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佐藤 健一

更新日:2026-09-15

読了目安:13分

WhatsApp Business APIの料金は、Metaのメッセージ単価だけでは決まりません。送信先の国・地域、メッセージカテゴリ、BSPの手数料、運用体制まで含めて見直す必要があります。

さらに、2026年10月1日からは、サービスメッセージに新しい月間無料枠が導入され、ビジネス電話番号ごとに1,001通目から有料になります。同日から、24時間のカスタマーサービスウィンドウ内で送るユーティリティメッセージも有料になります。本記事では、日本向けの単価と月額費用の計算方法を、変更前後に分けて解説します。

2026年の重要ポイント

2026年10月1日から、24時間のカスタマーサービスウィンドウ内のユーティリティメッセージは有料になります。サービスメッセージはビジネス電話番号ごとに月1,000通まで無料で、1,001通目以降は市場別単価で課金されます。無料枠の繰り越しはできず、72時間の無料エントリーポイントは継続します。

WhatsApp Business APIの料金体系【2026年版】

Metaは、正常に配信されたメッセージごとに料金を計上します。実際の請求額を把握するには、次の四つの要素に分けて確認することが重要です。

  • 受信者の電話番号に対応する国・地域
  • マーケティング、ユーティリティ、認証、サービスのカテゴリ
  • 24時間のカスタマーサービスウィンドウまたは72時間の無料エントリーポイントの適用
  • BSPの従量課金、月額料金、導入・運用費

4つのメッセージカテゴリ

カテゴリ 主な用途 例
マーケティング 販促、再購入の促進、商品案内 セール告知、クーポン、新商品の案内
ユーティリティ 利用者の操作や取引に伴う通知 注文確認、配送状況、予約リマインダー
認証 本人確認 ワンタイムパスワード、ログイン認証
サービス 利用者から寄せられた問い合わせへの対応 商品に関する質問への回答、サポート対応

マーケティング、ユーティリティ、認証では、原則としてMetaの審査・承認を受けたメッセージテンプレートを使います。サービスメッセージは、利用者からのメッセージの受信を起点に開く24時間のカスタマーサービスウィンドウ内でのみ送信できます。

日本向けは「Rest of Asia Pacific」の単価

料金の市場区分は、企業の所在地ではなく受信者の電話番号で決まります。日本の国番号「+81」は、Metaの料金表では「Rest of Asia Pacific」に含まれます。

日本企業が海外の顧客へメッセージを送る場合は、受信者の電話番号に対応する市場単価を使います。複数国に配信する場合は、国別の配信通数を分けて見積もると、予算のずれを抑えられます。

24時間のカスタマーサービスウィンドウ

利用者からメッセージを受け取ると、24時間のカスタマーサービスウィンドウが開きます。利用者から新しいメッセージが届くたびに、24時間の起算点が更新されます。

2026年9月30日までは、この時間内のサービスメッセージとユーティリティメッセージが無料です。10月1日以降、ユーティリティメッセージは有料になります。サービスメッセージは、ビジネス電話番号ごとの月1,000通までは無料で、1,001通目以降が課金対象です。ウィンドウ終了後に企業側からメッセージを送る場合は、承認済みテンプレートが必要です。

72時間の無料エントリーポイント

Click-to-WhatsApp広告またはFacebookページのCTAから利用者が企業に連絡し、企業が24時間以内に返信すると、72時間の無料エントリーポイントが開きます。その間に送るマーケティング、ユーティリティ、認証、サービスの各メッセージには、Metaの配信料金がかかりません。

ただし、Meta Business Agentを利用する場合、メッセージの配信部分は無料でも、2026年8月1日からトークン利用料が別途かかります。

ただし、広告費やBSPが設定する独自料金は別です。無料枠の効果を比較するときは、メッセージ料金だけでなく、広告費を含む顧客獲得単価で判断する必要があります。

2026年10月1日からの日本向けメッセージ単価

日本の受信者へ送る場合のMetaの基本単価は、次のとおりです。通貨は米ドルで、正常に配信されたメッセージ1通あたりの金額を示します。

カテゴリ 2026年7月1日~9月30日 2026年10月1日以降 変更点
マーケティング 0.0732米ドル 0.0842米ドル 単価を改定
ユーティリティ 0.0113米ドル
24時間内は無料
0.0113米ドル 24時間内も課金
認証 0.0113米ドル 0.0113米ドル 基本単価は変更なし
サービス 無料 月1,000通まで無料
1,001通目以降は0.0113米ドル
無料枠の超過分を課金

