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佐藤 健一

更新日:2026-08-17

読了目安:8分

メール、Webフォーム、LINE、チャットなど問い合わせ窓口が増えると、受信できていても「誰が対応しているのか」「返信済みか」「過去にどのようなやり取りがあったか」が見えにくくなります。複数人で対応するチームでは、対応漏れや二重返信、引き継ぎの遅れにつながることもあります。

問い合わせ管理システムは、こうした問い合わせを一か所に集め、担当者、対応状況、履歴まで含めて管理するための仕組みです。ただし、製品によって得意なチャネルや管理範囲、AI・自動化、料金体系は大きく異なります。

この記事では、問い合わせ管理システムを導入目的に応じて3タイプに整理し、具体的な候補を同じ基準で比較します。まず自社の問い合わせ窓口と運用課題を整理し、最後はトライアルやデモに進む2~3製品まで絞り込むことを目指します。

問い合わせ管理システムおすすめ11選とタイプ別の選び方を紹介するバナー

問い合わせ管理システムとは?導入を検討する目安

問い合わせ管理システムとは、顧客から届く問い合わせを受け取るだけでなく、担当者の割り当て、対応状況、返信、履歴、集計までをチームで管理するためのシステムです。

たとえば、メールとWebフォームを別々に確認し、LINEは別担当者が管理している場合、問い合わせ自体は受信できても、チーム全体の対応状況は把握しにくくなります。問い合わせ管理システムでは、複数の窓口を同じ運用に集め、担当者が変わっても履歴を確認しながら対応できる状態を作ります。

次のような状態が増えてきたら、Excelやスプレッドシート、通常の共有メールだけで管理を続けるのではなく、専用システムを比較する目安です。

  • メール、Webフォーム、LINE、チャットなど問い合わせ窓口が複数に分かれている
  • 複数人で対応しており、誰が担当しているか分からない問い合わせが発生する
  • 対応漏れ、二重返信、返信の遅れが起きている
  • 担当者が不在になると、過去のやり取りや次に何をすべきか確認するのに時間がかかる
  • 問い合わせ件数や対応状況を集計するために、手作業で表を更新している

導入の目的は、単に問い合わせを一つの画面で見ることではありません。担当と対応状況を可視化し、履歴を共有できるようにすることで、担当者ごとの管理からチームでの運用へ切り替えやすくなります。

  • 1

    受信・一元化

    メール、フォーム、チャットなどから届く問い合わせを、担当者が確認できる場所へ集めます。
  • 2

    担当を割り当てる

    担当者やチームを決め、誰が対応する問い合わせなのかを明確にします。
  • 3

    対応状況を管理する

    未対応、対応中、完了などの状態を共有し、二重対応や放置を防ぎます。
  • 4

    履歴を共有する

    過去の問い合わせや返信内容を残し、担当変更や別チャネルからの再問い合わせでも経緯を確認できるようにします。
  • 5

    集計・分析する

    問い合わせ件数や対応時間などを確認し、担当配置やFAQ、運用ルールの見直しにつなげます。

問い合わせ管理システムの主な3タイプと選び方

問い合わせ管理システムは、製品名から選ぶより、現在の問い合わせ窓口と、どこまで一つの運用にまとめたいかを先に整理したほうが候補を絞りやすくなります。

ここでは、導入課題から比較を始めるために3つのタイプに分けます。これは市場全体を排他的に分類するものではなく、導入課題から候補を絞るための目安です。同じ製品が複数の特徴を持つ場合もあります。また、AIの有無や利用規模はタイプではなく、後から横断的に確認する条件として扱います。

現在の課題 主な問い合わせ窓口 必要な管理範囲 主に検討したいタイプ
窓口が分散し、担当や履歴をまとめたい メール、LINE、Webチャット、SNSなど複数 複数チャネルを同じ担当体制・履歴で管理 マルチチャネル対応型
共有メールやチャットの対応漏れを減らしたい メール、フォーム、Webチャットなど特定チャネル中心 担当、ステータス、履歴、テンプレート、集計 特定チャネル特化型
問い合わせ後の営業・継続支援までつなげたい 問い合わせ窓口+CRM上の顧客情報 問い合わせ履歴と顧客・契約・商談情報を顧客単位で管理 顧客管理・CRM一体型

マルチチャネル対応型

メール、LINE、Webチャット、SNS、電話など、複数の問い合わせ窓口を同じチームで管理したい場合に検討しやすいタイプです。Re:lation、Zendesk、Freshdesk Omni、EngageLab LiveDeskなどが候補になります。

