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ゆうこ

更新日:2025-08-28

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WhatsAppなどのメッセージングアプリや、高度なセキュリティを備えた銀行アプリへのログイン時に、「OTP(ワンタイムパスワード)」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ワンタイムパスワードとは何か、ご存じですか?OTPは自動生成される文字列で、ログインセッションの認証に利用されます。

これはOTPの基本的な仕組みに過ぎません。実際にはさらに多様な活用方法があります。本記事では、銀行におけるOTPとは何か、そしてその主な用途について詳しく解説します。

銀行におけるOTPとは?

ご注意

ワンタイムパスワード(OTP)は、オンライン取引に追加のセキュリティ層を提供します。自動生成される4~6桁のユニークな数字で、銀行取引の認証PINとして機能します。

名前の通り、OTPは一度しか有効になりません。銀行の場合、1回の取引や特定のログインセッションごとに発行されます。OTPは、ユーザーが作成する通常のパスワードよりも高いセキュリティを提供し、オンライン取引の安全性を最大化する重要な役割を果たします。

銀行におけるOTPの重要性

OTPは金融機関や銀行で資金の安全性を確保するために不可欠です。主なメリットは以下の通りです。

セキュリティ強化:ユーザーが作成したパスワードは、同じパスワードを複数の場所で使い回すと様々なリスクにさらされます。こうした場合でもOTPを導入することで、不正な第三者によるアカウントアクセスや金融取引を防止できます。

  • 瞬時の認証:OTPは即座に生成・送信されます。特に銀行が信頼性の高いOTP配信サービスを利用している場合、リアルタイムでの認証が可能となり、迅速かつ安全な金融取引を実現します。
  • 使いやすさ:OTPの生成・送信・入力は非常にシンプルです。銀行を含むあらゆる組織で簡単に導入でき、利用者も指示に従って簡単にOTPを入力できます。
  • 不正防止:不正送金やハッキング、なりすましなどのリスクを大幅に低減。不正取引のリスクを最小限に抑える追加のセキュリティ層として機能します。

オンラインバンキングにおけるOTPの主な用途【実例付き】

オンラインバンキングや金融機関でのOTPの主な活用シーンと、実際の例をご紹介します。

1.ログイン認証

世界中の多くの銀行が、二段階認証(2FA)や多要素認証(MFA)を導入しています。多くの場合、この2FAはOTPベースで、SMSやメール、WhatsApp経由でワンタイムパスワードが送信されます。たとえ認証情報が流出しても、不正アクセスを防ぐために重要な仕組みです。

実例

こちらは、人気のデジタルウォレット「Skrill」がログイン時に送信するSMS OTPの例です。

skrill-login-otp

2.送金認証

銀行業界でのOTPの代表的な用途が、送金時の認証です。Google PayやVenmoなどの送金アプリでも、取引完了前にOTP認証が必須となっています。

送金前のOTP認証は、不正送金の防止に有効です。万が一ハッカーが銀行口座にアクセスできても、OTPによるセキュリティがあるため資金を移動できません。

実例

こちらは、暗号資産取引所「Binance」が金融取引の認証用に送信するOTPの例です。

otp-for-fund-transfer-authentication

3.オンライン決済

送金以外にも、オンラインショッピングやデジタル経済の拡大により、ネットバンキングでのオンライン決済が一般的になっています。

オンライン決済の安全性を高めるため、多くの銀行がOTP認証を導入。デビットカード・クレジットカードの両方に適用されるケースが多いです。利便性向上のため、Amazonなど信頼できるプラットフォームを「認証不要リスト」に追加できる銀行アプリも増えています。

実例

online-payment-otp-confirmation

出典:https://developer.visa.com/

4.アカウント情報の変更

サイバー攻撃の増加により、オンラインバンキング情報の流出リスクも高まっています。そのため、多くの銀行ではアカウント情報の変更時にもOTP認証を必須としています。

例えば、登録済みの携帯番号やメールアドレス、パスワード、IDなどの変更時にOTP認証が必要となり、本人以外の不正な変更を防止します。

5.カードレス出金

カードレス出金は新しい概念ではありませんが、オンラインバンキングやモバイルウォレットの普及により利用が拡大しています。現代の銀行では、ATMでカードを使わずにOTPを入力することで現金を引き出すことが可能です。

