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ゆうこ

更新日:2025-11-10

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メールが本当に目立ち、ターゲット顧客の心をつかみたいとお考えではありませんか。効果的なメールマーケティング顧客ジャーニーを構築する方法を知ることが、その実現には不可欠です。これにより、送信したメールが他のマーケティングメッセージに埋もれることなく、確実にコンバージョンへとつなげることができます。

本記事では、メールマーケティング顧客ジャーニーのプロセスについて詳しく解説します。メリットやベストプラクティス、作成手順まで、メールマーケティングで最大限の成果を得るためのポイントをまとめています。

メールマーケティング顧客ジャーニー

メールマーケティング顧客ジャーニーとは

「顧客ジャーニー」とは、顧客がブランドとどのように接点を持ち、商品やサービスを購入するまでの一連の流れを指す言葉です。一般的に、カスタマージャーニーマップは、顧客とブランドの接点を視覚的に表現するために活用されます。

メールマーケティング顧客ジャーニーの定義

メールマーケティング顧客ジャーニーとは、特定の期間にわたり、受信者がどのようにブランドからメールを受け取るかを分析・可視化・計画する、より具体的な顧客ジャーニーの一種です。主に、メールを通じてブランドや組織とやり取りする受信者の体験を対象としています。

メールマーケティング顧客ジャーニーマップ

出典:Static-Academy

メールマーケティング顧客ジャーニーの細かなポイントを理解することは、顧客中心のアプローチを重視する企業にとって、ターゲット層の期待に合ったメールマーケティング戦略を実現するうえで重要です。

メールマーケティング顧客ジャーニーの特徴と重要性

従来の顧客ジャーニーとメールマーケティング顧客ジャーニーは、見込み顧客をロイヤルカスタマーへと転換するという共通の目的を持っています。ただし、メールマーケティング顧客ジャーニーには以下のような特徴があり、その重要性が際立ちます。

  • タッチポイント: 従来の顧客ジャーニーはSNSやWebサイト、実店舗など複数のチャネルにタッチポイントが存在。メールマーケティング顧客ジャーニーは、最適なタイミングと内容でメールを通じてコミュニケーションを図る点が特徴。
  • 許諾ベースのエンゲージメント: メールマーケティングは、リストに登録した顧客が配信を許可している場合にのみ可能。従来の押し付け型マーケティングとは異なり、信頼関係に基づくコミュニケーションが築ける。
  • 行動データのトラッキング: メールマーケティングでは、詳細な行動データの取得が可能。誰がどのメールを開封し、どのリンクに注目したかなど、正確な分析ができる。
  • ハイパーパーソナライズ: 従来の顧客ジャーニーではターゲットを大まかなカテゴリに分けるが、メールマーケティング顧客ジャーニーマップでは複数の要素をもとに大規模なパーソナライズが実現。パーソナライズと自動化を組み合わせることで、収益が最大320%向上するケースも。
  • リソース効率とスケーラビリティ: 従来の顧客ジャーニーは複数チャネル対応のため多くのリソースが必要。一方、自動化されたメールマーケティングキャンペーンはコスト効率が高く、スケーラブルに顧客との継続的なコミュニケーションが可能。
  • 顧客体験の向上: メールマーケティング顧客ジャーニーでは、不要なメッセージを排除し、各段階で一貫したコミュニケーションを実現。顧客体験の向上と強固な関係構築に寄与。

これらの違いを補完的なものとして捉えることで、メールマーケティング顧客ジャーニーの強みを最大限に活かし、全体のマーケティングエコシステムと効果的に統合することができます。

