KARTEは、行動データをリアルタイムに解析し、Web・アプリ接客、データ統合、クロスチャネル施策をつなぐCXプラットフォームです。一方、EngageLabは、CRMや業務システムのデータを使い、Email、AppPush、WebPush、SMS、WhatsAppによるメッセージ配信と自動化を支えるプラットフォームです。

両者には、顧客データを使った配信や自動化という共通点があります。ただし、どの製品を組み合わせ、どの業務を任せるかで必要な機能と運用体制は変わります。本記事では、顧客接点、データ連携、配信、料金、運用負担を同じ基準で比較します。

KARTE側はWeb・for App・Message・Datahub、EngageLab側は各配信製品とMarketing Automationを主な比較対象とします。どちらも、ここに挙げた機能が一つの契約にすべて含まれるとは限りません。

先に結論

サイト内の行動理解、Web接客、CVR改善、顧客データの統合を重視する企業は、KARTEを検討しやすいでしょう。

既存のCRMや業務システムを活かし、Email、Push、SMS、WhatsAppの配信と自動化を強化したい企業は、EngageLabが候補になります。

サイト内接客とメッセージ配信の両方が必要なら、役割を分けた併用も選択肢です。費用は、同じ業務シナリオと利用規模で見積もりを比較してください。

EngageLabとKARTEの違い

最初に、製品名ではなく「どの業務を任せたいか」で比較範囲をそろえます。KARTEにはサイト外配信の機能もあり、EngageLabにも属性・行動データを使う機能があります。以下の表では、両者の主な役割と、要件に応じて検討すべき製品を整理しています。

比較項目 EngageLab KARTE
中心となる役割 リアルタイムな顧客理解を起点に、Web・アプリ接客、データ活用、クロスチャネル施策をつなぐCXプラットフォーム
主な比較対象 KARTE Web、KARTE for App、KARTE Message、KARTE Datahub。利用目的に応じて製品を選択
Web接客・CVR改善 KARTE Webでポップアップ、ユーザー分析、施策分析、A/Bテスト、セッションリプレイなどを活用
メッセージ配信 KARTE Messageでメール、LINE、SMS、アプリプッシュなどに対応。必要なチャネルと契約範囲を確認
データ連携 KARTE Datahubで社内外の顧客・行動・オフラインデータを統合し、KARTEの各製品へ連携
自動化 KARTE Messageのステップ配信などを、KARTEの顧客データや接客施策と組み合わせる
分析の主な用途 ユーザー行動や接客施策の効果を分析し、サイト・アプリ体験を改善。Messageでは配信成果も確認
導入・運用体制 タグ・SDK・データ連携を設計し、接客シナリオ、分析、改善を継続する担当者を配置
料金の考え方 利用製品・パッケージとサイトの月間ユーザー数などに応じた個別見積もり。初期費用あり
向いている企業 顧客行動の理解とWeb・アプリ接客をつなぎ、データ活用から体験改善まで継続したい企業

※2026年10月13日に確認した公式公開情報を基に整理しています。機能の利用条件や契約範囲は、採用する製品・プランごとに確認してください。

KARTEの強み

KARTEは、顧客がサイトやアプリでどのように行動しているかを理解し、その理解を接客や施策へつなげたい企業に向いています。配信チャネルだけでなく、顧客体験を改善する業務全体が比較の対象になります。

リアルタイムな顧客理解をWeb接客に活かせる

KARTE Webは、ユーザーの行動や状態を基に、ポップアップ、案内、アンケートなどの接客施策を実施できます。ユーザー分析、施策分析、A/Bテスト、セッションリプレイも、サイト内の課題発見と改善に活用できます。

たとえば、商品ページを閲覧しているユーザーに案内を表示し、表示前後の行動を分析して接客施策を改善したい場合に活用できます。サイトを離れた人に通知を送り再訪を促す施策とは、必要な仕組みが異なります。