ユーティリティと認証には、条件に応じてボリュームティアが適用されます。一方、サービスメッセージはボリュームティアの対象外ですが、ビジネス電話番号ごとに月1,000通の無料枠があります。導入・配信前には、Metaの公式料金ページで最新版を確認してください。

支払い方法と無料枠

2026年10月1日以降、Metaへの支払い方法が未登録でも、各ビジネス電話番号の月1,000通までのサービスメッセージは配信されます。ただし、1,001通目以降は配信されません。無料枠を超える見込みがある場合は、9月30日までに支払い方法を確認してください。BSP経由では請求主体や登録手順が異なるため、契約先への確認も必要です。

海外配信で確認しておきたい主な市場別単価

越境ECや海外拠点のサポートでは、同じ内容でも送信先によって費用が変わります。2026年10月1日以降の代表的な基本単価は次のとおりです。

受信者の市場 マーケティング ユーティリティ 認証 サービス
(月1,001通目以降)
日本を含むアジア太平洋のその他地域(Rest of Asia Pacific) 0.0842 0.0113 0.0113 0.0113
北米(North America) 0.0250 0.0034 0.0034 0.0034
インド(India) 0.0118 0.0014 0.0014 0.0014
シンガポール(Singapore) 0.0732 0.0160 0.0160 0.0160
ドイツ(Germany) 0.1365 0.0550 0.0550 0.0550

単位はすべて、正常に配信されたメッセージ1通あたりの米ドル額です。サービス単価は、ビジネス電話番号ごとの月1,000通の無料枠を使い切った後に適用されます。インドなどでは、対象となる国際認証メッセージに別単価が適用される場合があります。認証用途では、送信元・受信者の市場と適用条件も確認する必要があります。

WhatsApp Business APIの月額費用を計算する方法

月額費用は「Metaのメッセージ料金+BSP料金+固定費+社内外の運用費」で見積もります。Metaの単価だけで見積もると、見積額と実際の請求額に差が生じやすくなります。

計算式

月額費用 = 市場・カテゴリごとに「課金対象通数 × 該当するMetaの単価」を計算した合計 + BSPの従量料金 + 月額プラン料金 + 導入・運用費

サービスメッセージの課金対象通数 = ビジネス電話番号ごとの月間配信通数 − 1,000通(下限は0通)

同じビジネス電話番号から複数の市場へサービスメッセージを送る場合、月1,000通の無料枠は市場別ではなく、その番号全体で一つです。各市場で1,000通ずつ差し引かず、無料枠を超えた配信分を受信者の市場ごとに分け、該当するサービス単価で計算してください。

計算例1:日本向けに販促メッセージを5,000通配信

2026年10月1日以降に、+81の受信者へ送ったマーケティングメッセージ5,000通が正常に配信された場合、Metaの基本料金は421米ドルです。

計算例

5,000通 × 0.0842米ドル = 421米ドル

計算例2:日本向けの通知とサポートを運用

一つのビジネス電話番号を使い、その月のサービス無料枠をまだ利用していないとします。ユーティリティメッセージが12,000通、サービスメッセージが8,000通なら、標準単価でのMetaの基本料金は合計214.70米ドルです。ユーティリティにボリュームティアが適用される場合は、実際の請求額がさらに下がります。

計算例

12,000通 × 0.0113米ドル +(8,000通 − 1,000通)× 0.0113米ドル = 214.70米ドル

計算例3:日本、インド、北米へ配信

送信先市場を分けると、越境配信の費用をより正確に把握できます。以下の例では、ボリュームティア適用前のMetaの基本料金は合計445.20米ドルです。

計算例

日本向けマーケティング5,000通(421米ドル)+インド向けユーティリティ10,000通(14米ドル)+北米向け認証3,000通(10.20米ドル)=445.20米ドル

