Twilioは、SMS、音声、WhatsApp、認証など、複数の通信機能を提供しています。ただし、代替サービスを選ぶ際は、Twilio全体ではなく、現在利用している製品や機能を基準に比較する必要があります。
この記事では、Twilio MessagingとSMS APIを中心に、VerifyによるOTP(ワンタイムパスワード)認証やWhatsAppを含む代替候補を比較します。音声通話、IVR、SIP、ビデオ、コンタクトセンターが主目的の場合は、それぞれに対応するサービスを別途比較してください。
各サービスを、主に代替できる範囲、向いている用途、国内でのSMS配信、料金体系、移行条件から整理します。掲載順はランキングではありません。
Twilio代替サービスを比較する前に、置き換えたい機能を整理する
Twilioは製品ごとに役割が異なります。まず、現在使っている機能と、切り替え後も必要な範囲を整理すると、比較対象を選びやすくなります。
Messaging・SMSを置き換える場合
通知、リマインド、本人確認コード、マーケティングメッセージなどを日本の携帯電話宛てに送る場合は、配信ルート、送信元の表示、双方向SMS、長文SMS、API連携を比較します。海外にも送る場合は、国ごとの対応範囲と料金も比較対象になります。
Verify・OTPを置き換える場合
Twilio Verifyから切り替える場合は、SMSを送れるだけでは不十分です。認証コードの生成・照合、再送制御、音声やメールへのフォールバック、不正利用対策までサービス側で提供するのか、自社システムで実装するのかを確認します。
WhatsAppや複数チャネルを見直す場合
SMSに加えてWhatsApp、メール、プッシュ通知なども運用する場合は、チャネル数だけでなく、顧客データ、配信条件、テンプレート、配信結果を同じ基盤で管理できるかが判断材料になります。既存のWABAや送信番号がある場合は、移行できる範囲を事前に整理しておく必要があります。
Voice・IVR・コンタクトセンターが中心の場合
音声発着信、電話番号、SIP、IVR、録音、コンタクトセンターが中心であれば、本文のSMS・メッセージング候補だけでは判断できません。Vonage、Plivo、Sinchなどの音声APIに加え、クラウドPBXやコンタクトセンターサービスも含めて比較する必要があります。
Twilio代替サービスの比較表
比較表を使うと、置き換えたい機能と国内での運用条件が近い候補を絞り込めます。料金欄は単純な送信単価ではなく、課金方式と費用が変わる主な条件を示しています。
まず、自社の用途に近い候補を見つけ、詳細を確認する範囲を絞ります。複数の用途に当てはまるサービスもあります。
- 国内SMSを優先:CM.com、NTT CPaaS、EngageLab、KDDI Message Cast、Aurora SMS
- SMS・認証・音声APIを比較:Vonage、Plivo、Sinch、NTT CPaaS
- OTP・認証を重視:Vonage、Plivo、Sinch、CM.com、NTT CPaaS、EngageLab、Aurora SMS
- 国内外SMSと複数チャネルを一元運用:Sinch、CM.com、EngageLab
- AWS環境からSMS通知を実装:Amazon SNS
| サービス名 | 主に代替できる範囲 | 向いている用途 | 国内SMS・主なチャネル | 料金体系・主な確認点 |
|---|---|---|---|---|
| Vonage | SMS、Messages、Verify、WhatsApp(Voiceも提供) | SMS・認証・音声APIを比較したい場合 | 国内SMS、英数字Sender ID、WhatsApp。数字送信元・双方向は条件付き | 国・API別の従量課金。Verifyは通信費が別途発生 |
| Plivo | Messaging、Verify、WhatsApp(Voiceも提供) | SMS・Voice・Verify APIの構成を見直したい場合 | 国内SMS、英数字Sender ID。国内での受信・双方向は非対応 | 従量課金。キャリア料金・契約プランあり |
| Sinch | SMS、Conversation API、Verification、WhatsApp(Voiceも提供) | メッセージングと認証を複数国で展開したい場合 | SMS、WhatsApp、RCS。国内の送信元・双方向は要問い合わせ | 従量課金・個別見積もり |
| CM.com | SMS送信API、SMS認証API、WhatsApp | SMS・OTP・WhatsAppを日本語で相談しながら導入したい場合 | 国内SMS、英数字/電話番号の送信元、WhatsApp | SMS送信と認証で料金体系が異なる |
| NTT CPaaS | SMS、2FA、Voice、Email、IVR | 複数の通信機能を日本語で導入・運用したい場合 | 個別・一斉・双方向SMS。送信元・配信ルートは要確認 | 従量課金。2FA機能と通信費は別 |
