキャンペーン配信、共同受信箱、顧客タグ、自動化を、運用担当者が同じ画面で管理したい企業に適しています。
提供形態
公式WhatsApp APIのセットアップ支援と管理画面を提供し、Growth、Pro、Businessの各プランでCampaignsを利用できます。API利用量やWebhookの範囲はプランによって異なります。
配信管理・テンプレート
キャンペーン配信(Campaigns)は予約送信に対応しています。Growthには月間キャンペーン利用の上限があり、Pro/Businessは「Unlimited Broadcasts」と案内されています。テンプレート提出、共同受信箱、タグ付け、レポート機能も提供されます。
システム連携・運用条件
Growthでは一部のEC/CRM連携と月10,000回のAPIを利用できますが、Webhookは含まれません。ProはHubSpotを含む連携と限定的なWebhook、BusinessはSalesforceを含む、より広い連携に対応します。サポートはGrowthが週5日・24時間(24/5)、ProとBusiness+向けのSLAページでは24時間365日(24/7)です。専任の導入支援やTechnical Account Manager(TAM)も追加できます。
料金構成
料金はサブスクリプション、WhatsAppメッセージ料金、任意の追加機能で構成されます。Growthは3ユーザー、Pro/Businessは5ユーザーを含みます。追加ユーザーはProが月額24米ドル、Businessが月額69米ドルです。メッセージ料金は送信先の国・地域とカテゴリで変わります。
別のタイプが向く場合
自社開発を中心にAPIを細かく制御したい場合は、API・通信基盤型も比較するとよいでしょう。日本語対応を契約条件にする場合は、導入前に対応範囲を確認します。

AiSensy

AiSensyの製品画面
向いている企業・用途
WhatsAppの一斉配信、セグメント、リターゲティング、共同受信箱を一つの管理画面でまとめて運用したい企業に適しています。
提供形態
AiSensyはMeta Business Partner/WhatsApp Business Solution Providerとして、管理画面とAPI Campaignを提供しています。外部システムから承認済みテンプレートを使って配信することもできます。
配信管理・テンプレート
連絡先は無制限にインポートでき、タグ・属性・セグメントを使って配信対象を絞り込めます。Basicでブロードキャストとリターゲティング、Proでは予約配信やクリック計測などが追加されます。公式機能ページでは予約配信を最大2か月先まで設定できると案内されています。管理画面からテンプレートをMetaへ承認申請でき、配信、既読、返信、クリックなどのキャンペーン指標も確認できます。
システム連携・運用条件
API Campaignのほか、Marketplace、Shopify/WooCommerce、WebEngage、Zohoなどとの連携が案内されています。サポートはFreeがメール+ライブチャット、Basic/Proがメール+ライブチャット+電話です。既存BSPからの移行時は、電話、WhatsApp、メール、ライブチャットによる支援も案内されています。
料金構成
Free Foreverは無料ですが、ブロードキャストは利用できません。Basicは月額45米ドル、Proは月額99米ドルからです。Owner 1名とAgent 5名が含まれ、追加Agentは月額20米ドルです。WhatsAppメッセージ料金は別途前払いで、送信先の国・地域とカテゴリにより変わります。
別のタイプが向く場合
WhatsApp以外の複数チャネルも同じ基盤で管理したい場合は、多チャネル型も比較するとよいでしょう。日本語対応を契約条件にする場合は、導入前に対応可否を確認します。

Brevo

Brevoの製品画面
向いている企業・用途
EmailやSMSも同じ基盤で運用し、WhatsAppキャンペーンにも同じ顧客データを使いたいマーケティングチームが検討しやすいサービスです。
提供形態
Brevoの管理画面とWhatsApp Campaigns APIを利用します。現在、WhatsAppキャンペーンとトランザクション配信はProfessional/Enterpriseプランで提供されています。
配信管理・テンプレート
送信先にはリストやセグメントを指定し、除外対象も設定できます。APIでは予約配信に対応しています。WhatsAppのオプトアウトボタンや「STOP」という返信は、Brevo側で配信停止として処理されます。テンプレート作成・承認とキャンペーンレポートにも対応し、送信、配信、既読、エラー、配信停止を確認できます。
システム連携・運用条件
BrevoのCRM、Email、SMSと同じ顧客基盤を利用でき、WhatsApp Campaigns APIやInbound Webhookも提供されます。サポート対応言語は英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ドイツ語で、日本語は含まれていません。
料金構成
Professionalは月額499米ドルから、Enterpriseは個別見積もりです。WhatsAppクレジットはサブスクリプションとは別に前払いで購入し、送信先の国・地域とMarketing/Utilityのテンプレート種別によって消費量が変わります。
別のタイプが向く場合
WhatsAppだけを小規模に運用したい場合は、Professional以上の契約が過大になりやすいため、WhatsApp専用ツールも比較するとよいでしょう。APIを細かく自社実装したい場合は、API・通信基盤型も候補になります。