いずれの例も、BSP手数料、プラットフォームの月額料金、税、為替変動による差額、開発・運用費を含みません。社内予算には一定の為替変動も織り込んでおくと、予算超過を防ぎやすくなります。

BSP料金と見落としやすい運用コスト

WhatsApp Business APIは、Metaへ直接接続する構成とBSPを利用する構成で、費用と運用負担が変わります。BSPは接続機能、管理画面、分析、サポートなどを組み合わせて提供し、料金体系は事業者ごとに異なります。

費用項目 確認する内容 見落とした場合の影響
メッセージ単価への上乗せ Metaの単価への加算額、カテゴリ別の差 配信量に比例して総額が増える
月額・アカウント料金 電話番号、利用ユーザー数または席数、機能ごとの固定費 配信量が少なくても費用が発生する
導入・開発費 API接続、Webhook、CRM連携、テスト 初期費用が増え、導入期間が長くなる
運用・サポート費 テンプレート管理、多言語対応、有人対応 継続的な人件費が増える
契約・請求条件 最低利用額、通貨、税、解約条件 契約条件や為替により予算が変動する

BSPを選ぶときは、単価だけでなく、必要な機能を含む総コストで比較します。詳しい比較軸は、WhatsApp BSPの選び方と比較も参考にしてください。

日本企業が確認したい個人情報の取り扱い

顧客データを海外の事業者やサーバーで扱う場合は、データの保存・処理場所、再委託先、契約上の安全管理措置を確認する必要があります。また、自社の利用形態が「外国にある第三者への提供」に該当するかどうかも、整理しておく必要があります。

判断に迷う場合は、個人情報保護委員会のガイドラインを確認し、法務・セキュリティ部門と導入条件を詰めることが重要です。

WhatsApp Business APIの費用を抑える7つの方法

  • 1

    カテゴリを正しく使い分ける

    販促内容をユーティリティとして申請するような、不適切な分類は避ける必要があります。テンプレートの却下や再分類が減り、予算も立てやすくなります。
  • 2

    送信先市場と無料枠を分けて管理する

    国・地域別の単価と配信通数に加え、ビジネス電話番号ごとのサービス無料枠の使用状況も管理しておくと、無料枠を予算に正しく反映できます。無料枠だけを目的に番号を増やすと管理費やBSP費用が増えるため、総コストでの判断が重要です。
  • 3

    広告起点の72時間を活用する

    Click-to-WhatsApp広告から始まる会話で、要件を満たす72時間の無料エントリーポイントを活用すると、Metaのメッセージ料金を抑えられます。ただし、広告費を含む顧客獲得単価で効果を測ることが前提です。
  • 4

    1通に必要な情報をまとめる

    注文内容、配送予定、確認方法を分割しすぎず、読みやすい1通にまとめると、配信通数と不要なやり取りを減らせます。
  • 5

    配信対象を絞る

    同意状況、購買履歴、関心分野、使用言語に応じてセグメントを分けると、反応が見込めない一斉配信を減らし、1通あたりの費用対効果を高められます。
  • 6

    配信済みメッセージ数と成果を同じ画面で追う

    送信数だけでなく、配信済みメッセージ数、クリック数、購入数、問い合わせの解決数を同時に追うと、費用が増えた原因をカテゴリや市場別に特定しやすくなります。
  • 7

    BSPの総額を定期的に比較する

    Metaの単価、上乗せ料金、月額料金、運用工数を四半期ごとに確認すると、配信量や対象国の変化に契約内容が合わなくなっていないか、早めに判断できます。

日本企業に向く主な利用場面

WhatsApp Business APIは、日本国内だけでなく、WhatsAppの利用が定着している海外市場で顧客対応を展開する企業に向いています。

  • 越境EC:注文確認、配送通知、再購入の案内
  • 旅行・インバウンド:予約案内、日程変更、多言語サポート
  • 海外営業:問い合わせ対応、商談リマインダー、資料送付
  • 認証:登録、ログイン、決済時のOTP
  • カスタマーサポート:利用者からの質問に対するリアルタイム対応

