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佐藤 健一

更新日:2026-05-29

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アプリオンボーディングとは、新規ユーザーがアプリを使い始めるときに、価値や使い方、次に行うべきアクションを分かりやすく伝えるための初回体験設計です。

単にチュートリアル画面を表示するだけでなく、登録、初期設定、通知許諾、プロフィール入力、初回購入、予約、本人確認など、アプリごとに重要な行動へ自然につなげることが重要です。

先に結論

アプリオンボーディングで重要なのは、すべての機能を最初に説明することではありません。ユーザーが「このアプリで何ができるか」を早く理解し、最初の重要なアクションを完了できるようにすることです。

アプリオンボーディングの意味と画面例・設計ポイントを示した図

アプリオンボーディングとは

アプリオンボーディングは、狭い意味では初回起動時のウォークスルー画面やチュートリアル画面を指します。一方で、実務ではそれだけでなく、登録、初期設定、通知許諾、プロフィール入力、初回購入、予約、本人確認など、アプリごとの重要な行動へ自然につなげる導線として考えることが多くあります。

さらに、登録後にアプリを開かないユーザーや、初期設定の途中で離脱したユーザーには、通知やメールなどで再開を促すフォローも必要になります。

アプリオンボーディングの基本的な流れ

アプリオンボーディングで行うこと

  • 価値を伝える:アプリで何ができるのか、ユーザーにとって何が便利なのかを短く示します。
  • 初期設定を案内する:プロフィール、利用目的、通知設定など、利用開始に必要な項目を設定してもらいます。
  • 主要機能へ誘導する:初回購入、予約、検索、お気に入り登録など、アプリごとの重要な行動につなげます。
  • 未完了ユーザーをフォローする:途中で止まったユーザーに、通知やメールなどで再開を促します。

アプリオンボーディングが重要な理由

アプリをインストールしたユーザーが、必ず継続的に利用してくれるとは限りません。初回体験で価値が伝わらなかったり、設定手順が分かりにくかったりすると、ユーザーは主要機能に触れる前に離脱してしまいます。

  • アプリの価値を早く伝えられる:何ができるアプリなのか、どのようなメリットがあるのかを初回体験で伝えやすくなります。
  • 初回アクションを促しやすい:登録、プロフィール入力、初回購入、予約、本人確認など、アプリごとの重要な行動へ誘導できます。
  • 離脱ポイントを見つけやすい:どのステップでユーザーが止まっているかを把握することで、改善対象を明確にできます。
  • 継続利用につなげやすい:オンボーディング後の再訪問や利用習慣づくりにもつながります。

アプリオンボーディングの主な手法

アプリオンボーディングにはいくつかのパターンがあります。アプリの目的やユーザー層によって、適した形式は異なります。

ここでいう手法は「どのように案内するか」の分類です。次の章では、オンボーディング画面の中で実際によく使われる画面要素を整理します。

手法 特徴 向いているケース
ウォークスルー型 起動直後に数枚の画面で価値や流れを伝える アプリの目的やメリットを最初に理解してもらいたい場合
コーチマーク型 実際の画面上でボタンや機能を示す 操作方法や重要な機能をその場で説明したい場合
パーソナライズ型 利用目的や興味を選んでもらい、体験を最適化する 学習、EC、金融、健康管理など、利用目的が分かれやすいアプリ
コンテキスト型 ユーザーが特定機能を使うタイミングで案内を出す 最初にすべてを説明せず、必要な場面で案内したい場合
エンプティステート型 データがまだない画面で、次に行うべき操作を案内する お気に入り、購入履歴、ダウンロード一覧など、初回利用時に空の状態になりやすい画面

オンボーディング画面の代表パターン

オンボーディング画面は、単にアプリの使い方を説明する画面ではありません。ユーザーが価値を理解し、初期設定や最初の重要なアクションへ進めるように、必要な情報だけを整理して見せることが大切です。

アプリオンボーディング画面の代表的なパターン
  • ウェルカム画面:アプリの世界観や利用メリットを短く伝える。
  • 価値訴求画面:ユーザーにとっての主なメリットを1画面1メッセージで伝える。
  • 初期設定画面:利用目的、興味、通知設定、プロフィールなどを設定してもらう。
  • 権限許諾画面:通知、位置情報、カメラなどの許可が必要な理由を説明する。
  • 空状態・ブランクステート:まだデータがない画面で、次に行うべき操作を示す。

アプリオンボーディング設計のポイント

オンボーディングを設計するときは、ユーザーに説明したいことではなく、ユーザーが最初に達成すべきことから逆算します。ただし、案内を長くしすぎると、ユーザーが価値を体験する前に離脱してしまう可能性があります。