比較するときは、対応チャネル数だけを見ないことが重要です。各チャネルから届いた問い合わせが、同じ受信箱や担当キューに入り、顧客履歴を共有し、対応後の分析までつながるかを確認します。

特定チャネル特化型

問い合わせの中心がメール、フォーム、Webチャットなど特定チャネルで、まずは担当状況、二重対応、引き継ぎといったチーム運用を改善したい場合に向いています。

楽楽自動応対、メールワイズ、WEBCAS mailcenter、yaritori、Tayori、チャネルトークなどが候補です。必要以上に多機能な製品を選ばず、現在の主な窓口を確実に管理できるかを優先すると、導入後の運用を複雑にしにくくなります。

顧客管理・CRM一体型

問い合わせ対応だけで完結せず、顧客情報、契約、商談、過去の問い合わせ履歴を顧客単位でまとめて管理したい場合は、CRMとの一体運用を重視します。主要候補としてはAgentforce Service(旧称Service Cloud)が挙げられます。

一方、yaritoriはメール起点で顧客情報やSalesforce連携まで広げられ、チャネルトークはチャットと顧客プロフィールを結び付けて運用できます。このように、製品によっては特定チャネル型とCRM一体型の両方に適合するため、主な導入目的を先に決めておくと比較しやすくなります。

問い合わせ管理システムをタイプ別に比較

ここからは、外部からの問い合わせ管理を主用途とし、担当・対応・履歴までチームで運用できること、比較に必要な公式情報を確認できること、日本での導入を検討しやすいことを基準に候補を整理します。

なお、EngageLab LiveDeskは本サイト運営元が提供する製品です。本記事では、他社サービスと同じ比較項目と情報確認基準で記載しています。

総合順位は付けず、各製品を主に向くタイプへ一度だけ配置します。まず下表で不適合な候補を外し、その後に必要なチャネル、料金、サポート、移行条件を確認してください。

製品 主に向くケース 主な対応チャネル 問い合わせ管理フロー AI・自動化 料金・トライアル 日本語サポート
Re:lation メール・LINE・Webチャットなど複数窓口をまとめたい メール、LINE、Webチャット、フォーム等 受信~分析まで一連対応 返信支援・自動化。利用範囲はプラン確認 月額15,000円から、10日間トライアル 日本語窓口あり
Zendesk 多チャネル、ナレッジ、分析、拡張性を重視 Suiteでメール、メッセージング、チャット、音声等 受信~分析まで一連対応 Zendesk AI。追加条件を確認 Suite Team 55米ドル/担当者/月から、14日間トライアル 日本語ヘルプあり。支援範囲は契約確認
Freshdesk Omni 海外製の多チャネル基盤とAIを比較したい メール、Webチャット、音声等 受信~分析まで一連対応 Freddy AI。プラン・利用量を確認 Growth 29米ドル/担当者/月から、14日間トライアル 日本語支援条件は要確認
EngageLab LiveDesk AI・有人対応と複数チャネル、チケットをまとめたい Web、メール、LINE、WhatsApp等 受信~分析まで一連対応 AI応答+有人引き継ぎ。利用条件を確認 個別見積もり。試用可、期間・契約条件は要確認 日本法人・日本語問い合わせ先あり
楽楽自動応対 共有メールとAI返信支援を整えたい メール中心、LINEオプション、電話メモ 受信~分析まで一連対応 AI返信支援。契約条件を確認 個別見積もり、無料トライアルあり。期間は要確認 日本語窓口あり
メールワイズ 少人数で共有メール運用を改善したい メール中心、電話・訪問は履歴として記録 受信~分析まで一連対応 生成AI・AI自動応答は主要機能として案内されていません 600円/ユーザー/月から、最低5ユーザー、30日間トライアル メール・チャット・電話窓口あり
WEBCAS mailcenter 多人数運用、国内データセンター、導入形態を重視 メール、Webフォーム 受信~分析まで一連対応 生成AI・AI自動応答は主要機能として案内されていません ASPライト月額5,000円+初期30,000円から。通常1週間トライアル 電話・メール窓口。平日10:00~18:00
yaritori 2人から共有メール+AI・顧客管理を始めたい メール、LINE、電話メモ 受信~分析まで一連対応 AI返信・分類・有人引き継ぎ。プラン確認 1,980円/人/月から、初期0円、最低2人、7日間トライアル メール・電話・オンライン等。電話は平日10:00~17:00
Tayori フォーム・FAQを小規模から始めたい フォーム、FAQ、Webチャット 受信・担当・対応・履歴まで確認。分析は要確認 AIチャットボット。Pro・Enterpriseで確認 Free 0円、Starter月額3,800円から。有料14日間トライアル 日本語ヘルプ・窓口あり
チャネルトーク Webチャットと顧客情報を結び付けたい Webチャット、メール・SNS等の外部連携 受信~分析まで一連対応 顧客ALFはGrowth以上。利用量・オプション条件を確認 Free 0円、Early Stage 2,700円/月から。顧客ALF利用時はGrowth 9,000円/月から(いずれも年額払い時)。14日間トライアル 日本語ヘルプあり。支援範囲は契約確認
Agentforce Service Salesforce CRMと問い合わせ対応を統合したい メール、電話、Web、各種メッセージング等 受信~分析まで一連対応 Agentforce。エディション・追加料金を確認 Starter 3,000円/人/月から、30日間トライアル 日本語ヘルプ・Standard Success Planあり