メールマーケティング顧客ジャーニーの主要ステージ

成功するメールマーケティング顧客ジャーニーは、次の5つの主要ステージを経て進行します。

認知(Awareness):ブランドと見込み顧客が初めて接点を持つ段階。この段階では、貴社の主な特徴を伝え、潜在顧客に信頼感を築くことが重要。

検討(Consideration):購読者がケーススタディ、比較、チュートリアルなど価値あるメールを通じて貴社のソリューションを評価し始める段階。

意思決定・購入(Decision/Purchase):コンバージョンを促すため、説得力があり行動を促すメールを送る必要がある段階。

リテンション(Retention):購入後のオンボーディングやアップセルオファーなど、顧客維持とロイヤルティ向上を目的としたメールを送る段階。

推奨(Advocacy):カスタマージャーニーの最終段階では、紹介プログラムの案内やレビュー依頼メールを通じて、満足した顧客をプロモーターへ導くことが目標。

これでメールマーケティング顧客ジャーニーの主要なステージを理解できました。次は、実際にどのようにジャーニーマップを作成するかを見ていきます。

ステップバイステップガイド:メールマーケティング顧客ジャーニーマップの作り方

効果的なメールマーケティング顧客ジャーニーマップを9つのステップで作成する方法を紹介します。

ステップ1:カスタマーペルソナの作成とオーディエンスのセグメント化

まず、誰に向けて発信しているのかを明確に把握することが重要です。初回訪問者をターゲットにする場合と、プレミアム顧客をターゲットにする場合では、メールマーケティング顧客ジャーニーの内容が大きく異なります。

メールペルソナテンプレート

出典:Customerthink

そのため、まずは詳細なカスタマーペルソナを作成することから始めるのがおすすめです。ペルソナには以下の要素を含めます。

  • デモグラフィック情報
  • 課題・悩み
  • 目標
  • コミュニケーション手段

次に、行動、購買履歴、顧客エンゲージメントレベル、ライフサイクルステージなどの主要な属性でオーディエンスをセグメント化します。

顧客セグメントの作成

ステップ2:最適なメール自動化プラットフォームを選択

メールマーケティング顧客ジャーニーを始める前に、信頼性が高く使いやすいメール自動化プラットフォームを用意することが不可欠です。ビジュアルオートメーション、セグメント機能、パーソナライズ、詳細な分析などの機能があるか確認しましょう。

また、理想的なプラットフォームはCRMや他のマーケティングツールと連携し、統合されたマーケティング顧客ジャーニー体験を実現します。おすすめのメールマーケティングツールについては後半で詳しく紹介します。

ステップ3:考えられるタッチポイントを洗い出す

メールマーケティング顧客ジャーニーマップは、あらゆるタッチポイントを洗い出すことから始まります。メールを通じて顧客が貴社と接点を持つ全ての方法をリストアップします。ウェルカムメールやプロモーションメールだけでなく、幅広く検討することが重要です。

顧客タッチポイント

出典:Textmagic

例えば、以下のようなシナリオが考えられます。

  • カゴ落ちフォローアップ
  • 購入後のフォローアップ
  • 再エンゲージメントキャンペーン
  • 誕生日・記念日メッセージ
  • 季節ごとのマーケティングキャンペーン
  • 顧客フィードバックの依頼
  • ウェブサイト行動に基づくトリガーメール
マーケティングオートメーション設定手順

ステップ4:各カスタマージャーニー段階の目標を設定

メールマーケティングのカスタマージャーニー各段階で達成したい目標を明確に設定する必要があります。

目標は具体的に設定しましょう。例えば、

  • 認知段階: 開封率25%、クリック率5%の達成を目指す。
  • 検討段階: 受信者の15%が事例資料をダウンロードすることを目標とする。
  • 購入段階: コンバージョン率や平均注文額の達成を重視。

このように、各メールカスタマージャーニーの指標を明確にすることで、全体のプロセスが効率的かつ管理しやすくなります。

ステップ5:各タッチポイントに魅力的なコンテンツを作成

ここからは、以下のような内容を工夫して作成します:

  • メールテンプレートに合わせた魅力的なコンテンツ
  • 訴求力のある件名や
  • 各タッチポイントで行動を促すコールトゥアクション

適切なトーンやメッセージ設計に注意が必要です。全体として、カスタマージャーニーメールは各ターゲット層に合わせた内容とし、汎用的なマーケティングメッセージにならないようにすることが重要です。

ステップ6:配信タイミングと頻度を決定

配信タイミングはメールカスタマージャーニーの成果に大きく影響します。以下のような問いに明確な答えを持つことが大切です:

さまざまな配信間隔をテストし、貴社のターゲットやセグメントに最適なタイミングを見つけることが重要です。例えば、B2Bメールは平日に効果が高い傾向があり、B2Cブランドは週末にエンゲージメントが高まる傾向があります。

ステップ7:自動化とトリガーの設定

この段階までに、メールマーケティングのカスタマージャーニーマップを構築するための知識・ツール・データが揃っているはずです。

メール配信プラットフォームで、特定のトリガーやタイミングに応じて適切なメッセージが自動的に送信されるように設定します。トリガーは論理的に設計し、顧客に無関係または矛盾したメッセージが届かないよう配慮することが重要です。