画面を増やすほど丁寧になるわけではありません。ユーザーが早く使い始められることを優先し、必要な説明だけを適切なタイミングで出すことが重要です。

具体的な画面を作る前に、まずは「ユーザーに最初に理解してほしい価値」「完了してほしい初回アクション」「後回しにできる説明」を整理しておくと、オンボーディングが長くなりすぎるのを防ぎやすくなります。

  • 最初の価値体験を明確にする:ユーザーが「このアプリを使う理由」を早く理解できる導線にします。
  • ステップ数を増やしすぎない:必要な説明だけに絞り、登録や初期設定の負担を減らします。
  • 進捗を分かりやすく見せる:複数ステップの登録や初期設定が必要な場合は、残りの工程や完了までの目安を示すことで、ユーザーが途中で不安になりにくくなります。
  • スキップや後で設定する選択肢を用意する:必須ではない設定を強制しすぎると、離脱につながる場合があります。
  • 権限許諾の理由を事前に説明する:通知や位置情報などは、許可を求める理由を先に伝えることで納得感を高められます。
  • 次のアクションを明確にする:登録完了後や初期設定後に、ユーザーが何をすればよいか分かる状態にします。
  • ユーザー状態に応じて案内を変える:初回ユーザー、設定未完了ユーザー、休眠ユーザーでは必要なメッセージが異なります。

アプリオンボーディングで避けたい失敗

オンボーディングは、丁寧に作ればよいというものではありません。長いチュートリアルだけで説明しようとすると、ユーザーが価値を体験する前に離脱する可能性があります。必要な情報を、必要なタイミングで出すことが重要です。

  • すべての機能を最初に説明してしまう:情報量が多くなり、ユーザーが重要な機能を理解しにくくなります。
  • 登録や設定を長くしすぎる:価値を体験する前に入力負担が増えると、離脱しやすくなります。
  • 通知許諾をいきなり求める:通知のメリットを伝えないまま許可を求めると、拒否されやすくなります。
  • 空状態を放置する:データがない画面に何も案内がないと、ユーザーは次に何をすればよいか分かりません。
  • 完了後のフォローがない:初期設定が終わっても、次の利用行動につながらなければ継続利用は生まれにくくなります。

アプリオンボーディング改善で見るべきKPI

アプリオンボーディングは、公開して終わりではありません。ユーザーがどこで止まっているか、どのくらいのユーザーが最初の価値体験まで進めているかを確認しながら、継続的に改善する必要があります。

ここでいう「完了」は、単にチュートリアルを最後まで見たことだけを指すとは限りません。アプリによっては、プロフィール登録、通知許諾、初回購入、予約、本人確認、最初の投稿など、事業上重要な初回アクションまで進んだ状態を完了と考える場合があります。

KPI 見る理由 改善に使える視点
オンボーディング完了率 初期設定や重要な初回アクションを完了できているかを見る ステップ数、入力項目、説明内容、ボタンや導線を見直す
ステップ別離脱率 どの画面や設定項目でユーザーが止まっているかを見る 該当ステップのUI、文言、入力負担を改善する
完了までの時間 初回起動から完了までに時間がかかりすぎていないかを見る 不要な説明や後回しにできる入力項目を減らす
初回アクション完了率 登録後にアプリの価値を感じやすい行動まで進めているかを見る 初回購入、予約、検索、投稿、お気に入り登録などへの導線を見直す
通知許諾率 アプリプッシュ通知で継続接点を作れる状態かを見る 許諾前の説明、タイミング、訴求内容を見直す
D1 / D7 / D30 リテンション 初回体験後に継続利用されているかを見る 初週のフォロー、休眠前の再訪問施策を改善する

オンボーディング完了を後押しする通知・MAの活用

アプリ内のチュートリアル画面や初期設定フローは、基本的にアプリ側で設計します。一方で、すべてのユーザーが初回起動時にオンボーディングを完了するとは限りません。

登録後にアプリを開かない、初期設定の途中で離脱する、プロフィール登録や初回購入などの重要なアクションを完了しない、数日間利用が止まるといったケースでは、アプリ外から再訪問や完了を促すコミュニケーション設計が重要になります。

EngageLab Marketing Automation(MA)を活用すると、ユーザーの状態や行動に応じて、App Push(アプリプッシュ通知)、メール、SMS、WhatsAppなどのチャネルから自動でメッセージを配信できます。

