avatar

高橋 ゆうこ

更新日:2026-06-29

8612 閲覧数, 8 min 読む
先に結論

リテンションマーケティングとは、既存顧客との関係を深め、継続購入・継続利用・再購入・休眠復帰につなげるマーケティング施策です。新規顧客の獲得だけに依存するのではなく、メール、プッシュ通知、SMS、アプリ内メッセージ、マーケティングオートメーションなどを組み合わせ、顧客の状態に応じて継続的な接点を作ることが重要です。

商品やサービスを一度利用してもらっても、その後のフォローが不十分だと、再購入や継続利用にはつながりにくくなります。

リテンションマーケティングでは、既存顧客の行動や関心に合わせてコミュニケーションを設計し、LTVの向上や解約防止を目指します。

この記事では、リテンションマーケティングの意味、主な施策、メールマーケティングでの活用、事例、KPI、始め方をわかりやすく整理します。

リテンションマーケティングの施策・事例・KPIを整理した図

リテンションマーケティングとは

リテンションマーケティングとは、既存顧客との関係を維持・強化し、継続購入、継続利用、再購入、アップセル、休眠復帰などにつなげるマーケティング活動です。

新規顧客を獲得する施策が「まだ接点のない顧客を増やす」活動であるのに対し、リテンションマーケティングは「すでに接点のある顧客との関係を深める」活動です。

なお、「リテンション」という言葉は人事領域で従業員の定着を意味する場合もありますが、本記事ではマーケティング領域における顧客維持・継続利用・再購入促進の意味で解説します。

リテンションマーケティングの全体像
項目 新規獲得マーケティング リテンションマーケティング
主な対象 まだ購入・登録していないユーザー 既存顧客、会員、利用中ユーザー、休眠ユーザー
目的 認知獲得、登録、初回購入 継続利用、再購入、アップセル、休眠復帰
主な施策 広告、SEO、LP、資料請求、初回キャンペーン メール、プッシュ通知、SMS、自動配信シナリオ、ロイヤルティ施策

リテンションマーケティングが重要な理由

リテンションマーケティングが重要な理由は、新規顧客を増やすだけでは事業成長が安定しにくいからです。獲得した顧客が短期間で離脱すると、広告費や営業コストをかけても、売上やLTVが伸びにくくなります。

新規獲得には広告費、営業工数、初回接点づくりのコストがかかります。一方で、既存顧客はすでに商品やサービスを理解しているため、適切なフォローができれば再購入や継続利用につながりやすい傾向があります。

ただし、単に配信回数を増やすだけでは逆効果になることもあります。リテンションマーケティングでは、顧客にとって必要な情報を、必要なタイミングで届けることが重要です。

  • LTVを高めやすい:継続購入やアップセルが増えると、1人あたりの顧客価値を高めやすくなります。
  • 獲得コストへの依存を下げられる:既存顧客との関係を深めることで、新規獲得だけに頼らない成長を目指せます。
  • 休眠・解約を防ぎやすい:利用状況に応じてフォローすることで、離脱前のサインに対応しやすくなります。
  • 顧客理解が深まる:購入履歴、閲覧履歴、反応データを分析することで、より適切な提案につなげられます。

リテンションマーケティングの主な施策

リテンションマーケティングでは、顧客の状態に合わせて施策を選ぶことが大切です。初回購入直後の顧客、継続利用中の顧客、一定期間反応がない休眠顧客では、必要なコミュニケーションが異なります。

すべての施策を同時に行う必要はありません。まずは自社で離脱が起きやすいタイミングを確認し、優先度の高い施策から始めると運用しやすくなります。

ここでは、顧客の継続購入・継続利用を目的としたマーケティング施策として整理します。

顧客状態別に選ぶリテンション施策

施策を選ぶときは、顧客がどの段階にいるかを先に整理すると判断しやすくなります。たとえば、初回購入後は不安を減らすフォロー、休眠前後は再訪のきっかけづくり、契約更新前は成果や活用状況の共有が重要になります。