料金は2026年8月時点で確認できた公式公開情報を基にしています。税、年契約、通貨、最低利用人数、従量課金、追加機能などの条件が異なるため、表示価格だけで安価順に判断しないようにしましょう。

マルチチャネル対応型

Re:lation

Re:lationは、メール、LINE、Webチャット、問い合わせフォームなど複数の窓口を、同じチームでまとめて管理したい企業に適しています。電話は通話チャネルとして統合するのではなく、メモとして履歴化する形です。

relation

受信から担当割り当て、ステータス管理、二重返信防止、顧客単位の履歴、ダッシュボードまで確認でき、問い合わせ管理の5段階を一通りカバーします。返信支援や自動化もありますが、利用できる範囲はプランによって異なります。

  • 料金:公式料金では月額15,000円から。10日間トライアル
  • 選定時の確認:必要チャネルやAI、セキュリティ機能がどのプランに含まれるか、既存データの移行範囲と費用

Zendesk

Zendeskは、複数チャネルに加えてナレッジ、分析、外部連携まで広げたい中規模以上のチームで比較しやすい候補です。多チャネル運用を比較する場合は、メール中心のSupportではなく、メッセージングやヘルプセンターなどを含むSuiteの構成を基準にします。

zendesk

Suiteでは、受信、ルーティング、チケット対応、顧客ごとの問い合わせ履歴や情報の保持、分析まで一連の運用を確認できます。Zendesk AIや音声、高度な権限、日本でのデータホスティングなどは、必要な構成と契約条件を個別に確認する必要があります。

  • 料金:公式料金では、Suite Teamは年契約月額換算で55米ドル/担当者から。14日間トライアル
  • 選定時の確認:必要なSuiteエディション、AI・音声・支援の追加条件、日本向けデータホスティングの契約条件

Freshdesk Omni

Freshdesk Omniは、メール、Webチャット、音声などをまとめ、Freddy AIやルーティングと合わせて運用したい企業の候補です。複数チャネル比較ではFreshdesk Omniを対象にし、メール中心のFreshdesk単体とは料金を分けて見ます。

freshdesk omni

受信から分析までの5段階は確認できますが、日本向けの調達条件には未確認項目があります。日本語製品ページはあるものの、日本語サポートの方法・時間、国内の契約主体、利用可能なデータホスティング地域は、契約前に確認しておきましょう。

  • 料金:公式料金では、Growthは年契約月額換算で29米ドル/担当者から。14日間トライアル
  • 選定時の確認:Freddy AIの利用条件、必要チャネルの追加費用、日本語支援・契約主体・データ地域

EngageLab LiveDesk

EngageLab LiveDeskは、Webチャットを起点に、メール、LINE、WhatsAppなどの問い合わせをまとめ、AI対応と有人対応を組み合わせたいチーム向けの候補です。

engagelab livedesk

ルーティング、複数の負荷配分方式、会話ステータス、スマートチケット、連絡先、分析まで確認でき、受信から分析までの5段階を一連で管理できます。LINEについても、受信、チーム・担当への割り当て、会話やチケット内での管理・返信まで確認できます。

料金は個別見積もりで、無料試用は可能ですが期間や最低契約条件は公開情報だけでは確定できません。日本法人と日本語の問い合わせ先は確認できますが、具体的な支援時間・範囲やLiveDesk固有のデータ保管地域は契約時に確認が必要です。