KARTE公式サイトのCXプラットフォーム紹介画面
KARTEの顧客理解と体験改善を紹介する画面

社内外のデータを施策につなげられる

KARTE Datahubは、顧客データ、行動データ、オフラインデータなどを統合し、KARTEの各製品へ連携するデータ基盤です。会員・購買情報が複数のシステムに分かれており、顧客軸で整理して接客や配信に使いたい場合に検討対象となります。

この役割は、配信に必要な属性やイベントを取り込むことより広い範囲を含みます。EngageLabのデータ連携やジャーニー機能だけで、Datahubと同じデータ統合・管理業務を担えるとは判断できません。

サイト内接客とサイト外の配信施策をつなげられる

KARTE Messageは、メール、LINE、SMS、アプリプッシュなどの配信に対応しています。配信リスト、キャンペーン、ステップ配信を使い、顧客の行動や属性に合わせたコミュニケーションを設計できます。

国内向けの施策でLINEを必須とする場合や、KARTEで扱う顧客データをサイト内外の接点へ活かしたい場合は、Web・Message・Datahubの組み合わせを確認します。必要な機能は、各製品の契約範囲と合わせて評価してください。

運用の確認ポイント: 導入設計、データ設計、シナリオ作成、分析と改善を継続する担当者が必要です。「使いこなせない」と感じる場合は、不足しているのが機能か、担当者か、運用支援かを分けて整理しましょう。

EngageLabの強み

EngageLabは、既存のCRMや業務システムのデータを基に、複数チャネルのメッセージ配信を強化したい企業の比較候補です。必要な配信製品と自動化機能を選び、業務システムと接続して運用できます。

5つの配信チャネルを組み合わせて顧客接点を広げられる

本記事で扱う配信チャネルは、Email、AppPush、WebPush、SMS、WhatsAppの5つです。EmailはSMTPやREST APIで連携でき、配信状況はWebhookで取得できます。SMSは200以上の国・地域への対応が公式料金ページで案内されています。

サイト内の接客に加え、購入後の通知、再訪促進、キャンペーン案内などを複数チャネルで届けたい場合に検討しやすい構成です。WhatsAppを使う市場も対象とする場合は、必要な配信先、送信者設定、料金を確認します。

EngageLabが対応するEmail、AppPush、WebPush、SMS、WhatsAppの5つの配信チャネル

AppPush・WebPushでアプリやサイト外の接点を強化できる

AppPushはAndroid・iOSなどのアプリ向けプッシュ通知を扱い、APNs、FCM、複数のAndroidメーカーチャネル、EngageLabチャネルを利用できます。WebPushは別製品として、Webサイト外への通知による再訪促進に利用できます。

海外も含むアプリ展開では、ユーザーの端末構成と必要な配信経路を確認します。対応チャネルの多さだけで成果は決まらないため、対象端末での到達、クリック後の動作、配信状況の取得を実際に検証することが大切です。

EngageLab AppPushのプッシュ通知作成画面

Marketing Automationでメッセージ配信を自動化できる

EngageLab Marketing Automationは、SDKやREST APIで取り込んだ属性・行動イベントを起点に、開始条件、待機、条件分岐、メッセージ送信を組み合わせる別製品です。日常的なジャーニー変更を管理画面で行えるため、施策ごとに定時バッチや分岐ロジックを開発する負担を抑えられます。

たとえば、会員登録後にウェルカムメールを送り、一定期間の行動を見て次の通知を出し分ける運用です。イベント連携、ユーザー識別、配信チャネルの設定は必要ですが、その後の施策設計を担当者が進めやすくなります。

EngageLab Marketing Automationで開始条件、待機、分岐、配信を組み合わせるジャーニー画面

製品構成の確認ポイント: Marketing Automationと各配信製品は、役割と料金を分けて確認します。ジャーニーを作れることと、全社のデータ統合・ガバナンスを担えることは同じではありません。