施策名だけで選ぶのではなく、「どの顧客が離脱しやすいか」「なぜ次の行動に進まないのか」「どの接点なら自然にフォローできるか」を確認してから、メール、プッシュ通知、SMS、自動配信シナリオなどのチャネルを選ぶと設計しやすくなります。

顧客状態 優先して検討する施策 使いやすいチャネル 見るKPI
初回購入・登録後 使い方案内、購入後フォロー、オンボーディング メール、アプリ内メッセージ、プッシュ通知 2回目購入率、初回利用完了率、アクティブ率
継続利用中 パーソナライズ配信、関連コンテンツ、活用提案 メール、プッシュ通知、Webプッシュ通知 開封率、クリック率、利用頻度、購入頻度
利用停滞・休眠前後 再エンゲージメント、休眠理由に応じた案内、再訪リマインド メール、SMS、プッシュ通知、WhatsApp 休眠復帰率、再訪率、再購入率
契約更新・再購入前 更新前フォロー、成果共有、再購入リマインド メール、自動配信シナリオ、営業・CS連携 契約更新率、再購入率、解約率
アップセル検討時 上位プラン提案、関連商品の提案、活用事例配信 メール、セミナー案内、自動配信シナリオ アップグレード率、クロスセル率、LTV
顧客状態別のリテンション施策

代表的なリテンション施策には、以下のようなものがあります。自社の目的に近いものから選び、反応を見ながら改善していきましょう。

  • 1

    購入後・登録後フォロー

    初回購入や登録の直後に、使い方、次に取るべき行動、関連コンテンツを案内します。
  • 2

    パーソナライズ配信

    購入履歴、閲覧履歴、利用状況に応じて、メールやプッシュ通知の内容を出し分けます。
  • 3

    再購入・継続利用のリマインド

    消耗品、定期利用サービス、サブスクリプションなどで、適切なタイミングに再利用を促します。
  • 4

    休眠ユーザーの再エンゲージメント

    一定期間アクセスや購入がないユーザーに対し、特典、更新情報、利用再開のきっかけを届けます。
  • 5

    アップセル・クロスセル提案

    既存顧客の課題や利用状況に合わせて、上位プランや関連商品を提案します。
  • 6

    フィードバック・満足度調査

    顧客の声を集め、サービス改善や解約防止につなげます。
  • 7

    サポート・オンボーディングの強化

    導入直後や初回利用時に、使い方、よくある疑問、次に試すべき機能を案内し、早期離脱を防ぎます。
  • 8

    ロイヤルティ施策

    継続利用者向けの特典、会員ランク、限定コンテンツなどを用意し、長く利用する理由を作ります。

なお、SNS運用、リテンション広告、ポイントプログラムなどもリテンション施策として使われることがあります。ただし、すべての企業に必要とは限りません。まずは自社で継続利用や再購入につながりやすい接点を見つけ、効果を確認できる施策から始めるとよいでしょう。

メールマーケティングで行うリテンション施策

メールマーケティングは、リテンション施策と相性のよいチャネルです。リテンションメールとは、既存顧客の継続利用や再購入を促すために、購入後フォロー、休眠復帰、アップセル提案、満足度調査などを顧客の状態に合わせて届けるメール施策です。

ただし、リテンションメールは一斉配信だけで成果が出るものではありません。顧客の購入履歴、利用状況、反応データに応じて、配信タイミングや内容を変えることが重要です。

たとえば、初回購入者には使い方や不安を減らす情報、継続利用中の顧客には活用のヒント、休眠しそうな顧客には再開しやすいきっかけを届けるなど、同じメールを全員に送らないことが基本になります。

リテンションメールの主な種類

  • 購入後フォローメール:購入直後に使い方や関連情報を案内する
  • 再購入リマインドメール:前回購入から一定期間後に再購入を促す
  • 定期フォロー・ニュースレター:新機能、活用ノウハウ、関連コンテンツを届け、顧客との接点を維持する
  • 休眠復帰メール:一定期間反応がない顧客に再訪や利用再開を促す
  • アップセル・クロスセルメール:利用状況に合わせて上位プランや関連商品を提案する
  • フィードバック依頼メール:満足度や改善要望を収集する