SHOPLINE

SHOPLINEの製品画面
向いている企業・用途
SHOPLINEでECを運営し、WhatsAppの連絡先にキャンペーンや案内を一斉配信したい事業者に適しています。
提供形態
SHOPLINE管理画面の「メッセージ」からWhatsApp一斉配信を作成します。配信前に顧客へ同意取得用のオプトインテンプレートを送り、同意した連絡先を配信対象にします。
配信管理・テンプレート
過去24時間以内にやり取りした連絡先、または購読済み(Subscribed)の連絡先を選択し、推定受信者数を確認できます。即時送信と予約送信に対応し、配信内容を再利用用テンプレートとして保存できます。
システム連携・運用条件
SHOPLINE内のWhatsApp連絡先や注文データを使い、注文ステータス、ローカル配送、店頭受取に関するWhatsApp通知を設定できます。外部システムとの連携は、App Storeの外部アプリやREST Admin API、Webhookを使って拡張できます。
料金構成
WhatsAppはSHOPLINE本体とは別に、有料のWhatsApp Businessパッケージを購入して利用します。パッケージは利用枠(クォータ)制で、14日間のトライアルがあります。具体的なパッケージ価格は公開されていません。
別のタイプが向く場合
SHOPLINEを利用していない企業や、複数のCRM・業務システムからWhatsAppを横断的に制御したい場合は、汎用の管理画面型またはAPI型も比較するとよいでしょう。

API・通信基盤型

CRM、EC、予約、認証などの業務システムから送信したい場合に確認する候補です。APIが用意されていても、一斉配信の対象管理、キャンペーン画面、分析画面をどこまで標準で利用できるかは製品によって異なります。

Twilio

TwilioのWhatsApp製品画面
向いている企業・用途
開発チームがCRM、予約、認証などの業務システムからWhatsAppメッセージをAPIで制御したい企業に向いています。
提供形態
Programmable Messagingを中心とするWhatsApp Business APIです。Twilio Consoleにはテンプレート管理機能のContent Template Builderがありますが、連絡先リストを管理して一斉配信を組むマーケティングツールとは役割が異なります。
配信管理・テンプレート
送信対象や配信ロジックは基本的に自社側で管理します。Messaging APIではWhatsAppメッセージを15分後から35日先まで予約送信できます。
システム連携・運用条件
Programmable Messaging APIやMessaging Servicesなどを使って業務システムに組み込みます。Content Template Builderでテンプレートを作成し、Metaへ承認申請できます。配信ステータスを受け取るStatus Callbackを使えば、送信から配信、対応する場合は既読までの状態変化を追跡できます。Twilio、Authy、SendGrid製品群では、平日9:00〜18:00(日本時間)を中心に日本語サポートが提供されます。
料金構成
WhatsAppは、Twilio利用料として送受信1メッセージあたり0.005米ドルがかかり、これにMetaのテンプレート料金が加わります。Meta料金は送信先の国・地域とテンプレートカテゴリで異なります。
別のタイプが向く場合
非技術担当者が連絡先のセグメント、キャンペーン、レポートを管理画面だけで運用したい場合は、管理画面・マーケティング運用型も比較するとよいでしょう。