自社に必要な機能構成と費用を相談する

改善したい顧客接点や現在のデータ環境をお聞かせください。EngageLabの最適な製品構成と概算費用をご提案します。

お問い合わせ・ご相談

EngageLabとKARTEはどちらを選ぶべきか

まず、改善したい顧客接点がサイト・アプリ内か、サイト外のメッセージかを明確にします。次に、データ統合の範囲と、継続的に施策を運用できる体制を確認します。

KARTEが向いている企業

  • ユーザーの行動をリアルタイムに理解し、Web・アプリ接客へ反映したい
  • ポップアップ、A/Bテスト、セッションリプレイなどでサイト内のCVRを改善したい
  • 社内外に分散した顧客データを、Datahubで施策につなげたい
  • メールやLINEなどの配信を、KARTEの顧客データ・接客施策と組み合わせたい
  • データ設計、シナリオ作成、分析、改善を継続する担当者を配置できる

EngageLabが向いている企業

  • 既存のCRMや業務システムのデータを活かして配信を強化したい
  • Email、AppPush、WebPush、SMS、WhatsAppを組み合わせたい
  • Androidメーカーチャネルを含むアプリプッシュの配信経路を評価したい
  • Marketing Automationで開始条件、待機、分岐、配信を画面から運用したい
  • 必要な配信製品の構成と利用規模を決め、費用を業務ごとに見積もりたい

サイト内接客と配信基盤を分けて使う場合

KARTEをリアルタイムな顧客理解やサイト内接客に使い、EngageLabをEmail、Push、SMS、WhatsAppなどの配信基盤に使う構成も考えられます。KARTE Messageと担当業務が重なる場合は、どちらから何を送るかを先に決めます。

併用では、ユーザーID、属性・イベント、配信対象、同意・配信停止情報、成果計測の管理方法を整理します。KARTEとEngageLabが自動で同期することを前提にせず、必要な連携方法と担当者を確認してください。

料金と総コストの違い

KARTEは利用製品や月間ユーザー数などに応じた見積もり、EngageLabは配信製品ごとのDAU規模・利用量やMarketing AutomationのMEP規模などが料金の基準になります。算定単位が異なるため、開始価格だけでどちらが安いかは判断できません。

比較項目 EngageLab KARTE
料金の算定単位 利用製品・パッケージ、サイトの月間ユーザー数など。過去12か月のサイトUU数と導入目的を基に見積もり
公開価格・見積もり 料金の算定条件を公開。具体的な金額は要問い合わせ
試用の入口 目的に応じた資料・デモ・見積もりを問い合わせ
初期導入費・工数 公式料金ページで初期費用ありと案内。システム支援・連携支援とサポート範囲を確認
追加で見るコスト Datahubなどの追加製品、データ連携、オプション、運用支援、分析と接客施策に必要な人件費

MEPは、当月にジャーニーへ入ったユニークユーザー数を表します。配信人数や送信回数とは異なるため、MAの料金と各チャネルの配信料金を分けて確認します。最新条件はEngageLab料金ページとKARTE料金ページで確認してください。

費用は月額だけではありません。初期導入、データ連携、追加製品・オプション、サポート、社内の運用人件費まで含めた初年度の総コスト(TCO)を比較します。Web接客だけが必要な構成と、データ統合・複数チャネル配信まで含む構成では、見積もりの範囲が異なります。

見積もりのそろえ方: 目標KPI、月間ユーザー数・DAU、配信先、送信量、データソース、必須チャネル、運用体制、初年度予算の上限を一枚の要件表にまとめます。同じ業務シナリオを各社へ提示すると、費用と担当範囲を比較しやすくなります。

導入・運用で確認したい7つのポイント

製品を選ぶ前に、機能の有無だけでなく、誰が導入し、誰が日々の施策を改善するかまで確認します。次の7つの観点で要件をそろえると、デモや見積もりの内容を比較しやすくなります。