リテンションメールを送るタイミング

リテンションメールは、顧客が次の行動に迷いやすいタイミングで送ると効果を確認しやすくなります。単に定期配信するだけでなく、「いつ送るか」と「どの行動につなげるか」をセットで決めておきましょう。

タイミング 送る内容 確認したい指標
購入・登録直後 使い方、初期設定、次に見るべきコンテンツ、よくある疑問 初回利用率、クリック率、2回目購入率
再購入時期の前 消耗品の買い替え案内、関連商品の提案、定期利用の案内 再購入率、購入頻度、売上への影響
利用停滞・休眠前後 利用再開のきっかけ、更新情報、課題解決コンテンツ 再訪率、休眠復帰率、解除率
契約更新前 活用状況、成果の振り返り、更新判断に必要な情報 契約更新率、解約率、商談化率
アップセル前 上位プランの活用例、関連機能、導入事例 アップグレード率、クリック率、問い合わせ率

効果を見るときは、開封率やクリック率だけで判断しないことも大切です。購入後フォローなら2回目購入率、休眠復帰メールなら再訪率や休眠復帰率、契約更新前のメールなら更新率のように、メールの目的に近い指標を合わせて確認しましょう。

メール内では、読者に取ってほしい行動を1つに絞ると、次の行動につながりやすくなります。たとえば、購入後フォローなら使い方ページへ案内する、再購入リマインドなら該当商品へ戻す、契約更新前なら活用状況や相談窓口へ誘導するなど、メールの目的とリンク先を合わせておきましょう。

休眠顧客向けのメールでは、すぐに割引を出すのではなく、まず休眠理由を想定することが大切です。価格が理由ではない顧客には、ガイドやサポート情報、活用例、新機能のお知らせなど、離脱理由に近い内容を選ぶと継続利用につながりやすくなります。

また、すべての連絡をメールだけで行う必要はありません。詳しい案内やコンテンツ配信はメール、すぐに気づいてほしい案内はプッシュ通知、重要度の高い通知はSMSやWhatsAppなど、目的に応じてチャネルを分けると運用しやすくなります。

リテンションマーケティングの事例

リテンションマーケティングは、業種やビジネスモデルによって実施内容が異なります。ここでは、EC、アプリ、SaaS、BtoBの4つのパターンで考え方を整理します。

事例を確認するときは、企業名や有名な施策だけを見るのではなく、「どのタイミングで顧客が離脱しやすいのか」「どの接点で自然にフォローできるのか」「どのKPIで効果を確認するのか」を分けて見ると、自社に応用しやすくなります。

有名企業の事例は参考になりますが、そのまま真似る必要はありません。自社の顧客行動や購入サイクルに合わせて、無理なく続けられる施策に置き換えることが大切です。

業種・場面 よくある課題 施策例 見るKPI
EC 初回購入後に2回目購入へつながらない 購入後フォロー、再購入リマインド、関連商品の提案 再購入率、購入頻度、LTV
アプリ・Webサービス インストール後に利用頻度が下がる オンボーディング、プッシュ通知、休眠復帰通知 継続率、DAU/MAU、休眠復帰率
SaaS 無料トライアル後や初期利用で離脱する オンボーディング、利用状況に応じたフォロー、機能活用メール アクティブ率、解約率、アップグレード率
BtoB 検討期間が長く、資料請求後・商談後・導入後の接点が途切れやすい ナーチャリングメール、セミナー案内、導入事例配信 メール反応率、商談化率、受注率

多くのリテンションマーケティング事例は、細かく見るといくつかの型に分けられます。購入履歴に合わせて商品を提案するレコメンド型、消耗品や契約更新のタイミングで連絡するリマインド型、導入初期のつまずきを減らすオンボーディング型、利用が止まりそうな顧客に再開のきっかけを届ける休眠復帰型などです。