  • 料金:個別見積もり。試用期間、課金単位、最低契約、チャネル・AI従量は要確認
  • 選定時の確認:AIから有人への引き継ぎ条件、必要チャネルの外部契約、データ所在地、既存会話・チケットの移行範囲

特定チャネル特化型

楽楽自動応対

楽楽自動応対は、メール問い合わせを中心に、担当管理や二重返信防止、AIによる返信支援を整えたい企業に向いています。LINEはオプション、電話はメモとして扱うため、すべての窓口を同じ会話として統合する製品とは分けて考えます。

rakuraku jido otai

メール対応では、担当、ステータス、承認、履歴、レポートまで確認できます。AI返信生成では問い合わせ文やFAQ、過去履歴などを活用できますが、AI、LINE、API、セキュリティ機能の標準範囲と追加費用は見積もりで確認が必要です。

  • 料金:初期・月額とも個別見積もり。無料トライアルあり、期間は要確認
  • 選定時の確認:ユーザー数・メールアカウント数、必要オプションを含めた総額、既存メール・顧客データの移行方法

メールワイズ

メールワイズは、少人数から共有メールの担当・対応状況・履歴を整えたい企業に適しています。メールを中心に、電話や訪問は顧客対応の履歴として記録できます。

mailwise

受信、担当、対応、履歴、集計の基本フローを一通りカバーし、1か月単位で契約できます。公式公開情報では、生成AIやAI自動応答を主要機能として案内していません。AIや本格的な多チャネル統合を最優先にする場合は、別の候補も比較するとよいでしょう。

  • 料金:公式料金では、Standard 600円/ユーザー/月から、初期費用0円、最低5ユーザー、30日間トライアル
  • 選定時の確認:Premiumで必要になる機能、メールアカウント数や容量、既存メール履歴の移行方法

WEBCAS mailcenter

WEBCAS mailcenterは、メールとWebフォームを中心に、多人数で問い合わせ対応を行う企業に向いています。オペレーター数が全プランで無制限と案内されているため、担当席数ではなく環境や規模で費用を比較したい場合に特徴があります。

webcas mailcenter

担当、ステータス、二重返信防止、承認、履歴、レポートを確認でき、国内データセンターや細かな操作権限、クラウドと導入型の選択肢もあります。一方、公式公開情報では、生成AIやAI自動応答を主要機能として案内していません。

  • 料金:公式料金では、ASPライトは初期30,000円・月額5,000円から。通常1週間の無料トライアル
  • 選定時の確認:必要規模でのサーバー構成、契約期間、移行・外部連携、バックアップやDRの要件

yaritori

yaritoriは、2人程度から共有メールを整え、必要に応じてAI返信、LINE、顧客管理まで広げたいチームに向いています。主な入口はメール特化型ですが、コンタクト管理やSalesforce連携があるため、CRM一体型を検討する際の比較候補にもなります。

yaritori

担当、カスタムステータス、二重返信防止、承認、顧客・会社単位の履歴、レポートまで確認できます。AIは返信生成だけでなく、分類、翻訳、トーン変換、人へのエスカレーションなどが案内されています。

  • 料金:公式料金では、1,980円/ユーザー/月から、初期費用0円、最低2人、最低契約期間なし、7日間トライアル
  • 選定時の確認:AI、LINE、Salesforce、レポートを含むプラン総額、既存メール本文・添付・状態の移行範囲

Tayori

Tayoriは、問い合わせフォーム、FAQ、Webチャットを小規模から始めたい企業に適しています。複雑なチケット基盤を導入する前に、フォーム受付とFAQ整備から着手したい場合に比較しやすい候補です。

tayori

フォーム受信箱で担当、ステータス、優先度、返信履歴を管理できます。ただし、公開情報ではデータエクスポートを確認できますが、応答時間や解決時間を含む運用分析の公開情報は限定的です。本格的な運用分析を必要とする場合は、トライアルで確認してください。LINE連携もAIチャットボット連携として扱い、有人問い合わせ受信箱の統合とは分けて判断します。

  • 料金:公式料金では、Free 0円、Starter 3,800円/月から。有料プランは14日間トライアル
  • 選定時の確認:必要なフォーム・FAQ・チャット上限、AI利用条件、分析要件、APIや詳細権限が必要か