メールトラッキング統計

ステップ8:テスト・モニタリング・最適化

各段階で開封率(open rate)、クリック率(click-through rate)、コンバージョン率(conversion rate)、メール1通あたりの売上などの主要指標を追跡・分析します。さらに、A/Bテストで件名・CTA・コンテンツ形式などを最適化することが可能です。

ステップ9:フィードバックループの構築

優れたカスタマージャーニーマップは常に進化し続けます。月次や四半期ごとに定期的なレビュー期間を設け、パフォーマンスを分析することが重要です。

最終的に、カスタマージャーニー型のメールマーケティングシステムを構築することで、長期的に成果を得ることができます。上記ステップを実践し土台を固めれば、持続的な成長を支える強力なエコシステムを構築できます。

カスタマージャーニーメールの実例とソリューション

メールカスタマージャーニー戦略の実践は、単なる概念理解とは大きく異なります。ここからは、実際のカスタマージャーニーメール事例を詳しく見ていきます。

実際のカスタマージャーニーメール事例

1. オンボーディングジャーニー

オンボーディングメールは、受信者が価値提案を理解し、次のアクションを明確にできるようにする重要なコミュニケーション手段です。下記の例では、Mercorが主なメリットを強調し、次のステップも分かりやすく説明しています。

オンボーディングメール顧客ジャーニー

2. カート放棄

カート放棄メールは、メールマーケティングの顧客ジャーニーに欠かせない要素です。受信者に押し付けがましさを感じさせず、適度な緊急感を演出することが重要です。理想的なカート放棄メールは、受信者が残した商品に言及した魅力的な件名を持っています。

カート放棄メール顧客ジャーニー

3. 購入後フィードバック

購入後のメールは、顧客ジャーニーのメールマーケティング戦略において見落とされがちです。理想的なサンキューメールは、単なる注文確認にとどまりません。購入後の満足度を高め、ブランドに対する受信者からのフィードバックも集めます。

購入後フィードバック顧客ジャーニー

よくあるメール顧客ジャーニーの課題と回避策

ここでは、メール顧客ジャーニーでよくある課題とその解決策を紹介します。

  • 汎用的なメッセージ: すべての購読者を同じように扱うのは、顧客ジャーニーメール設計における大きなミスです。複数のジャーニーパスを作成し、大規模なパーソナライズを実現する必要があります。
  • 情報過多: 新規購読者にブランドの情報を一度に詰め込みすぎるのは適切ではありません。適切な間隔でメールを配信し、頻度をテストして最適なバランスを見つけることが重要です。
  • 非アクティブ購読者の無視: メール顧客ジャーニーマップは、エンゲージメントの高い購読者に偏りがちです。非アクティブな購読者とも再接続できるリテンション施策も用意する必要があります。
  • 購入後体験の軽視: 購入後に顧客からフィードバックを得ないのは大きな機会損失です。成功するメール顧客ジャーニーマップには、購入後のフィードバック収集やアップセル提案も含めるべきです。
  • 最適化不足: メール顧客ジャーニーの構築は一度で完了するものではありません。継続的な改善と最適化が求められるプロセスです。

メール顧客ジャーニーの効果測定と最適化

メール顧客ジャーニーを最適化する前に、パフォーマンスを測定するための主要な指標を把握しておく必要があります。

メール顧客ジャーニーで追跡すべき主な指標

指標 説明
開封率 メールを開封した受信者の割合
クリック率 メール内のリンクをクリックした受信者の割合
コンバージョン率 購入やダウンロードなど、目的のアクションを完了した割合
配信停止率 メール受信後に配信停止を選択した割合
リスト成長率 新規購読者数から配信停止者数を差し引いた純増率
メールあたりの収益 メール送信数で割った合計売上金額
メール共有率 メールを転送または共有した受信者の割合
バウンス率 配信できなかったメールの割合

最適化のコツ

メールマーケティングの顧客ジャーニーマップを最適化するためには、以下のポイントを参考にしてください。

  • コンテンツの最適化: コンテンツやメッセージのトーンはメールマーケティングキャンペーンの重要な要素です。件名のA/Bテストを定期的に行い、パーソナライズも徹底しましょう。
  • 配信タイミングと頻度の最適化: さまざまな配信時間や頻度を試し、ターゲット顧客の行動パターンに合った最適なタイミングを見つけます。
  • セグメンテーションの強化: 細分化セグメントを作成し、顧客ジャーニーに合わせたメールを配信することで、より高い関連性を実現します。
  • 技術面の強化: 到達率の高い信頼性のあるプラットフォームを利用し、メッセージが確実にターゲットに届くようにしましょう。