事例を自社に落とし込むときの見方

リテンションマーケティングの事例は、企業名や業界だけを見るよりも、顧客の状態と接点に分けて考えると自社に応用しやすくなります。

  • EC:初回購入後のフォロー、消耗品の再購入タイミング、カゴ落ち後のリマインド、購入履歴に合わせたレコメンドなど、購買サイクルに合わせて接点を作ります。
  • アプリ:インストール直後のオンボーディング、利用頻度が下がったユーザーへのプッシュ通知、休眠前の再訪促進を設計します。
  • SaaS:導入初期の利用定着、利用状況に応じたフォロー、主要機能の活用促進、契約更新前の成果共有を通じて、チャーンを防ぎます。
  • BtoB:資料請求後、商談後、導入後、契約更新前など、検討期間が長い場面で継続的な情報提供を行います。

自社で事例を整理するときは、まず「どの顧客層が離脱しやすいか」「どのタイミングで接点を作れるか」「改善したいKPIは何か」を決めると、施策の優先順位を付けやすくなります。

リテンションマーケティングで見るべきKPI

リテンションマーケティングでは、施策を実行する前にKPIを決めておくことが重要です。メールの開封率だけを見るのではなく、継続利用や売上への影響まで確認します。

KPIは、最終的な成果を見る指標と、成果につながる途中の変化を見る指標に分けて考えると整理しやすくなります。たとえば、再購入率やLTV、解約率は成果に近い指標であり、初回利用完了率、利用頻度、メール反応率などは改善の兆候を確認するための指標です。

最初からすべての指標を追う必要はありません。たとえばECなら再購入率、アプリなら継続率やアクティブ率、SaaSなら解約率や契約更新率のように、改善したい目的に近いKPIから確認すると判断しやすくなります。

KPI 見る目的 主な利用場面
リテンション率 一定期間後も顧客が継続しているかを確認する アプリ、SaaS、会員サービス
チャーンレート・解約率 解約や離脱の割合を把握する SaaS、サブスクリプション
契約更新率 契約期間の終了後も継続して利用しているかを確認する BtoB、SaaS、サブスクリプション
再購入率 初回購入後に再び購入しているかを見る EC、小売、D2C
LTV 顧客1人あたりの長期的な売上価値を確認する EC、SaaS、BtoB
メール開封率・クリック率 リテンション施策への反応を確認する メールマーケティング、MA
休眠復帰率 休眠ユーザーが再訪・再利用した割合を見る アプリ、EC、会員サービス
顧客満足度・NPS 継続利用の背景にある満足度や推奨意向を確認する BtoB、SaaS、サブスクリプション

なお、チャーンレートやリテンション率は重要な指標ですが、本記事では概要に留めます。計算式や業界別の平均値まで詳しく扱うと主題が広がりすぎるため、ここではリテンションマーケティングで見るべき代表的なKPIとして整理します。

まずは計算式を細かく覚えるよりも、測定する期間と対象をそろえることが大切です。たとえば「登録後30日」「契約更新前」「初回購入から90日後」のように基準を決めると、施策ごとの変化を比較しやすくなります。また、開封率が高くても再購入につながっていなければ、施策の目的に合ったKPIを見直しましょう。

LTVの計算式やサブスクリプションでの見方まで確認したい場合は、LTVの計算方法も参考にしてください。

リテンションマーケティングを始める手順

リテンションマーケティングは、最初から複雑なシナリオを作る必要はありません。まずは対象顧客と目的を絞り、効果を測定しながら改善することが大切です。

  • 1

    対象顧客を決める

    初回購入者、休眠ユーザー、継続利用中ユーザーなど、施策の対象を明確にします。
  • 2

    目的とKPIを決める

    再購入、継続利用、休眠復帰、アップセルなど、何を改善するかを決めます。
  • 3

    チャネルを選ぶ

    メール、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知、SMS、WhatsAppなどから適切な接点を選びます。
  • 4

    シナリオを設計する

    顧客の行動や期間に応じて、いつ・誰に・何を届けるかを決めます。
  • 5

    効果を測定して改善する

    開封率やクリック率だけでなく、再購入率、継続率、LTVへの影響も確認します。

はじめて取り組む場合は、すべての顧客に複雑なシナリオを作るよりも、まずは1つの対象に絞ると始めやすくなります。たとえば「初回購入後のフォロー」「30日以上利用がないユーザーへの再訪促進」「契約更新前の案内」など、目的が明確な場面から設計すると効果を確認しやすくなります。

