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高橋 ゆうこ

更新日:2026-02-03

2612 閲覧数, 6 min 読む
興味深い事実:世界全体では、マーケティング予算が平均で約15%削減されています。

企業がマーケティング予算を縮小している背景には、さまざまな要因があります。なかでも、世界的なパンデミックがもたらした長期的な影響は、依然として大きな要因の一つです。

とはいえ、予算が減ったからといって、企業がマーケティング施策そのものを軽視しているわけではありません。

むしろ、新規顧客の獲得を追い続けるのではなく、既存顧客との関係を深める「リテンションマーケティング」へと注力する動きが強まっています。

顧客維持を目的とした施策や、成果につながるリテンションマーケティングの考え方に詳しくない場合でも、本ガイドを通じて基本から理解できます。

では、リテンションマーケティングの重要なポイントを順に見ていきましょう。

リテンションマーケティング

リテンションマーケティングの概要

具体的な施策に入る前に、まずはリテンションマーケティングの基本的な考え方を整理しておくことが大切です。

リテンションマーケティングとは

リテンションマーケティングとは、既存顧客の価値を高め、長期的に利用・購買を続けてもらうために企業が行う戦略や取り組みを指します。

リテンションマーケティングの目的は、顧客との継続的な関係を築き、顧客維持率を高めることで、結果的に売上の向上へとつなげる点にあります。

リテンションマーケティングは、新規顧客獲得を中心とする従来のマーケティングとは考え方が異なります。重点を置くのは、既存顧客に繰り返し購入してもらうことや、サービスの利用頻度を高めることです。

リテンションマーケティングのファネル

出典:https://www.getvero.com/

例えばEC事業では、過去に購入した顧客に再訪してもらい、追加購入につなげることがリテンション施策の中心となります。

一方、サブスクリプション型のSaaSでは、既存ユーザーに継続して利用してもらうことに加え、上位プランへの移行を促すことが重要な顧客維持施策となります。

リテンションマーケティングのメリット

多くの企業がリテンションマーケティングを採用しているのは、次のようなメリットがあるためです。

  • マーケティングコストの削減: 調査によると、新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持する場合と比べて5〜7倍高いとされています。リテンションマーケティングを強化することで、全体のマーケティングコストを大きく削減できます。
  • 長期的な関係構築: 顧客と継続的な関係を築くことは、ブランドにとって大きな価値があります。多くの顧客は企業との安定した関係を望んでおり、その期待に応えることで顧客生涯価値(LTV)を最大化できます。
  • 顧客理解の深化: 既存顧客と継続的にコミュニケーションを取ることで、共通する課題や製品・サービスに対する期待を把握しやすくなります。
  • 口コミの創出: 効果的なリテンションマーケティングは、ポジティブな口コミを生み出します。既存顧客の維持に加え、自然な新規顧客獲得にもつながります。
  • アップセル機会の最大化: 顧客の課題を深く理解することで、アップセルやクロスセルの成功確率を高めることができます。

2026年になぜリテンションマーケティングが新規顧客獲得より重要なのか

これまでに紹介したメリットに加え、2026年はリテンションマーケティングの重要性がさらに高まっています。

その背景には、経済環境や消費行動の変化といった要因があります。

  • 国連などの主要な国際機関は、世界経済が2025年まで低迷する状態が続くと予測しています。
  • インフレや世界経済の影響により、顧客は新しい製品やサービスの利用を控える傾向があります。その結果、企業は新規顧客の獲得に苦戦しやすくなります。
  • 世界経済は新型コロナウイルス感染症や地政学的リスクの影響から回復途上にあります。そのため、企業は顧客獲得に多額のコストをかけざるを得ない状況が続いています。

こうした課題に対して重要となるのが、既存顧客の維持に注力し、顧客離脱による損失を防ぐ取り組みです。

成果につながるリテンションマーケティング戦略10選

リテンションマーケティングを成功させるには、顧客層や業界特性、ビジネスモデル、事業規模といった要素を踏まえる必要があります。

一方で、業種や企業規模を問わず共通して有効なリテンション施策もあります。ここでは代表的な戦略を詳しく解説します。

1. パーソナライズされたメールを配信する

メールマーケティングにおいて、パーソナライズは欠かせない要素です。顧客満足度を高めるには、名前や限定オファーを盛り込んだパーソナライズされたメールを配信することが重要です。