最適化は一度きりではなく、継続的なプロセスであることが重要です。成果や購読者からのフィードバックをもとに、メールマーケティングの顧客ジャーニー戦略も常に進化し続けます。

メール顧客ジャーニーマッピングおすすめツール比較

効果的なメール顧客ジャーニーを構築するためには、どのツールを選ぶかが非常に重要なポイントです。

下記の表では、主要なメール顧客ジャーニーマッピングツールが顧客ジャーニーの作成・管理にどのように役立つかをまとめています。

機能 EngageLab MA Braze Twilio SendGrid Mailchimp HubSpot
ビジュアルジャーニービルダー 高度なドラッグ&ドロップインターフェース キャンバスビルダー 基本的な自動化 カスタマージャーニービルダー ワークフロー自動化
リアルタイムパーソナライズ AIを活用したダイナミックコンテンツ Liquidテンプレート パーソナライズは限定的 基本的なマージタグ スマートコンテンツ
クロスチャネル統合 メール、SMS、プッシュ通知、アプリ内 フルオムニチャネル メールとSMSに特化 主にメール マルチチャネル
高度なセグメンテーション 行動ベース・予測型 複雑なオーディエンスビルダー 連絡先データベースのセグメント タグとセグメント リストセグメント
A/Bテスト 多変量テスト キャンペーン最適化 件名テスト 基本的なA/Bテスト A/B・多変量テスト
分析の深さ 包括的なレポート 高度な分析 詳細な指標 基本的なレポート アトリビューションレポート
APIの柔軟性 RESTful API・Webhook対応 強力なAPIスイート Web API v3 Marketing API API・各種統合
料金体系 従量課金・スケーラブル エンタープライズ向け 従量課金 購読者数ベース 機能別プラン
おすすめ対象 成長中の企業 エンタープライズブランド 開発者 中小企業 オールインワンマーケティング

業界別おすすめ連携ツール

主要なメールマーケティング顧客ジャーニーツールについて理解できたところで、各業界での活用例をご紹介します。

  • EC事業者: EngageLab MAやBrazeは、ECサイト向けの優れた連携機能を備えており、オンライン小売業者のメールマーケティング施策を強力にサポートします。
  • SaaS企業: SaaSやテクノロジー企業は複雑なオンボーディングフローが必要な場合が多いため、HubSpotやEngageLab MAは開発者向けのインフラを持ち、特におすすめです。
  • コンテンツ・メディア企業: 小規模なコンテンツビジネスにはMailchimpが人気です。一方で、より高度な顧客ジャーニー設計や最適化にはEngageLab MAも有効です。

メール顧客ジャーニーにEngageLab MAを選ぶ理由

EngageLab MA は、豊富な機能・使いやすさ・効率性で、メールマーケティングプラットフォームの中でも際立った存在です。

EngageLab MAマーケティングオートメーション

EngageLab MAがメール顧客ジャーニーに最適な理由は以下の通りです。

  • AIによるパーソナライズ: EngageLab MAのアルゴリズムは、顧客ごとに最適化されたメールマーケティングを大規模に実現するため、継続的に学習・進化します。
  • オムニチャネルプラットフォーム: EngageLabは、複数チャネルとタッチポイントを1つのダッシュボードで管理できるオムニチャネルマーケティング・顧客エンゲージメントプラットフォームです。
  • ビジュアルジャーニービルダー: 複雑な顧客ジャーニーも専門知識不要で、ドラッグ&ドロップにより直感的にマーケティングフローを作成できます。
  • クロスチャネル連携: Mailchimpのようなメール特化型とは異なり、EngageLabはメール顧客ジャーニーをオムニチャネル戦略の一部として包括的に管理します。
  • エンタープライズ機能×手頃な価格: EngageLabは、オートメーションや分析、レポート、サポートなどの高度な機能を、従量課金制で導入しやすく利用可能です。

効果的なメールマーケティング顧客ジャーニー戦略の構築をご検討の際は、ぜひEngageLab MAをご覧ください。EngageLabのカスタマーサポートにご相談いただくことで、メール顧客ジャーニー設計のアドバイスやさらなる情報もご提供可能です。

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