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佐藤 健一

更新日:2026-02-27

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顧客が貴社にもたらす価値を把握することは、間違いなく重要です。 この価値は「顧客生涯価値(LTV)」と呼ばれます。

LTVは、あらゆるビジネスが継続的に確認すべき指標です。 だからこそ、LTVマーケティングが大きな成果につながりやすいのも自然なことです。

本記事では、顧客生涯価値(LTV)を詳しく解説します。 さらに、LTVの計算式と改善に役立つ具体策も紹介します。

貴社のためのLTV計算

定義

顧客生涯価値(LTV)とは、顧客1人との関係が続く期間全体を通じて、単一の顧客から期待できる総売上を推計する指標です。 顧客がもたらす収益価値を、想定される継続期間とあわせて捉えます。

LTVを算出すると、単に数値が分かるだけではなく、事業の状態を読み解くための示唆が得られます。 たとえばLTVが高い場合、顧客維持がうまく機能している可能性が高いです。 その結果、利益も伸びやすいと考えられます。

反対に、LTVが低い場合は改善の余地があります。 顧客維持の取り組みを、これまで以上に強化する必要があります。

Google Analyticsの顧客生涯価値(LTV)概要チャート

とはいえ、LTVが重要な理由はそれだけではありません。 ここからは、LTVを重視すべき代表的なポイントを整理します。

  • 予算配分: LTVの計算方法を理解すると、予算配分をより効率化できます。 たとえば、顧客1人が生涯で$1,000をもたらす可能性があると分かった場合です。 その顧客を獲得するために、どれくらい投資できるか判断しやすくなります。
  • 戦略設計: LTVは、製品開発や価格設定、カスタマーサポートを検討する際にも役立つ指標です。 LTVが高い場合は、製品やカスタマーサポートに対する満足度が高いサインです。 その水準を維持するための施策を継続することが重要になります。
  • 顧客維持: LTVは、顧客維持の重要性を可視化する指標でもあります。 顧客のLTVが上がると、事業の収益性も高まります。
  • 投資家への訴求: 企業にとって、投資家から資金調達を行う重要性は高いです。 LTVが高いことは、企業の成長可能性を示すポジティブな指標です。 そのため、投資家にとってもLTVは貴社の評価材料になります。

LTVの計算方法

計算式

LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 顧客継続期間

  • 用語の説明:

    • 平均購入単価: 1回の取引あたりに、顧客が平均して支払う金額。
    • 購入頻度: 一定期間内に、顧客がどれくらいの頻度で購入するかを示す数値。
    • 顧客継続期間: 顧客が平均して、どのくらいの期間にわたり貴社で購入を続けるかを示す数値。

上記のLTV計算式は、比較的シンプルです。 ただし、LTVを実務で活用しやすくするために、計算手順も整理しておきましょう。

  • 手順:

    • 平均購入単価を算出する: 一定期間の総売上を、購入回数で割って算出する。
    • 購入頻度を見積もる: 一定期間の購入回数を、同期間のユニーク顧客数で割って算出する。
    • 顧客継続期間を算出する: 顧客維持率を分析して求める。 たとえば、顧客が平均3年間にわたり購入を続ける場合です。 この3年が顧客継続期間になります。
    • 数値を計算式に当てはめる: LTV計算式の各項目に、算出した数値を代入する。
  • その他の要因:

    事業が複雑な場合、シンプルな計算式だけでは不十分なことがあります。 そのようなケースでは、追加の要因も加味してLTVを算出するとよいでしょう。

    • 顧客維持率: 顧客を長く維持できるほど、LTVは高くなります。
    • 顧客獲得コスト(CAC): 新規顧客の獲得コストは、正味のLTVに大きく影響します。 CACが高いほど、LTVは低下します。
    • 平均注文額(AOV): 平均注文額が高いほど、LTVは上がります。
    • 顧客行動: 顧客の行動はLTVに大きく影響します。 支出パターンはLTVに直結します。
    • 市場環境: 経済要因も顧客の支出や継続に影響します。 その結果として、LTVにも影響が出ます。

LTVに影響するリテンションの推移イメージ

EngageLabでLTVを改善する方法:データドリブンな7つの施策

LTVマーケティングへの投資を検討している場合は、まず改善の進め方を理解しておくことが重要です。 ここでは、企業のLTVを改善するために効果的な7つの方法を紹介します。

#1 顧客体験を向上させる

顧客体験は、顧客に長く利用してもらうための重要な要素の一つです。 そのため、優れた顧客体験を提供できれば、LTV向上にもつながります。

顧客体験を向上させる方法として、たとえば次が挙げられます。

  • 購入プロセスを最適化する: 顧客ができるだけ簡単に購入を完了できるようにする。 手順を減らした決済フローにする。 さらに、複数の支払い方法を用意する。
  • 質の高いカスタマーサポートを提供する: 迅速で丁寧な対応は、顧客の信頼と満足度を高めます。 たとえば、24時間365日のサポート体制を検討できる。 連絡手段も複数用意すると効果的です。
チャットボットによるカスタマーサポートの例