BtoB・SaaSでリテンション施策を行うポイント

BtoBやSaaSでは、単発購入よりも継続利用や契約更新が重要になります。そのため、登録直後、導入初期、利用停滞、契約更新前など、顧客の状態に応じたフォローが必要です。

特にBtoBやSaaSでは、契約更新の直前だけでフォローしても間に合わないことがあります。導入初期に価値を実感できているか、継続利用中に活用が広がっているか、利用が止まりそうな兆候がないかを早めに確認することが大切です。

カスタマーサクセスで見えてきたつまずきや活用機会を、メール、通知、ウェビナー、活用コンテンツなどの継続的な接点として設計すると、解約防止や活用促進につなげやすくなります。

BtoBでは、利用者、決裁者、管理者など複数の関係者がいることも多いため、1人の反応だけで判断しないことも大切です。導入担当者向けには使い方、管理者向けには利用状況、決裁者向けには成果や更新判断に必要な情報を届けるなど、相手に合わせて内容を分けるとフォローしやすくなります。

場面 フォロー内容 見る指標
導入初期 オンボーディングメール、使い方ガイド、初期設定の案内で、早期の利用定着を支援する 初回利用完了率、アクティブ率
継続利用中 利用状況レポート、新機能のお知らせ、活用事例、ウェビナー案内などを届け、顧客が価値を感じ続けられるようにする アクティブ率、利用機能数、メール反応率
利用停滞時 ログインや利用頻度が下がった顧客に、使い方の再案内、サポート情報、活用ウェビナーを届ける ログイン頻度、利用機能数、解約率
契約更新前 成果レポート、活用事例、改善提案を届け、更新判断に必要な情報を整理する 契約更新率、チャーンレート
アップセル時 利用状況に合わせて、上位機能や関連サービスを提案する アップグレード率、LTV

SaaSやサブスクリプション型のサービスでは、解約率だけでなく、既存顧客からの売上が維持・拡大できているかも確認すると判断しやすくなります。たとえば、契約更新、アップセル、ダウングレード、解約を含めて見るNRR(ネットリテンションレート)はその一例ですが、本記事では詳細な計算式までは扱いません。

ただし、すべてをメールだけで解決しようとすると、重要な顧客の変化を見逃すことがあります。利用状況や契約更新時期を確認しながら、広く届けたい情報はメールやウェビナー、個別の課題がある顧客にはCS担当者のフォローなど、目的に合わせて接点を分けると運用しやすくなります。

EngageLabでリテンション施策を自動化する

リテンションマーケティングでは、顧客の状態に応じて継続的にコミュニケーションを行う必要があります。しかし、すべてを手作業で管理すると、配信漏れや対応遅れが発生しやすくなります。

対象顧客やチャネルが増える場合は、メール、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知、SMS、WhatsAppなどを目的に合わせて使い分け、顧客の行動に応じて自動化することも選択肢になります。

ここでいう自動化は、同じ内容を一斉に送ることではありません。購入後、休眠前、契約更新前、アップセル検討時などの条件を決め、顧客の状態に合わせて「誰に、いつ、どのチャネルで、何を届けるか」をあらかじめ設計しておくことです。

自動化を検討する目安は、対象顧客や配信タイミングが増え、手作業では管理しにくくなったときです。たとえば、初回購入者、休眠しそうな顧客、契約更新前の顧客、アップセル候補の顧客を別々にフォローしたい場合は、自動化によって配信漏れを減らしやすくなります。

リテンション施策で使うチャネルの分け方

チャネル 向いている場面 注意点
メール 購入後フォロー、休眠復帰、アップセル提案、契約更新前の案内 長文で説明しやすい一方、開封されない可能性もあるため件名と配信タイミングを確認する
アプリプッシュ通知 アプリ利用促進、再訪促進、キャンペーンや重要なお知らせ 頻度が多すぎると通知オフにつながるため、ユーザー状態に合わせて配信する
Webプッシュ通知 Webサイト訪問者への再訪促進、閲覧後のリマインド 通知許可を得たユーザーが対象になるため、メールなど他チャネルとの併用も検討する
SMS・WhatsApp 重要度の高い通知、即時性が必要な案内、海外ユーザーとの接点 緊急度や重要度が低い内容を送りすぎないようにする
マーケティングオートメーション 購入後フォロー、休眠復帰、契約更新前の案内、アップセルなどを顧客行動に応じて自動配信する 最初から複雑にせず、対象顧客、配信条件、確認するKPIを絞って始める

