WhatsAppから、企業専用の電話番号が自動的に付与されるわけではありません。WhatsAppビジネスアカウントを開設する企業は、自社で継続して管理でき、認証コードを受け取れる電話番号を用意します。
登録手順は、WhatsApp BusinessアプリとWhatsApp Business Platformで異なります。この記事では、個人用番号や固定電話を使う際の条件、既存のBusiness App番号をAPIに接続する方法、新しい番号を登録する流れを整理します。
WhatsAppビジネスアカウントの電話番号とは
WhatsAppビジネスアカウントの電話番号とは、企業や店舗が管理し、WhatsApp Businessに登録する番号です。アカウントの認証や、顧客とのやり取りに使用します。
WhatsAppから「無料版の電話番号」「有料版の電話番号」といった専用番号が提供されるわけではありません。登録後にできることや運用方法は、Business AppとBusiness Platformのどちらを使うかで異なります。
個人利用と業務利用を分けたい場合は、業務用の番号を用意すると、社内で管理責任を明確にできます。担当者が変わった際の引き継ぎもしやすくなります。
既存の電話番号を利用できるかは、現在の登録状態や接続方法によって異なります。
電話番号認証、Metaビジネスアカウントの企業認証、Official Business Account(OBA)、Meta Verifiedは、それぞれ目的と条件が異なります。電話番号を登録しただけで認証バッジが表示されるわけではありません。
WhatsApp BusinessアプリとBusiness Platformで電話番号の使い方はどう違う?
登録手順に進む前に、自社の運用要件に合うのがBusiness AppかBusiness Platformかを判断します。違いは番号の価格ではなく、登録後の運用方法です。
| 比較項目 | WhatsApp Businessアプリ | WhatsApp Business Platform |
|---|---|---|
| 主な運用方法 | スマートフォンアプリで、担当者が顧客と個別にやり取りする | APIや管理画面を使い、システム通知や複数担当者での対応を管理する |
| 電話番号の登録 | アプリに電話番号を入力し、SMSまたは音声通話で認証する | 未使用の番号を登録するか、条件を満たす既存のBusiness App番号を接続する |
| 既存のBusiness App番号 | Business Appで引き続き利用する | Coexistenceまたは番号移行の条件を確認する |
| 向いているケース | 少人数で問い合わせに対応し、手作業を中心に運用したい場合 | システムから通知を送りたい場合や、対応件数・担当者数が増える場合 |
少人数で顧客と個別にやり取りする場合は、Business Appから始められます。システム上のイベントを起点に通知を送りたい場合や、複数担当者で対応したい場合は、Business Platformが候補になります。料金体系は、WhatsApp Businessの料金比較で確認できます。
WhatsApp Businessに登録できる電話番号の条件
番号の種類だけでは、WhatsApp Businessに登録できるか判断できません。企業は、登録前に次の条件を確認します。
- 自社が継続して管理できる電話番号である
- 国番号を含む形式で登録できる
- SMSまたは音声通話で認証コードを受け取れる
- 現在、個人用WhatsApp、Business App、ほかのWhatsAppビジネスアカウント(WABA)のどこで使用しているか把握している
携帯電話・固定電話・IP電話/仮想番号は登録できる?
携帯電話番号は、自社が管理し、SMSまたは音声通話で認証コードを受け取れる場合に登録できます。すでに別のWhatsAppアカウントやWABAで使っている場合は、先に現在の登録先を整理します。
固定電話番号を使う場合は、認証用の音声通話をその番号で直接受けられるか確認します。代表番号で電話交換機や自動音声応答(IVR)を利用している場合は、認証用の音声通話を直接受け取れるか事前に確認します。
IP電話や仮想番号は、提供事業者と認証方式によって利用可否が異なります。取得前に、国番号を含む形式で登録できるか、SMSまたは音声通話で認証コードを受け取れるか確認します。無料の仮想番号や使い捨て番号は、企業が継続して管理できない場合があります。再認証が必要になったときに対応できないおそれがあるため、業務用として使う前に契約条件と管理権限を確認してください。
既存の個人用WhatsApp番号は使える?
