オンラインで顧客獲得を狙うブランドにとって、ターゲット層とどう効果的に接点を持つかは常に課題です。いまは以前にも増して多くの消費者がオンラインにつながっているため、セグメンテーションの活用は欠かせません。さまざまな手法の中でも、行動ベースセグメンテーションは、ユーザーの行動を手がかりにパーソナライズを行える点で特に注目されています。
本記事では、この考え方を整理したうえで、行動ベースセグメンテーションの変数を解説します。さらに、具体例を通して活用方法も紹介します。
行動ベースセグメンテーションとは?
行動ベースセグメンテーションの定義
まずは、行動ベースセグメンテーションの定義から確認します。これは、ユーザーの行動、アクション、意思決定傾向をもとに、対象をグループ分けするマーケティング手法です。特にECでは効果を発揮しやすいアプローチです。
この手法は、他のセグメンテーションが重視しがちな「誰が」「どこにいるか」ではなく、「なぜ」「どうやって」を中心に捉えます。
変数には、購買履歴、ブランドロイヤルティ、好まれる連絡チャネル、利用頻度、購入タイミングなどが含まれます。
こうした情報から、顧客が貴社で購入に至る動機を把握することを目指します。
重要性とメリット
行動ベースセグメンテーションは、現代のマーケティングで成果を出すための重要戦略の1つです。顧客セグメントごとに、より的確で関連性の高い体験を設計できるためです。主なメリットは次の通りです。
- パーソナライズの精度向上: 行動データをもとに対象を分けるため、各セグメントの好みに合うメッセージを設計しやすい。結果として、顧客体験をより個別最適化できる。
- 予算配分の最適化: 価値の高い顧客セグメントを特定し、重点投資しやすい。その結果、マーケティング費用を効率化し、投資対効果の向上が期待できる。
- 顧客維持率の改善: 顧客がリピートする理由を行動から把握できる。継続利用につながる施策を組み立てやすくなり、長期顧客の増加に結びつく。
- コンバージョンの向上: 購買プロセスの改善を前提に設計するため、コンバージョン率と顧客満足の両方を高めやすい。
行動ベースセグメンテーションの変数
行動ベースセグメンテーションの変数は、顧客がブランドとどう関わるかを左右する要因で分類します。マーケティングにおける行動特性として、主に次の種類が挙げられます。
- 購買行動: 購入の判断が「なぜ」「どう」行われるかに注目する。例えば、習慣的に買う層と衝動買いの層では意思決定が異なる。商品ページを多く見てからカートに入れる層もいれば、即決する層もいる。
- 重視するベネフィット: 顧客は商品がもたらす価値を比較して判断する。ただし、セグメントごとに重視点は異なる。顧客が最も価値を置く点を把握できれば、セグメントに合わせて訴求を寄せられる。
- 顧客ロイヤルティ: 一貫して同じブランドを選ぶ顧客もいれば、頻繁に乗り換える顧客もいる。ロイヤル顧客を見つけることで、特典提供などを通じて関係を強化できる。
- 利用頻度: 商品やサービスをどれくらいの頻度で利用するかも重要です。例えばモバイルアプリでは特に価値が高い変数です。高頻度ユーザーは、ライトユーザーより高度なニーズを持つことが多いため、セグメント別にアプローチを変える必要があります。
- タイミング: 購入が発生した時期に注目する。季節商品だったか、通年商品だったかを確認する。定期的な購買サイクルか、セール施策によるものかも整理する。
- 購入準備段階: 購買プロセスには複数の段階がある。この変数を使うことで精度をさらに高められる。購入準備段階ごとにセグメントし、購入に近づく一押しとなるコンテンツへ最適化する。
行動ベースセグメンテーションの具体例と特徴
基本を押さえたところで、行動ベースセグメンテーションの具体例を見ていきます。業界ごとに、どのように有効性が発揮されるかが分かります。
例A:EC
まずは、オンラインのファッション小売を例にします。この場合、ECは主に次の3つのセグメントに分けられます。
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頻繁に購入する顧客:
定期的に購入する顧客です。新着商品への反応が良く、プレミアム商品にも関心を示しやすい傾向があります。この層を特定できれば、先行販売の特典や限定プロモーションを案内できます。さらに、購入後のサンクスメールをパーソナライズし、関係を強められます。
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たまに購入する顧客:
数カ月に1回程度、特別なイベントや季節セールのタイミングで購入する層です。値引きに反応しやすい傾向があるため、クーポンなどの施策で再訪を促しやすくなります。
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セール時だけ購入する顧客:
クリアランスやブラックフライデーなど、大幅値引きの時だけ購入する層です。この層には、割引率の高いオファーを中心に訴求し、サイト流入を増やす戦略が有効です。
例B:動画配信サービス
動画配信サービスでは、行動ベースセグメンテーションを活用して、視聴体験をパーソナライズできます。代表的なセグメントは次の通りです。