無料アプリとAPIの違いから確認したい場合は、WhatsApp Businessの無料版・プレミアム・API料金比較をご覧ください。販促施策を設計する際は、WhatsAppマーケティングの活用方法も参考になります。

EngageLabで料金管理と運用を一元化

EngageLabは、WhatsApp Business APIを使った販促、通知、認証、カスタマーサポートに対応しています。SMS、メール、アプリ通知と組み合わせ、顧客接点を一つのプラットフォームで管理できます。

配信コストだけでなく、導入後の運用まで見据えたWhatsApp施策を設計できます。

  • 販促、通知、認証、カスタマーサポートの用途に対応
  • SMS、メール、AppPushなど複数チャネルとの連携
  • テキスト、画像、動画、ボタン、添付ファイルなどの配信形式
  • API連携と導入・運用に関するサポート

機能の詳細についてはEngageLabのWhatsApp Business APIを、個別の費用については料金ページをご確認ください。

WhatsApp Business APIの料金に関するよくある質問

WhatsApp Business APIは無料ですか?

完全無料ではありません。2026年9月30日までは24時間のカスタマーサービスウィンドウ内のサービスメッセージとユーティリティメッセージが無料です。10月1日からは、ウィンドウ内のユーティリティメッセージが有料になります。サービスメッセージには、ビジネス電話番号ごとに月1,000通の無料枠があり、1,001通目以降にMetaの料金がかかります。BSP料金や開発・運用費は別途必要です。

日本向けのメッセージ単価はいくらですか?

2026年10月1日以降、日本を含むRest of Asia Pacificでは、マーケティングが0.0842米ドル、ユーティリティ・認証・サービスが各0.0113米ドルです。いずれも正常に配信されたメッセージ1通あたりのMetaの基本単価で、サービスは月1,000通の無料枠を超えた分に適用されます。

送信に失敗したメッセージも課金されますか?

Metaのメッセージ料金は、正常に配信されたメッセージに対して発生します。ただし、BSPのAPI利用料などは別の基準で請求される場合があるため、契約内容を確認してください。

BSPを使うとMetaの単価以外に何がかかりますか?

メッセージ単価への上乗せ、月額料金、電話番号や利用ユーザー数に応じた料金、導入支援費などが考えられます。料金項目はBSPによって異なるため、同一の配信条件で総額を見積もり、比較することが重要です。

料金は日本円で支払えますか?

本記事の単価は、Metaが公開する米ドルの料金表に基づいています。Metaはほかの通貨の料金表も公開しています。

日本円で請求・決済できるかは、支払い設定やBSPとの契約によって異なります。EngageLab経由を含め、見積もり時に請求通貨、適用する料金表、換算レートと基準日、税の扱いを確認してください。

2026年10月1日の変更前に必要な対応はありますか?

まず、サービスメッセージの月間配信通数が、ビジネス電話番号ごとに1,000通を超えるか確認します。超える見込みがあり、Metaへの支払い方法を自社で管理する場合は、9月30日までに有効な支払い方法を登録します。BSP経由では、請求主体と登録担当を契約先に確認してください。あわせて、ユーティリティメッセージの配信実績、テンプレートのカテゴリ、72時間の無料エントリーポイントの活用状況も確認します。

まとめ

WhatsApp Business APIの費用は、送信先市場とカテゴリ別のMetaの単価を基準に、BSP料金、固定費、開発・運用費を加えて計算します。日本向けでは、2026年10月1日にマーケティング単価が引き上げられ、24時間内に送るユーティリティメッセージも有料になります。サービスメッセージは、ビジネス電話番号ごとの月1,000通までは無料で、1,001通目以降が課金対象です。

まずは過去の配信実績を市場別・カテゴリ別に分け、新単価で月額費用を試算してください。そのうえで、無料エントリーポイントの活用方法、配信対象、BSPの料金体系を見直すと、費用と成果の両方を管理しやすくなります。

WhatsAppの新料金に備え、配信コストと運用を最適化

EngageLabなら、複数のチャネルを組み合わせ、海外向けの販促・通知・認証・サポートを一元的に設計できます。