ユーザー状態 自動化できる接点 目的
登録後、まだアプリを開いていない ウェルカムメール、SMS、WhatsApp 初回起動を促す
初期設定の途中で離脱した App Push、メール 設定完了やプロフィール登録を促す
重要なアクションを完了していない App Push、SMS、WhatsApp 初回購入、予約、本人確認などを後押しする
数日間アプリを利用していない App Push、メール、WhatsApp 再訪問や継続利用につなげる

なお、App Pushは通知許諾や端末状態によって届き方が変わるため、登録直後や未許諾ユーザーにはメール、SMS、WhatsAppなど別チャネルとの組み合わせも重要です。

ただし、通知は送れば送るほど効果が高まるものではありません。ユーザーの行動状況に合わせて配信対象、タイミング、内容を分け、不要な通知でオプトアウトを招かないようにしながら、オンボーディング完了や継続利用を後押しすることが大切です。

アプリタイプ別に見るオンボーディングの考え方

アプリオンボーディングは、アプリの種類によって重視すべきポイントが変わります。ここでは、代表的なアプリタイプごとに考え方を整理します。

金融系アプリ:信頼感と手順の分かりやすさを重視する

金融系アプリでは、本人確認、口座連携、送金、支払いなど、ユーザーが不安を感じやすい操作が含まれます。そのため、オンボーディングでは便利さだけでなく、安全性、手順の見通し、必要な情報の理由を分かりやすく伝えることが重要です。

学習アプリ:目標設定と習慣化を促す

学習アプリでは、最初に学習目的、レベル、目標頻度などを確認し、ユーザーに合った体験を提示する設計がよく使われます。初回体験では、すべての機能を説明するよりも、最初のレッスンや学習開始までスムーズに進めることが大切です。

ECアプリ:初回購入やお気に入り登録につなげる

ECアプリでは、カテゴリ選択、クーポン案内、お気に入り登録、初回購入への導線が重要です。オンボーディング後に未購入のまま離脱したユーザーには、通知やメールで再訪問を促す設計も有効です。

アプリオンボーディングに関するよくある質問

アプリオンボーディングとは何ですか?

アプリオンボーディングとは、新規ユーザーがアプリの価値や使い方を理解し、初期設定や重要なアクションを完了できるように案内する初回体験設計です。

オンボーディング画面では何を伝えるべきですか?

アプリの主な価値、最初に行うべき設定、主要機能への導線、通知や位置情報などの権限許諾が必要な理由を、できるだけ簡潔に伝えることが重要です。

アプリオンボーディングにデメリットはありますか?

オンボーディング自体が悪いわけではありませんが、説明が長すぎる、入力項目が多すぎる、不要な権限許諾を早い段階で求めると、ユーザーが価値を体験する前に離脱しやすくなります。必要な案内に絞り、後から説明できる内容は適切なタイミングで出すことが大切です。

アプリオンボーディングの改善では何を測定すべきですか?

オンボーディング完了率、初回アクション完了率、通知許諾率、D1・D7・D30リテンション、離脱ステップなどを確認すると、改善すべきポイントを見つけやすくなります。

オンボーディング完了率とは何ですか?

オンボーディング完了率とは、オンボーディング対象ユーザーのうち、初期設定完了、プロフィール登録、本人確認、初回購入など、設定した完了条件まで進んだユーザーの割合です。

基本的には「オンボーディング完了率(%)= 完了ユーザー数 ÷ オンボーディング対象ユーザー数 × 100」で確認できます。分母となる対象ユーザーは、計測目的に合わせて定義します。

EngageLabでアプリ内のオンボーディング画面を作れますか?

アプリ内のチュートリアル画面や初期設定画面は、基本的にアプリ側で設計します。EngageLabは、登録後、初回起動後、設定未完了、休眠などのユーザー状態に応じて、App Push(アプリプッシュ通知)、メール、SMS、WhatsAppなどで自動的に接点を作り、オンボーディング完了や継続利用を後押しします。

まとめ

アプリオンボーディングは、新規ユーザーにアプリの価値を伝え、初期設定や重要なアクションへ自然に導くための重要な体験設計です。

画面数を増やして説明するのではなく、ユーザーが最初に達成すべき行動を明確にし、必要な情報を適切なタイミングで伝えることが大切です。

また、オンボーディングは初回画面だけで完結するものではありません。登録後に利用が止まったユーザー、設定途中で離脱したユーザー、重要なアクションを完了していないユーザーには、App Push(アプリプッシュ通知)、メール、SMS、WhatsAppなどを活用して、次の行動を促すことも重要です。