個人用WhatsApp Messengerで使っている番号は、Business App Coexistenceの対象ではありません。Business AppまたはBusiness Platformへ切り替える前に、現在の登録状態と必要な手続きを整理します。
切り替え前に、チャット履歴や連絡先の扱いを確認してください。あわせて、社内で番号を管理する担当者と、担当変更時の引き継ぎ方法を決めます。
個人利用と業務利用を明確に分けたい企業は、自社名義で管理できる業務用番号を用意すると、個人アカウントとの混同を防ぎやすくなります。
既存のWhatsApp Businessアプリ番号をAPIでも使える?
すでにWhatsApp Businessアプリで使っている番号は、条件を満たせばCoexistenceを利用できます。Coexistenceは、同じ番号をBusiness AppとBusiness Platformで併用する仕組みです。
EngageLabの案内(2026年7月時点)では、Business Appのバージョンが2.24.17以降で、対象番号がアプリ上で正常に使われていることなどが基本条件に含まれます。
履歴の同期範囲や利用できる機能、関連デバイスには制限があるため、接続前に条件を確認します。
詳しい条件は、WhatsApp Business App Coexistenceの接続ガイドで確認できます。
WhatsApp Businessに電話番号を登録する方法
利用方法と電話番号の状態を整理したら、Business AppまたはBusiness Platformで番号を登録します。新しい番号を登録する場合と、既存のBusiness App番号を接続する場合では、必要な手順が異なります。
WhatsApp Businessアプリに電話番号を登録する
Business Appは、少人数で問い合わせに対応する企業や店舗に向いています。スマートフォンを使う基本的な登録手順は次のとおりです。
-
1
WhatsApp Businessアプリをインストールする
Google PlayまたはApp Storeから公式のWhatsApp Businessアプリをダウンロードします。 -
2
国番号と電話番号を入力する
自社が管理する電話番号を、国番号を含む形式で登録します。 -
3
認証コードを受け取る
SMSまたは音声通話で認証コードを受け取り、アプリに入力します。 -
4
ビジネスプロフィールを設定する
企業名、説明、営業時間など、顧客に表示するビジネス情報を設定します。
WhatsApp Business Platformに新しい電話番号を登録する
API連携やシステムからの通知配信が必要な場合は、Business Platformに電話番号を登録します。新しい番号を登録する場合は、個人用WhatsApp、Business App、ほかのWABAで現在使用していない番号を準備します。
以下は、EngageLabから新しい電話番号を接続する場合の基本的な流れです。
-
1
EngageLabとMetaのアカウントを準備する
EngageLabのアカウントを作成し、WhatsApp Business Platformを管理するMetaビジネスアカウントの権限を確認します。 -
2
MetaアカウントとWABAを接続する
EngageLabの画面からMetaアカウントにログインし、対象のWhatsAppビジネスアカウント(WABA)を選択または作成します。 -
3
新しい電話番号を登録する
国番号を含む形式で電話番号を入力し、SMSまたは音声通話で認証コードを受け取ります。 -
4
ビジネス情報と表示名を設定する
企業情報と、WhatsApp上で顧客に表示する名称を設定します。 -
5
EngageLabで接続状態を確認する
電話番号の登録と認証が完了したら、EngageLabの管理画面に送信番号として表示されていることを確かめます。
新規番号の要件と接続手順は、WhatsApp Business Platformの接続ガイドで確認できます。
既存のBusiness App番号を移行・接続する
すでにBusiness Appで使っている番号をBusiness Platformでも利用する場合は、Business Appを残してCoexistenceを使うか、番号をAPI側へ移行するかを選びます。
Coexistenceを利用する場合は、次の順序で接続します。
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1
利用条件を確認する
Business Appのバージョンが2.24.17以降で、対象番号がアプリ上で正常に使われていることなどを確認します。 -
2
EngageLabから既存番号を接続する
EngageLabの接続画面で、既存のWhatsApp Businessアプリ番号を使う方法を選択します。 -
3
チャット履歴を共有するか選ぶ
履歴の共有を選択した場合は、直近180日分のメッセージを同期できます。 -
4