#2 平均注文額を上げる

LTVを改善する方法として、1回の購入あたりの支出額を上げる施策もあります。 顧客の購買点数や購入金額を増やすための代表的な方法は、次のとおりです。


クロスセル提案の例(EC)
  • クロスセル: 補完的な商品を提案します。 それにより、顧客が当初の予定より多くの商品を購入しやすくなります。 結果として、注文金額が上がります。
  • バンドル販売: 複数商品をセットにして、割引価格で販売します。
  • まとめ買い割引: 大量購入に対して特別割引を設定します。 例として、「2つ買うと1つ無料」といった施策が、LTVマーケティングでよく使われます。

#3 マーケティング施策をパーソナライズする

現在のマーケティングにおいて、パーソナライズは重要な要素です。 EngageLabのようなプラットフォームを活用すると、オーディエンス特性に合わせた施策を設計できます。 パーソナライズを実装する方法は、次のとおりです。


セグメント配信のための連絡先リスト例
  • 顧客をセグメント化する: 顧客基盤を複数のセグメントに分けます。 そのうえで、各グループの関心やニーズに刺さる施策を作ります。
  • 行動ベースのターゲティング: 顧客行動データを活用します。 それにより、パーソナライズされたレコメンドを提示できます。

#4 ロイヤルティプログラムを導入する

ロイヤルティプログラムは、LTVマーケティングの定番施策です。 LTVを高めたい場合は、導入を検討する価値があります。 具体策としては、次のとおりです。


紹介プログラムの例
  • 紹介インセンティブ: 友人や家族を紹介してもらえるように促します。 成功した紹介に対して、報酬を提供します。
  • 限定特典: 優良顧客に限定特典を提供します。 たとえば、新商品の先行案内、特別割引、送料無料などです。

#5 ディープリンクを活用する

ディープリンクは、ユーザー体験を大きく改善できる手法です。 ディープリンクの使い方を理解すると、顧客エンゲージメントの強化につながります。 その結果、LTV向上も期待できます。


  • カスタマージャーニーの摩擦を減らす: ディープリンクにより、顧客を関心のあるコンテンツへ直接誘導できます。 手順が減るため、購入完了までのハードルが下がります。
  • パーソナライズされたユーザー体験: ユーザーごとに、最も関心の高いコンテンツへ誘導できます。 その結果、体験を個別最適化できます。
アプリプッシュから特定画面へ誘導する例

#6 顧客維持に注力する

すでに述べたとおり、顧客維持はLTVと直結します。 そのため、顧客が貴社と継続的に関わり続けるための施策が重要です。

さらに、これらの施策はEngageLabでも実行できます。 特に効果が高い顧客維持の施策は、次のとおりです。

  • リアルタイムの健全性モニタリング: EngageLabのダッシュボードで、グループ別のリテンションカーブを確認できます。 異常な変動ポイントも一目で把握できます。
  • インテリジェントな維持ワークフロー: 「7日以内に離脱しそう」とラベル付けされたユーザーに対して施策を多段で実行できます。 例として、1日目にアプリプッシュで未使用特典を通知する。 3日目に限定割引コードを配信する。 5日目に担当者が架電してフォローする。
離脱ユーザーの再エンゲージメント施策例

#7 データと分析を活用する

データと分析は、LTVマーケティング全体において重要です。 そのため、LTVを算出する際も最大限に活用しましょう。


施策パフォーマンスの分析画面イメージ

たとえば、EngageLabでは、施策の効果測定に役立つ分析機能が提供されています。 データを有効活用する方法は、次のとおりです。

  • 予測分析: 既存データをもとに、将来の顧客行動を予測します。 それにより、特定期間における需要の予測にもつながります。
  • マーケティング施策の最適化: 施策パフォーマンスを継続的に分析します。 その結果、うまくいく要因と課題が明確になります。 データドリブンで最適化を進めることで成果が改善し、LTV向上にもつながります。

EngageLabでLTVを戦略的な成長エンジンに変える

ここまでで、顧客生涯価値(LTV)が重要な指標であることが理解できたはずです。 LTVを算出すると、事業の長期的な健全性と収益性を把握できます。 さらに、成長につながる戦略判断にも活かせます。

EngageLabの高度な機能は、マーケティング施策におけるエンゲージメントを強化します。 その結果、顧客のLTV向上も期待できます。 いまこそツールを活用して、顧客生涯価値を最大化しましょう。