EngageLabでは、メール、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知、SMS、WhatsAppなどを組み合わせ、顧客状態に応じたリテンション施策を設計できます。購入後フォロー、休眠復帰、再購入促進、アップセル案内などを、目的に合わせてチャネルごとに出し分ける運用に向いています。

マーケティングオートメーションを活用すると、顧客の行動や状態に応じたフォローを設計しやすくなります。

たとえば休眠顧客向けのシナリオでは、まず一定期間アプリやサイトを訪問していないユーザーを対象にし、メールで更新情報や活用方法を案内します。反応があった顧客にはアプリプッシュ通知やWebプッシュ通知で次の行動を促し、反応がない顧客には配信頻度を下げる、別チャネルに切り替える、対象から外すなど、無理に追い続けない設計も必要です。

リテンション施策を自動化するユーザージャーニー例

休眠顧客の反応に応じて、メール・SMS・プッシュ通知を出し分ける例

ただし、自動化するときも、同じ内容を複数チャネルで同時に送りすぎないように注意が必要です。メールで詳しく伝える内容、プッシュ通知で気づいてもらう内容、SMSやWhatsAppで確実に届けたい内容を分け、顧客にとって負担にならない接点設計を意識しましょう。

リテンション施策の自動化について相談する

リテンションマーケティングに関するよくある質問

リテンションマーケティングとは何ですか?

リテンションマーケティングとは、既存顧客との関係を深め、継続購入、継続利用、再購入、休眠復帰などにつなげるマーケティング施策です。

ビジネス用語でリテンションとはどういう意味ですか?

ビジネス用語のリテンションは、「維持」や「継続」を意味します。マーケティングでは既存顧客の維持や再購入促進、人事領域では従業員の定着を指すことがあります。

リテンション施策とは何ですか?

リテンション施策とは、既存顧客との関係を維持し、継続利用、再購入、休眠復帰、アップセルなどにつなげるための取り組みです。購入後フォロー、パーソナライズ配信、再購入リマインド、オンボーディング、ロイヤルティ施策などがあります。顧客状態に合わせて優先順位を決めることが重要です。

リテンションメールとは何ですか?

リテンションメールとは、既存顧客の継続利用や再購入を促すために送るメールです。購入後フォロー、再購入リマインド、定期フォロー、休眠復帰メール、アップセル提案などが含まれます。

リテンションマーケティングで見るべきKPIは何ですか?

代表的なKPIには、リテンション率、チャーンレート、契約更新率、再購入率、LTV、メール反応率、休眠復帰率、顧客満足度などがあります。施策の目的に合わせて選ぶことが重要です。

BtoB・SaaSでもリテンションマーケティングは必要ですか?

BtoB・SaaSでも重要です。資料請求後のナーチャリング、商談後フォロー、導入後オンボーディング、利用停滞時のフォロー、契約更新前の案内などにより、商談化率、継続率、契約更新率の向上を目指せます。

リテンションマーケティングとリレーションシップマーケティングの違いは何ですか?

リレーションシップマーケティングは、顧客との長期的な関係づくり全体を指す考え方です。リテンションマーケティングは、その中でも既存顧客の継続利用、再購入、休眠復帰などに重点を置いた施策として整理できます。

まとめ

リテンションマーケティングは、既存顧客との関係を深め、継続購入・継続利用・休眠復帰・アップセルにつなげるための重要な取り組みです。

まずは対象顧客、目的、KPIを明確にし、メールやプッシュ通知、SMS、WhatsApp、マーケティングオートメーションなどを組み合わせて、無理なく継続できる施策から始めることが大切です。