| EngageLab | Messaging、SMS、OTP、WhatsApp | 国内外SMSと複数チャネルを同じ基盤で運用したい場合 | 国内・海外SMS、OTP、WhatsApp、Email、AppPush、WebPush | 米ドル建て従量課金。固定費・最低利用額なし |
| KDDI Message Cast | SMS、RCS、双方向メッセージ | 国内SMS・RCS・双方向メッセージを重視する場合 | 国内SMS、共通/指定番号、API双方向、RCS | 到達分の従量課金。固定費・最低利用額なし |
| Aurora SMS | SMS、OTP、双方向SMS、長文SMS | 国内SMSの認証・双方向配信・運用機能を重視する場合 | 国内SMS、長文SMS、双方向SMS、認証API | 成功送信分の従量課金。固定費なし、個別見積もり |
| Amazon SNS | SMS通知、認証コード送信 | AWS環境からSMS通知や認証コード送信を組み込みたい場合 | 英数字Sender ID、ショートコード、双方向SMS。ロングコード非対応 | 従量課金+送信元ID費用。双方向は専用番号が必要 |
※料金・機能は2026年7月に各社の公式情報で確認した内容です。送信先、番号、用途、契約条件によって変わるため、最新情報は公式ページをご確認ください。
Twilio代替サービスの候補
各サービスを同じ観点で整理します。用途が近い候補だけを読み進めると、比較の負担を抑えられます。
Vonage:SMS・認証・音声を含む通信APIを比較したい場合
Vonageは、SMS API、Messages API、Verify API、WhatsAppに加え、音声APIも提供しています。Twilioで複数の通信APIを利用している場合は、SMSだけでなく認証や音声も含めて比較できます。
日本のSMS仕様では、英数字Sender IDを利用できます。数字の送信元や双方向SMSには個別の条件があり、通信事業者によって送信元が書き換えられる場合もあります。特定の送信元や受信方法が必要な場合は、契約前に利用条件を問い合わせます。
SMS APIは受信メッセージや配信結果をWebhookで取得できます。Verifyでは認証料金にSMSや音声などの通信費が加わるため、APIの差分に加え、日本宛ての単価、送信元、サポート範囲も比較対象になります。
Plivo:SMS・Voice・Verify APIの構成を見直したい場合
Plivoは、Messaging、Voice、Verify、WhatsAppのAPIを提供しています。TwilioからSMS、音声、認証の構成を移行する場合に比較しやすいサービスです。
日本の携帯電話宛てには英数字Sender IDと長文SMSを利用できます。一方、国内でのSMS受信には対応していないため、双方向SMSが必要な運用には適しません。
公開価格では、日本宛てSMSは1通0.0587米ドルからです。キャリア料金が別途発生する場合があり、利用量による割引や契約プランもあるため、想定送信量をそろえて総額を見積もります。
Sinch:メッセージングと認証をグローバルに展開したい場合
Sinchは、SMS、WhatsApp、RCSなどを扱うConversation APIと、SMSや音声によるVerification APIを提供しています。複数の国・地域でメッセージングと認証を展開する企業に適しています。
Conversation APIでは、チャネルごとの送受信と配信結果を共通のWebhook形式で扱えます。WhatsAppではSender、テンプレート、WABAの設定が必要になるため、既存環境から切り替える場合は移行対象を事前に整理しておく必要があります。
国内SMSの送信元や双方向対応は契約条件によって異なります。料金と日本語サポートの範囲は、見積もり時に確認します。
CM.com:SMS・OTP・WhatsAppを日本語で相談しながら導入したい場合
CM.comは、国内SMSの送信API、SMS認証API、WhatsApp Business Platformを提供しています。SMS通知、認証、WhatsAppを同じベンダーで導入したい場合に検討できます。
SMS送信APIでは英数字の送信元を利用でき、電話番号を送信元として表示する場合は、利用条件を個別に確認します。配信結果や費用データを取得できるため、送信状況を既存システム側で管理する運用にも対応できます。国内SMSで双方向配信が必要な場合は、対応可否を問い合わせます。
公開価格では、通常のSMS送信APIは初期費用0円、月額1万円、国内SMSは1通11円です。SMS認証APIは月額0円ですが、リクエスト料金に認証成功料金が加わるため、通常通知と認証では費用を分けて見積もる必要があります。税の取り扱いと大用量時の条件は契約内容によって異なります。
NTT CPaaS:日本でSMS・2FAと複数の通信機能を導入したい場合