EngageLabで履歴同期を開始する
Business Appで履歴の共有に同意した後、24時間以内にEngageLabの管理画面から同期を開始します。 -
5
接続後の制限を確認する
グループチャットは同期されません。利用できるメッセージ機能、関連デバイス、送信性能にも制限があるため、運用開始前に確認します。
利用条件や同期範囲は更新される場合があるため、接続時は公式ガイドで最新情報を確認してください。
ほかのWABAやWhatsApp Business Solution Provider(BSP)から番号を移行する場合は、次の順序で進めます。
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1
現在の登録先を確認する
電話番号が現在所属しているWABAやBSPを確認します。 -
2
番号移行または新規登録を選ぶ
既存番号を移行するか、新しい番号をBusiness Platformへ登録するかを決めます。 -
3
引き継げる情報を確認する
テンプレートや表示名など、移行時に引き継げる設定の範囲を確認します。チャット履歴は移行できないため、必要な記録は移行前に別途保存します。 -
4
EngageLabで接続状態を確認する
移行または新規登録が完了したら、EngageLabの管理画面に送信番号として表示されていることを確認します。
電話番号の登録後にWhatsApp Business Platformで配信を始めるには
電話番号の登録が完了しても、企業が任意のユーザーへ無条件にメッセージを送れるわけではありません。配信を始める前に、同意取得やテンプレートなどの運用条件を整えます。
- ユーザーの同意:WhatsAppでメッセージを受け取ることへのオプトインを取得する
- メッセージテンプレート:企業から開始するメッセージでは、用途に応じた承認済みテンプレートを準備する
- API・システム連携:通知の送信条件、配信対象、顧客データとの連携方法を決める
- 配信状況の確認:配信結果、ユーザーからの反応、品質評価を継続して確認する
一斉配信のルールと操作は、WhatsAppで一斉送信する方法で解説しています。APIを使った送信方法を確認したい場合は、WhatsApp Business APIの配信ガイドも参考にしてください。
EngageLab WhatsApp Business APIでは、企業が管理する電話番号をWhatsApp Business Platformに接続し、メッセージテンプレートやAPIを使った通知配信を管理できます。番号の現在の登録先や、どの接続方法を選ぶべきか判断しにくい場合は、導入前に相談するとよいでしょう。
WhatsApp Businessの電話番号に関するよくある質問
1つの電話番号を複数のWhatsAppアカウントで使えますか?
同じ電話番号を、複数の個人用WhatsAppアカウントや複数のWABAへ同時に登録することはできません。例外として、条件を満たすWhatsApp Businessアプリの番号はCoexistenceを利用できます。同じ番号をBusiness AppとBusiness Platformで併用する仕組みです。
ほかのWABAやBSPで使用中の番号は、移行手続きを行うか、新しい番号を登録します。
登録した電話番号はユーザーに表示されますか?
2026年7月時点では、Business Platformに登録した電話番号はユーザー側に表示されます。Business Platformを利用する場合も、電話番号の登録と認証が必要です。
Metaは、WhatsAppのユーザーネームを2026年内に段階的に提供する予定です。企業がユーザーネームを利用できるようになり、有効にした場合は、初めて連絡する相手に電話番号を表示せずにやり取りできるようになる予定です。提供状況は、国・地域やアカウントによって異なります。
EngageLabはWhatsApp用の電話番号を販売していますか?
いいえ。EngageLabは、WhatsApp用電話番号の販売、レンタル、割り当てを行っていません。企業が管理する電話番号をWhatsApp Business Platformに接続し、番号認証やテンプレート設定、API配信を管理するためのプラットフォームを提供しています。
まとめ
企業がWhatsAppビジネスアカウントを開設する際は、まずBusiness AppとBusiness Platformのどちらを使うか決めます。そのうえで、自社が継続して管理でき、認証コードを受け取れる電話番号を準備します。携帯電話、固定電話、IP電話・仮想番号を使う場合は、番号の種類だけでなく、現在の登録先と認証方法もあわせて確認します。
すでにBusiness Appで使っている番号は、条件を満たせばCoexistenceでAPIにも接続できます。API連携や通知の自動配信、複数担当者での対応が必要な場合は、番号の現在の登録先を整理したうえで、WhatsApp Business Platformへの接続方法を確認しましょう。