  • 解決したい課題:顧客理解、サイト内接客、CVR改善、サイト外メッセージのうち、今回の導入で改善する業務を決める。
  • データ基盤:既存のCRM・CDP・DWHの有無、ユーザーIDの管理、必要な属性・行動イベント、更新頻度を整理する。
  • タッチポイント:Web、アプリ、Email、Push、SMS、WhatsApp、LINEのうち必須を決め、製品と契約範囲を確認する。
  • 導入と運用:タグ・SDK・API実装、データ連携、施策作成、分析、改善を誰が担うか明確にする。
  • 総コスト:初期費用、月額・利用量、追加製品、支援、人件費を含めて比較する。
  • サポート方式:導入支援、日常サポート、伴走コンサルティング、運用代行の必要性と提供範囲を確認する。
  • セキュリティとガバナンス:SSO、権限、監査ログ、データの保存・処理場所、保存期間、同意・配信停止管理が自社要件を満たすか確認する。

「使いこなせない」という課題も、導入・データ設計の不足、シナリオ作成の工数、分析と改善を続ける体制の不足に分けると、必要な対策を選びやすくなります。EngageLabを選ぶ場合も、実装とデータ連携の担当者が不要になるわけではありません。MAの導入手順も参考にしてください。

よくある質問

EngageLabでKARTEのWeb接客機能を同じように使えますか?

同じ機能範囲とはいえません。KARTE Webはサイト内のポップアップ、ユーザー分析、A/Bテスト、セッションリプレイなどを組み合わせて接客とCVR改善を行います。本記事で扱うEngageLabの主な役割は、複数チャネルのメッセージ配信と自動化です。必要な接客機能を個別に照合してください。

KARTE DatahubとEngageLab Marketing Automationの違いは何ですか?

Datahubは、社内外のデータを統合し、KARTEの各製品へつなぐデータ基盤です。Marketing Automationは、取り込んだ属性・行動イベントを使って配信ジャーニーを設計・実行する製品です。データを集約・管理する業務と、そのデータを使ってメッセージを送る業務を分けて比較してください。

KARTEでもメールやプッシュ通知を配信できますか?

はい。KARTE Messageではメール、LINE、SMS、アプリプッシュなどが案内されています。EngageLabはEmail、AppPush、WebPush、SMS、WhatsAppを製品ごとに提供します。配信機能の有無だけでなく、必須チャネル、データ連携、施策運用、料金まで比較してください。

KARTEとEngageLabは併用できますか?

役割を分けて使う構成は考えられます。KARTEを顧客理解やサイト内接客、EngageLabをメッセージ配信に利用する例です。実装前にユーザーID、データ連携、配信停止情報、送信ルール、成果計測を整理し、利用できる連携方法を確認する必要があります。

EngageLabはKARTEより低価格ですか?

一律には判断できません。比較する製品の組み合わせ、月間ユーザー数・DAU、送信量、チャネル、運用支援で総額が変わります。必要な業務をそろえ、初期費用と社内工数を含む総コストで確認してください。

どのような運用体制が必要ですか?

両者とも、タグ・SDK・APIなどの実装とデータ連携を担う担当者に加え、施策を作成し、結果を分析して改善する担当者が必要です。KARTEでは接客と顧客分析、EngageLabでは配信とジャーニーを中心に、担当範囲、目標KPI、検証サイクルを決めます。

まとめ:顧客接点と運用体制で選ぶ

KARTEは、顧客行動の理解、Web・アプリ接客、データ統合を軸に体験を改善したい企業の候補です。EngageLabは、既存のCRMや業務システムを活かし、Email、Push、SMS、WhatsAppの配信と自動化を強化したい企業の候補になります。

まず改善したい接点を決め、次にデータ連携の範囲と運用担当者を整理します。そのうえで、同じ業務シナリオによる小規模な検証と、初年度の総コストを比較してください。サイト内接客と配信基盤の両方が必要な場合は、担当業務を分けた併用も検討できます。

自社に合うメッセージ配信基盤を、実際の運用で確認

EngageLabの配信チャネルとMarketing Automationを確認し、必要な顧客接点・データ連携・運用体制を整理できます。