チャネルトーク

チャネルトークは、Webチャットを主な問い合わせ窓口にし、顧客プロフィールと会話履歴を結び付けて運用したい企業に向いています。メールやInstagramなど外部チャネルとの連携も案内されており、チャット特化型から顧客管理へ広げたい場合の候補になります。

channel io talk

自動割り当て、担当者、複数ステータス、履歴、統計まで確認でき、AIエージェントALFも提供されています。顧客ALFを利用する場合はGrowth以上が必要です。ただし、表示月額だけでは総額を判断できません。MU(連絡先管理に保存される顧客数)、基本シート・オペレーターシート、メッセージ・通話・AIなどの利用量とオプションを合わせて確認します。

  • 料金:公式料金では、Freeは0円、Early Stageは年額払い時の表示で月額2,700円から。顧客ALFを利用するGrowthは月額9,000円からです。14日間の有料機能トライアルがあります。
  • 選定時の確認:必要MU・シート数、AI・外部メッセージの従量費、対象チャネルの制限、過去履歴の移行範囲

Webチャットを主軸に候補を広げたい場合は、ライブチャットシステム・チャット接客ツールの比較も参考にしてください。

顧客管理・CRM一体型

Agentforce Service

Agentforce Serviceは、Salesforceを顧客基盤にし、問い合わせ対応を、ケース管理や顧客情報、営業・継続支援まで顧客単位でつなげて管理したい企業に向いています。

agentforce service

Service Cloudを中心に、キューや割り当てルール、Omni-Channelルーティング、ケース、レポートまで確認できます。メール、電話、LINEを含むデジタルチャネルやAgentforce、Knowledgeなどは、エディションや追加製品の構成によって利用条件と総額が変わります。

  • 料金:公式料金では、Starter 3,000円/ユーザー/月から、30日間トライアル
  • 選定時の確認:必要エディション、Digital Engagement、Agentforce、Knowledge、音声、支援プラン、導入・移行設計を含む構成見積もり

問い合わせ管理システムを選ぶときの確認ポイント

比較表で候補を減らした後は、機能数ではなく、自社の実運用で候補を落とす順序を決めると選びやすくなります。最初にチャネルと問い合わせ管理フローを確認し、その後にAI、連携、分析、セキュリティ、料金・移行条件へ進みます。

1. 必要な問い合わせチャネルを一元管理できるか

まず、現在利用している問い合わせ窓口を列挙し、「必須」と「できれば統合したい」に分けます。そのうえで、各チャネルが単に連携できるだけでなく、問い合わせとして受信され、同じ履歴に残り、同じ担当キューで処理できるかを確認します。

Re:lation、Zendesk、Freshdesk Omni、LiveDeskは複数チャネルを主な比較軸にできます。一方、楽楽自動応対やメールワイズの電話は記録・メモが中心で、TayoriのLINEはAIボット連携です。同じ「対応」と書かれていても、問い合わせ管理フローに入る範囲は異なります。

WhatsAppを問い合わせ窓口として使う場合は、WhatsApp Businessでリード獲得・問い合わせを一元管理する方法もあわせて確認できます。

2. 担当・ステータス・履歴管理が実運用に合うか

担当者を設定できるだけでは不十分です。自社で起こりやすい例外を使って、運用が崩れないかを確認しましょう。

  • 担当者が休暇の場合、別の担当者へ引き継げるか
  • 2人が同時に返信を始めた場合、二重返信を防げるか
  • 一定時間、未対応の問い合わせを検知できるか
  • 同じ顧客が別チャネルから再度問い合わせた場合、過去履歴を確認できるか

今回比較した11製品では担当・ステータス・履歴を確認できますが、自動割り当て、負荷分散、承認、スヌーズ、エスカレーションなどの深さは異なります。トライアルやデモでは通常の返信手順だけでなく、こうした例外ケースまで試すと判断しやすくなります。

3. AI・自動化が必要な業務をカバーするか

AIは搭載数ではなく、どの手作業を減らしたいかから選びます。回答生成、自動応答、要約、分類、ルーティングなど、製品ごとに役割が異なるためです。

導入前には、AIが参照するFAQや履歴、回答前の承認が必要か、人への引き継ぎ条件、月間上限や従量費を確認します。メールワイズとWEBCAS mailcenterは、公式公開情報では生成AI・AI自動応答を主要機能として案内していないため、AIを必須条件にする場合は候補の優先順位が変わります。

4. CRM・FAQ・既存システムと連携できるか

問い合わせ対応だけで完結するなら、連携機能を増やしすぎる必要はありません。一方、問い合わせ後の営業や継続支援までつなげる場合は、CRM、SFA、FAQ、ナレッジ、APIなどの連携範囲を確認します。