- ジャンル嗜好が明確な視聴者: 特定ジャンルへの強い好みを持つ層です。視聴履歴をもとに、関連作品をレコメンドできます。満足度や滞在時間の向上につながります。
- 一気見する視聴者: 1回の視聴で複数話を連続で見る層です。この層には、新作シリーズや一気見に向く作品を提案できます。さらに、「視聴を続ける」系のパーソナライズメールを送り、再訪とエンゲージメントを高められます。
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ライトな視聴者:
視聴が不定期で、シリーズより映画を好む傾向がある層です。このセグメントには、新作映画や季節に合う映画を中心にプロモーションすると効果的です。
例C:B2B SaaS企業
最後は、プロジェクト管理ソフトを提供するB2B SaaS企業を例にします。企業がソフトウェアをどう使っているかを分析すると、主に次の3セグメントが見えてきます。
- ヘビーユーザー: アプリへの関与度が高く、高度な機能も使いこなす層です。この層には、β機能への先行アクセス、深掘りチュートリアル、優先サポートなどが有効です。また、生産性を最大化する使い方のヒントをパーソナライズして配信することで、パートナーとしての関係を強化できます。
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低エンゲージメント層:
基本機能だけで止まっている層です。ステップ形式のガイドや短いチュートリアル動画、ライブトレーニングへの招待が効果的です。さらに、高度機能を試せる無料トライアルを案内し、価値を実感してもらう方法もあります。将来的にヘビーユーザーへ育成することが狙いです。
- エンタープライズ顧客: 大口顧客は、ヘビーユーザーかどうかに関わらず、追加のカスタマイズや技術サポートを求めることが多いです。研修やカスタム連携など、要件に合わせた提案が必要になります。さらに、定期的なチェックインや四半期レポートで、導入効果を可視化する運用も有効です。
マーケティングにおける行動特性
ここまでの例で、業界ごとの活用イメージが見えてきました。あわせて意識したいのが、マーケティングファネルの中で各セグメントがどう動くかを示す行動特性です。特に追うべきポイントは次の通りです。
- 認知: 顧客は貴社や商品を認知しているか。行動ベースセグメンテーションを使えば、認知を促すコンテンツが必要な層か、すでに理解が進んでいる層かを見分けやすくなります。
- 興味・関与: 広告クリック、ブログ閲覧、ニュースレター登録などの行動から、興味の強さを推定できます。どの購買段階にいるかも把握しやすくなります。
- 意思決定: 意思決定の傾向が分かると、購入を後押しする特典や、ロイヤル顧客を維持する施策を最適化できます。例えば、大幅値引きを待つ層もいれば、衝動買いしやすい層もいます。
EngageLabで行動ベースセグメンテーションを実践する
ここまでの行動ベースセグメンテーションを実行するなら、運用をシンプルにできるプラットフォームから始める方法があります。EngageLabは、データドリブンなセグメント設計を、より実務で使いやすくする機能を提供しています。
EngageLabの各プロダクトが、この重要なマーケティング施策をどう支援するかを紹介します。
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リアルタイムのデータ収集と分析:
EngageLabでは、複数チャネルの顧客接点をリアルタイムで追跡できます。メールキャンペーンやアプリプッシュ通知の配信後も、状況を継続的にモニタリングできます。行動パターンのデータを蓄積し、次の施策に活用できます。
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オムニチャネルでのエンゲージメント:
EngageLabは、メールからプッシュ通知まで複数チャネルを統合し、顧客が好む手段でアプローチできます。セグメントごとに一貫したパーソナライズを行いやすくなり、途切れのない顧客体験を設計できます。
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自動化とパーソナライズ:
パーソナライズしたトリガーメールを作成できます。例えば、カート放棄が発生した場合、限定割引付きのリマインドメールを自動送信できます。特定セグメントに合わせて設計できるため、成果につながりやすくなります。
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オーディエンスリスト:
EngageLabでは、カスタムオーディエンスリストを素早く作成できます。行動パターンを見つけたら、配信先をセグメントし、パーソナライズしたキャンペーンを配信できます。コミュニケーションの成果最大化に役立ちます。
まとめ
競争が激しい市場では、行動ベースセグメンテーションが競合に差をつける武器になります。EngageLabは、セグメンテーションの実践を後押しするパートナーです。登録して、コミュニケーションの質を高めるパーソナライズキャンペーンにつなげていきましょう。