誕生日や記念日など、顧客にとって意味のあるタイミングでメールを送ることも有効なリテンション施策の一つです。

パーソナライズされたメールは、顧客に配慮が伝わりやすい手法です。個別化された体験を積み重ねることで、顧客ロイヤルティの向上が期待できます。

リテンションマーケティングメール例

2. 信頼できるオムニチャネルマーケティング基盤を活用する

マーケティングメッセージを1通ずつ手作業で送信する時代は、すでに終わっています。

EngageLab のような信頼性の高いオムニチャネルマーケティングプラットフォームを活用すれば、既存顧客から新規顧客まで、複数チャネルを通じて効率的にアプローチできます。

特に重要なのは、ツールを切り替えながら作業する必要がない点です。すべての施策を1つのダッシュボードで把握できるため、日々の運用がスムーズになり、全体の生産性向上につながります。

EngageLabのオムニチャネルマーケティングプラットフォーム

3. 特典や割引を提供する

特典や限定クーポン、キャンペーン、割引といった施策は、今もなお多くの顧客に支持される定番のアプローチです。

お得なオファーは顧客の関心を引きやすいため、リテンションマーケティングでは、既存顧客の満足度を高め、継続利用につながる割引設計が重要になります。

また、特典の伝え方もリテンションマーケティングの成果を左右します。モバイルアプリを提供している場合は、割引内容が一目で伝わる表示や導線を意識すると効果的です。

メールマーケティングでは、明確なCTAを含むパーソナライズされたテンプレートを用い、顧客にとって価値のある案内であることを自然に伝えましょう。

パーソナライズ割引例

4. ロイヤルティを高める仕組みをつくる

計画的に設計されたロイヤルティプログラムは、リテンションマーケティングにおける重要な要素です。

継続的な利用や購買に対して特典を用意することで、顧客の定着を着実に後押しできます。

加えて、紹介プログラムを組み合わせることで、ロイヤルティ施策とリテンションマーケティングをさらに強化できます。既存顧客が新規ユーザーを紹介した際に特典を付与すれば、顧客獲得を効率よく広げることが可能です。

ロイヤルティ施策のインセンティブは、誕生日クーポンや割引に限定する必要はありません。自社の業種や提供価値に合わせて、継続利用のメリットが伝わる内容を設計することが大切です。

たとえばSaaS企業であれば、上位プランの無料トライアル期間を延長する方法があります。

また、長期間利用している顧客に対し、1か月分の無料利用を提供することも、ロイヤルティ向上につながる有効な施策です。

ロイヤルティプログラム例

5. カスタマーアドバイザリーボードを設置する

カスタマーアドバイザリーボードを設置する取り組みは、近年注目を集めています。企業の商品やサービスに対して、意見やフィードバックを提供する選定された顧客グループのことを指します。

カスタマーアドバイザリーボードは、プロダクトアイデアの検証やテストの実施を担います。また、マーケティング施策に関する提案を受けることもできます。顧客の要望やブランドへの期待を深く理解できるため、プロダクトとマーケティング戦略の最適化につながり、結果としてリテンションマーケティングの強化が期待できます。

カスタマーアドバイザリーボードへの招待例

6. 迅速かつ信頼できるカスタマーサポートを提供する

迅速で信頼性の高いカスタマーサポートは、顧客の維持と満足度向上に欠かせない要素です。知名度の高いプロダクトやオンラインツールであっても、サポート品質の低さが評価を下げてしまうケースは少なくありません。

電子メールサポートやライブチャットは、カスタマーサポートにおいて重要なチャネルです。問い合わせにはできるだけ早く対応することで、他サービスの検討や競合への乗り換えを防ぐことにつながります。

7. 無料トライアルを提供する

無料トライアルの提供は、新規顧客だけでなく既存顧客にも有効なマーケティング施策です。いきなり商品やサービスに費用を支払うことに抵抗を感じる人は少なくありません。そのため、まずは体験してもらう機会を用意することが重要です。

リテンションマーケティングの観点では、上位プラン向けの限定トライアルを提供する方法もあります。

例えば、ベーシックプランを利用中の顧客に対し、上位プランを試せる限定トライアルをパーソナライズした電子メールで案内することで、自然な形でアップグレードを促すことができます。