連携先のサービス名だけでなく、顧客ID、問い合わせ本文、担当・状態、同意情報、分析イベントなど、何をどの方向へ同期するのかを決めておくことが重要です。APIやCSVがあることだけで、既存データをそのまま完全移行できるとは限りません。

5. 分析・データ出力を運用改善に使えるか

分析機能は「あるか」ではなく、自社が改善したい指標を確認できるかで判断します。問い合わせ件数だけで十分なチームもあれば、初回応答時間、解決時間、未対応件数、担当者別の負荷、CSATまで必要なチームもあります。

画面上のダッシュボードと、CSVやAPIによるデータ出力は分けて確認しましょう。Tayoriは問い合わせデータの出力を確認できますが、応答時間や解決時間を含む本格的な運用分析については公開情報が限定的です。

6. 権限・セキュリティ・日本語サポートを確認できるか

B2B導入では、操作できる機能だけでなく、社内のセキュリティ要件と運用体制に合うかも確認します。SSO/MFA、IP制限、権限、監査ログ、暗号化、保存・削除、バックアップ、データ地域などを調達時の確認項目に入れます。

また、日本語サイトがあること、日本法人と契約できること、日本国内にデータを保存できること、日本語で問い合わせできることは別の条件です。Freshdesk Omniは日本語サポート条件や契約主体、データ地域が要確認です。LiveDeskは日本法人と日本語問い合わせ先を確認できますが、具体的な支援時間・範囲と製品固有のデータ所在地は契約前に確認してください。

7. 料金・契約単位・導入/移行条件が合うか

月額だけを横並びにすると、実際の導入コストを比較しにくくなります。製品によって、ユーザー・担当者数、環境、MU、メッセージ数、AI利用量、追加チャネルなど、課金単位が異なるためです。

12か月の比較では、次の項目を同じ表に置くと判断しやすくなります。

  • 初期費用
  • 基本料金
  • ユーザー・担当席・MUなどの追加費用
  • メッセージ・チャネルの従量費
  • AIの従量費
  • 追加機能・サポートプラン
  • 導入・移行支援の費用

移行についても、CSVやAPIが用意されているだけで判断せず、問い合わせ本文、添付、顧客情報、担当、状態、監査履歴のどこまで移せるかを確認します。移行失敗時の再実行方法や、旧システムをどの期間参照する必要があるかも事前に整理しておきましょう。

条件別に2~3製品へ絞る例

自社の条件 まず比較したい候補 比較の焦点
メール+LINE+Webチャットを一元化したい Re:lation、EngageLab LiveDesk 3チャネルが受信~履歴まで同じ問い合わせ運用に入るか
グローバルを含む多チャネルと拡張性を重視 Zendesk、Freshdesk Omni、EngageLab LiveDesk チケット基盤、AI・有人運用、必要な追加契約と日本向け調達条件
共有メールを小さく始めたい メールワイズ、yaritori、楽楽自動応対 最低利用人数、AIの必要性、LINE・顧客管理まで広げるか
フォーム・FAQ中心で始めたい Tayori、Re:lation 軽量なフォーム・FAQ運用で十分か、将来の多チャネル化が必要か
Webチャットと顧客データを結び付けたい チャネルトーク、EngageLab LiveDesk、Agentforce Service チャット中心の顧客管理か、多チャネル運用か、Salesforce上で一体運用するか
Salesforceを中心に運用したい Agentforce Service、Zendesk、Re:lation Salesforce上で一体運用する場合と、外部CRMとAPI連携する場合の導入工数・総額を比較

まとめ

問い合わせ管理システムは、機能数や表示価格だけで選ぶのではなく、現在の問い合わせ窓口とチーム運用から候補を絞ることが重要です。

  • 1

    現在の窓口と運用課題を整理する

    対応漏れ、二重返信、引き継ぎ、窓口分散など、解決したい問題を明確にします。
  • 2

    自社に近いタイプを絞る

    マルチチャネル、特定チャネル、CRM一体型のうち、最初に解決したい課題に近いタイプを選びます。
  • 3

    同じ基準で候補を絞る

    チャネル、受信~分析の管理フロー、AI、料金、日本語サポートを同じ基準で確認します。
  • 4

    導入条件まで確認する

    権限、セキュリティ、サポート、契約単位、移行範囲まで確認し、実運用に合わない候補を外します。
  • 5

    2~3製品で実運用を確認する

    トライアル、デモ、問い合わせを利用し、通常対応だけでなく担当者不在や二重返信などの例外ケースも試します。