Bird

BirdのWhatsApp製品画面
向いている企業・用途
API連携を起点にWhatsAppを業務システムへ組み込み、必要に応じてマーケティングキャンペーンや複数チャネル連携まで広げたい場合に検討しやすいサービスです。
提供形態
Birdは公式Meta Business Solution Providerです。現行のWhatsApp API Docsでは、Birdが管理する電話番号と事前登録済みテンプレートを使う構成で、自社のWhatsApp Business Number接続と独自テンプレート作成は現時点で利用できないと案内されています。
配信管理・テンプレート
WhatsApp Marketing Platformでは、配信対象のセグメント、キャンペーン、自動ジャーニーを利用できます。APIは個別宛先への送信が基本で、事前登録済みテンプレートを使い、送信・配信・既読・失敗などの状態をイベントで追跡できます。
システム連携・運用条件
Shopify、Salesforce、Stripeなどの外部ツール連携に加え、APIとWebhookを提供しています。Enterpriseでは24時間365日のサポートや導入支援が案内されています。現行Docsと製品ページでテンプレート機能の表記が異なるため、利用するAPIの提供範囲は契約時に確認します。
料金構成
WhatsApp送信では、Birdの処理料にMeta側の利用料が加わります。従量課金(Pay as you go)は利用量に応じて課金され、Marketing向けのTargeted Contacts Bundleは月間50,000コンタクトからです。Meta側の利用料はサブスクリプションとは別に加算され、Enterpriseは個別条件です。
別のタイプが向く場合
自社のWhatsApp番号や独自テンプレートを前提にする場合は、現在の提供可否を確認したうえで、他のAPI・通信基盤型サービスも比較するとよいでしょう。

CM.com

向いている企業・用途
国内でWhatsApp Business Platformを導入し、日本語でアカウント開設を相談しながら、管理画面またはAPIで配信したい企業に向いています。
提供形態
CM.comはMeta Business Partnerであり、WhatsApp Business Solution Provider(BSP)でもあります。管理画面から利用する方法と、Business Messaging APIで自社システムに組み込む方法があります。
配信管理・テンプレート
管理画面ではWhatsAppの一斉送信とAddress book(連絡先管理)を利用できます。双方向対応用の管理画面では、複数の担当者でチャットを運用することもできます。
システム連携・運用条件
Business Messaging APIを使ってCRMやチャットシステムに組み込めるほか、チャットボットや他のメッセージチャネルも提供しています。アカウント開設は日本人スタッフに相談でき、日本語のAPI仕様書も用意されています。
料金構成
グローバルの公開価格はGoが月額49ユーロ、Basicが月額149ユーロ、Advancedが月額499ユーロで、Proは個別見積もりです。別途、通信量に応じた料金(Traffic/PAYG)とMetaのWhatsApp料金、初回のオンボーディング費用がかかります。公開されているバンドル料金は年間契約が前提で、月次請求では5%加算されます。日本向けの最終価格は個別見積もりです。
別のタイプが向く場合
管理画面や国内での導入支援よりも、APIだけをセルフサービスで細かく実装したい場合は、API単体の料金と実装自由度を他の候補と比較すると判断しやすくなります。

WhatsApp一斉送信ツールの導入前に確認したい条件

ツールを決める前に、配信対象、顧客データ、テンプレート申請、配信停止、エラー対応の担当者を整理します。システム上で送信できることと、社内で安全に運用できることは別の判断です。

  • 配信対象と同意取得:どの経路で受信希望を確認し、その履歴をどこに保存するか決めます。Metaの公式資料と、配信先の国・地域で適用される法令を確認します。
  • 連絡先データ:電話番号の取得元、更新方法、重複、無効番号、配信停止対象の反映方法を整理します。
  • テンプレート申請:作成、確認、申請、差し戻し対応を誰が担当するか決めます。
  • 配信量と対象国:月間配信数、用途、送信先の国を基に、プラットフォーム費用とメッセージ費用を見積もります。
  • 権限と承認:連絡先の閲覧、テンプレート変更、配信実行、結果確認ができる担当者を分ける必要があるか確認します。
  • エラー対応:テンプレートの未承認、送信失敗、アカウント制限が発生した場合の確認手順と連絡先を決めます。

価格、テンプレート条件、送信上限、アカウント要件は変更される可能性があります。契約前には、Metaおよび各サービスの公式資料で最新条件を確認してください。

まとめ

WhatsApp一斉送信ツールは、機能の多さだけで比較するのではなく、自社が必要とする運用方法から選びます。少人数への手動送信で足りる場合はWhatsApp Business App、運用担当者が配信対象やテンプレートを管理する場合は管理画面型、業務システムから自動送信する場合はAPI・通信基盤型を確認すると、候補を絞り込みやすくなります。

候補を比較する際は、配信管理、テンプレート申請、配信結果、システム連携、料金構成、サポート範囲を同じ項目で確認すると判断しやすくなります。想定する配信量や対象国を整理したうえで、EngageLabを含む各候補の正式な機能と費用を確認しましょう。