NTT CPaaSは、SMS、音声、メール、IVR、2FAをAPIやローコードのフロービルダーから利用できるサービスです。複数の通信機能を日本語で導入・運用したい場合に比較できます。
SMSは個別配信、一斉配信、双方向配信に対応しています。2FAでは認証コードの生成・照合機能を利用できますが、SMSや音声、メールの送信には別途通信費が発生します。
送信元、配信ルート、Webhook、料金の詳細は個別確認です。Twilioから移行する場合は、現在利用している番号とコールバック処理を提示し、引き継ぎ可否を問い合わせます。
EngageLab:国内外SMSと複数チャネルを同じ基盤で運用したい場合
EngageLabは、国内外のSMSに加え、OTP、WhatsApp、Email、AppPush、WebPushを同じ基盤で運用する企業に向いています。Twilio Messaging、SMS、Verify、WhatsAppの置き換えを検討できます。
国内SMSでは、国内直結、アグリゲーター、国際直結のルートを利用できます。送信元はルートによって異なり、直結ルートでは英数字Sender ID、その他のルートでは携帯電話番号が表示されます。マーケティング用途では、配信前にテンプレート審査が必要です。
米ドル建ての従量課金で、初期費用、月額固定費、最低利用額はありません。音声通話、SIP、ビデオなど、Twilioの電話・音声機能全体を置き換えるサービスではありません。
KDDI Message Cast:国内SMS・RCS・双方向メッセージを重視する場合
KDDI Message Castは、国内向けのSMSとRCSを、管理画面またはAPIから配信できるサービスです。国内SMSの通知、本人確認、双方向メッセージが必要な企業に適しています。
SMSは国内網を利用し、共通番号または指定番号を送信元として利用できます。双方向SMSはAPIオプションとして提供されています。RCSの対応範囲と指定番号の利用条件は、契約内容によって異なります。
公開価格では、初期費用、月額費用、最低利用額は0円で、到達したSMSを対象に1通9.35円から課金されます。送信量に応じた数量割引があります。24時間365日の受け付け・監視体制がありますが、問い合わせへの応答時間を一律に保証するものではありません。
Aurora SMS:国内SMSの認証・双方向配信・運用機能を重視する場合
Aurora SMS(旧メディアSMS)は、国内のSMS配信、SMS認証、双方向SMS、長文SMSを提供しています。国内向けの通知と本人確認を中心に、管理画面とAPIを併用したい場合に比較しやすいサービスです。
SMS認証APIでは認証コードの生成・照合まで利用でき、SMSの配信結果もAPIから取得できます。HTTPS、SMPP、SFTPなどの接続方式と複数言語のサンプルコードが用意されています。送信元番号の選択肢は契約条件によって異なります。
初期費用と月額費用はなく、成功送信分を対象とする従量課金です。単価は送信量に応じた個別見積もりとなるため、予定件数と必要なオプションを伝えて総額を見積もります。
Amazon SNS:AWS環境からSMS通知や認証コード送信を組み込みたい場合
Amazon SNSは、AWS環境から携帯電話番号へSMSを送信したい場合の選択肢です。現在、送信元、ルーティング、コンプライアンス、配信イベントなどのSMS機能は、AWS End User Messaging SMSと組み合わせて管理します。
国内では英数字Sender ID、ショートコード、双方向SMSを利用できますが、ロングコードには対応していません。英数字Sender IDは一方向送信向けで、双方向SMSには専用ショートコードが必要です。新規アカウントはSMSサンドボックスから始まる場合があり、本番利用には申請が必要です。
認証コードをSMSで送信することはできますが、コード生成・照合・再送制御までをTwilio Verifyと同じ形で提供するサービスではありません。専用ショートコードには初期設定費用と月額費用がかかり、SMS送信費用も別途発生します。申請から開通まで時間がかかるため、短期・小規模の導入では費用とリードタイムが適合するかを見極めます。
Twilioから切り替える前に確認したいこと
国内SMSの配信ルートと送信元
同じ「国内SMS対応」でも、国内直結、アグリゲーター、国際ルートでは、送信元の表示、双方向対応、審査、料金が異なります。英数字Sender ID、共通番号、専用番号、海外番号のどれを使うかによって、返信可否や申請手続きも変わります。マーケティング用途では、テンプレートと送信元の審査条件も選定項目に含まれます。
OTP・WhatsApp・双方向SMSの対応範囲
OTPでは、SMS送信だけでなく、認証コードの生成・照合、再送制御、試行回数、音声やメールへのフォールバックをどこまでサービス側が担当するかを整理します。WhatsAppでは、既存のWABA、Sender、テンプレートを移行できるかが重要です。双方向SMSは、対応国に加え、利用できる番号と申請条件まで比較します。