無料トライアルの案内例

8. フィードバックを収集し、実行に移す

多くの企業やブランドは、定期的に顧客からフィードバックを収集しています。しかし、その意見を十分に反映できていなかったり、理由を説明せずに対応を見送ったりするケースも見受けられます。

このような対応は、リテンションマーケティングにおいて好ましいものではありません。実現可能な内容であれば、できるだけ早く改善に反映することが理想です。

実行が難しい場合でも、具体的な理由を伝えることで、顧客の声に真摯に向き合っている姿勢を示すことができます。

フィードバック依頼メールの例

9. 休眠ユーザーにもアプローチする

リテンションマーケティングは、現在アクティブな顧客だけを対象とするものではありません。商品やサービスを利用していない休眠ユーザーに対しても、継続的にエンゲージメントを高める施策が重要です。

例えば、サブスクリプション型のソフトウェアを提供している場合、数か月間ツールを試したあと、多くのユーザーが休眠ユーザーになってしまうケースは少なくありません。こうした休眠ユーザーに対しては、リテンションマーケティング施策の一環として積極的にアプローチすることが重要です。

割引や特典、またロイヤルティプログラムなどを活用し、継続的に利用してもらえるユーザーへと育成することで、利用頻度の回復や定着につなげることができます。

休眠ユーザーを再エンゲージするメールの例

10. 一貫性を重視する

リテンションマーケティングは、短期間で劇的な成果を生み出す施策ではありません。事業の安定性と自然な成長を実現するための、長期的な取り組みであることを理解しておく必要があります。

これまで紹介してきた顧客維持施策の多くは、長期的な関係構築を前提としています。そのため、定期的なコミュニケーションを継続し、顧客ごとに最適化された特典を適切なタイミングで届けることが欠かせません。

定期的なマーケティングメールの例

カスタマーリテンションマーケティングにおけるEngageLabの役割

新規顧客の獲得と既存顧客の維持を両立できるオールインワンの顧客エンゲージメント基盤をお探しの場合は、リテンションマーケティングの強化に適したEngageLabという選択肢があります。

EngageLabは、通知、WhatsApp、SMS、OTP、Captcha、電子メールといった複数のチャネルを、一元的かつ直感的な操作画面で管理できるプラットフォームです。顧客との接点を包括的に設計することで、継続的かつ自然なコミュニケーションを実現します。

その結果、顧客との長期的な関係構築が促進され、コンバージョン率や顧客維持率の向上が期待できます。

EngageLabがカスタマーリテンションマーケティング分野で高く評価されている主な機能は、以下のとおりです。

  • オムニチャネル顧客エンゲージメント: EngageLabは、リテンションマーケティング施策を効果的に設計し、実行まで一貫して進められるプラットフォームです。直感的に操作できるUIにより、キャンペーンの立ち上げから運用までをスムーズに行えます。
  • EngageLab オムニチャネル管理ダッシュボード
  • 高度な分析・可視化機能: 施策の成果を最大化するには、データの可視化と継続的な確認が欠かせません。EngageLabでは、チャネル別の分析に加え、ダッシュボード上での一元管理が可能です。リテンションマーケティングに必要な主要指標を、ひと目で把握できます。
  • EngageLab 分析ダッシュボード
  • テンプレート活用: 顧客との関係を深めるには、使いやすいテンプレートの活用が効果的です。EngageLabには、メールテンプレートマーケティングオートメーション用ワークフローテンプレートが豊富に用意されています。パーソナライズと自動化を、無理なく実現できます。
  • EngageLab テンプレート選択画面
  • セキュリティと信頼性: EngageLabは、大量のマーケティングメッセージを短時間で配信できる設計です。同時に、高い安全性と安定したインフラを備えています。長期的な顧客エンゲージメントを支える、信頼性の高い基盤です。
  • コスト効率の高い料金体系: EngageLabは、スモールスタートしやすい料金設計を採用しています。従量課金型の料金体系により、利用した分だけ支払う仕組みです。リテンションマーケティングのコスト最適化にも貢献します。
  • EngageLab 料金

まとめ

新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係を強化することが、安定した成長につながります。本記事で紹介したリテンションマーケティング施策は、そのための実践的な手法です。

顧客エンゲージメントと定着を、より効率的に進めたい場合は、EngageLabの活用がおすすめです。継続的な施策運用により、売上と利益の向上が期待できます。