API・Webhook・ログと移行工数
APIの名称が似ていても、リクエスト形式、認証方式、Webhook、配信ステータス、エラーコードは異なります。移行前に現在利用している機能を一覧にし、新旧サービスを並行稼働させて、送信、受信、再送、障害時の処理をテストすると移行リスクを抑えられます。
料金体系と総コスト
各社の見積もり条件をそろえるため、次の費用項目を同じ形式で整理します。
- 固定費:初期費用、月額費用、最低利用額の有無
- 通信・認証費:SMS送信料、OTPのリクエスト料、認証成功時の費用、音声やメールへのフォールバック費用
- 追加費用:電話番号、Sender ID、キャリア追加料金、テンプレートの審査・登録費用
- 利用量による変動:送信量、送信先の国・地域、セグメント数、数量割引。長文SMSやUnicode文字・絵文字を含む文面は、複数セグメントとして課金される場合があります
- 導入・運用費:導入支援、日本語サポート、SLA(サービス品質保証)、管理権限、追加アカウントの条件
サービスごとに課金単位が異なるため、単価だけを並べず、同じ送信先、用途、想定件数を前提に総額を見積もります。
日本語サポートと契約・運用体制
日本語ページがあることと、日本語の有人サポートを受けられることは同じではありません。問い合わせ手段、対応時間、障害時の連絡方法、応答時間、契約主体、請求通貨は、導入後の運用負荷に影響します。開発部門だけでなく、日常的に配信を管理する担当者が使える管理画面や権限管理も選定項目に含まれます。
国内外SMSと複数チャネルをまとめて運用したい場合
国内外へのSMSに加え、OTP、WhatsApp、Email、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知を同じ基盤で運用したい場合は、EngageLabを比較対象にできます。SMSだけを置き換えるのか、複数チャネルの配信条件や顧客データまでまとめるのかを整理したうえで、必要な製品を選択できます。
国内SMSでは複数の配信ルートを利用でき、用途に応じて英数字Sender IDまたは携帯電話番号が表示されます。料金はOTP、通知、マーケティングで異なる従量課金で、固定費や最低利用額はありません。無効な電話番号は課金対象外ですが、端末の電源OFF、受信拒否、通信事業者によるブロックなどで受信されなかった場合も課金対象になることがあります。配信量が多い場合は、送信先、用途、想定件数をもとに数量割引を含む見積もりを依頼できます。
日本語サポートは、メール、チャット、電話、オンライン会議、担当者を通じて24時間365日利用できます。応答時間は契約条件や問い合わせ内容によって異なります。現在利用しているTwilio製品と必要なチャネルを整理したうえで、SMS、OTP、WhatsApp、Marketing Automationなどの導入範囲をご相談ください。
Twilio代替サービスに関するよくある質問
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Q
Twilioの機能は一社ですべて置き換える必要がありますか?
A: すべてを一社にまとめる必要はありません。Messaging、Verify、WhatsApp、Voiceのうち、現在利用している機能と連携関係を整理し、SMSや認証は別サービス、音声は既存のTwilioを継続するといった構成も選べます。 -
Q
現在の送信元番号やWhatsApp Senderは引き継げますか?
A: そのまま引き継げるとは限りません。SMSの番号やSender IDは国・事業者・配信ルートによって移行条件が異なり、WhatsAppではWABA、Sender、表示名、テンプレートの移行手続きが必要です。候補サービスへ現在の構成を伝え、移行可能な範囲を確認します。 -
Q
Twilio Verifyの代替はどのように選びますか?
A: 認証コードをSMSで送る機能だけでなく、コード生成・照合、再送制御、フォールバック、不正利用対策の範囲を比較します。サービス側が提供しない処理は、自社システムで実装・運用する工数も総コストに含めます。 -
Q
VoiceやIVRが目的の場合も本文の候補で選べますか?
A: Vonage、Plivo、Sinch、NTT CPaaSなどは音声機能も提供していますが、本文はMessagingとSMSを中心に比較しています。電話番号、SIP、録音、IVR、コンタクトセンターが主目的の場合は、音声APIやクラウド電話サービスとして別途比較してください。
Twilio代替サービスは、ブランド名や掲載順ではなく、現在利用している機能と国内での運用条件から選びます。必要な機能を満たさないサービスを除外し、残った候補は公式資料、見積もり、テスト環境で適合性を確かめます。
候補を絞った後は、送信先、月間件数、送信元、認証フロー、Webhook、サポート要件を各社へ同じ形式で提示し、見積もりとテスト結果を比較します。