実例

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出典:https://av.sc.com/

配信方法の種類と特徴

OTPの配信方法としてSMSやメールが一般的と思われがちですが、実際には銀行や組織が活用できるチャネルは複数存在します。

それぞれの配信方法にはメリット・デメリット・用途があります。ここでは代表的なOTP配信方法を詳しく紹介します。

1.SMS OTP

SMS OTPは、ショートメッセージ(SMS)で利用者の携帯電話にワンタイムパスワードを送信する方法です。スピード・効率・セキュリティの高さから、最も普及している配信手段の一つです。

SMS OTPは銀行・金融業界だけでなく、さまざまな組織やサービス、オンラインプラットフォームでも導入され、業務のセキュリティ強化に活用されています。

銀行が送信するSMS OTPの例:

sms-otp-example

2.メールOTP

メールも人気の高いOTP配信方法です。利用者に素早くユニークなパスワードを送信し、認証に使用します。

メールやSMSでのOTP配信の一般的な流れは以下の通りです。

  • 利用者がシステムへのログインを試行。
  • OTPがSMSまたはメールで送信される(通常4~6桁)。
  • 利用者がOTPを入力し、サーバーが認証。

OTPが正しければ認証が成功し、銀行アプリなどのシステムにアクセス可能となります。

メールで送信されるOTPの例:

email-otp-example

3.銀行アプリでのOTP生成

先進的な銀行アプリでは、アプリ内でOTPを自動生成することが可能です。SMSやメールを介さずに認証できるため、より迅速かつ簡単な認証が実現します。この仕組みは「ソフトトークン認証」や「アプリベースOTP生成」と呼ばれます。

アプリベースOTP生成は、オンライン取引やログインの認証が必要な金融機関に最適です。大規模な取引を扱う企業や金融機関、暗号資産・株式取引でもよく利用されています。

SMSやメールによる不正リスクを避け、セキュリティを最大化したい銀行におすすめの方法です。

4.ハードウェアトークン

ハードウェアトークンは、一定間隔でOTPを生成する小型デバイスです。「物理セキュリティキー」や「認証デバイス」とも呼ばれます。サイバー攻撃リスクの高い企業や銀行で利用されますが、金融業界全体での普及率は高くありません。

ハードウェアトークンによるOTP認証の流れ:

クライアントがスマートカードやキーフォブなどの小型デバイスを受け取る。

デバイスが30~60秒ごとにユニークなOTPを生成。

クライアントがOTPを入力し、取引やログインを認証。

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出典:https://calnet.berkeley.edu/

ハードウェアOTPが最適な業界・シーン:

  • 数百万ドル規模の大口取引を扱う企業・銀行
  • 政府機関
  • 機密データや財務記録を管理する防衛当局
  • 資産保全を重視する企業や富裕層

銀行におけるOTPを安全に使うためのポイント

企業、特に銀行がOTP認証を最大限に活用するためのコツや注意点をご紹介します。

  • 安全なOTP配信方法の選択: どの配信方法を選ぶ場合も、最初の段階からセキュリティを確保できる手段を選択します。
  • 多要素認証の導入: OTP認証に加え、ダブルパスワードや生体認証など他の認証手段を組み合わせます。
  • reliable-otp-solution
  • 安全な生成・保存: OTPの生成やデータベースへの保存プロセスも厳重に管理し、不正アクセスを防止します。
  • OTP利用に関する明確なガイドライン: 銀行サービス利用者の知識レベルは様々です。利用者教育を徹底し、OTPの他者共有防止を啓発します。
  • 信頼できるOTP技術の採用: OTP認証の成否は、生成・送信に使う技術の品質と効率性に大きく依存します。最新で高セキュリティな技術を活用しましょう。

EngageLab:OTP配信におすすめの信頼プラットフォーム

OTPを手動で設定・運用するのは複雑かつコストがかかりますが、EngageLabのような専用プラットフォームを使えば、顧客エンゲージメントとセキュリティを両立できます。

EngageLabのOTPサービスは、ユニークなワンタイムパスワードの生成・SMSやメール、音声、WhatsAppなど複数チャネルでの配信・認証までワンストップで提供します。

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EngageLabの高度なAPI技術と堅牢なITインフラにより、OTPの確実な配信と迅速な認証を実現。特にインターネットバンキングなど、あらゆる組織で高いセキュリティとスピードが求められるOTP認証に最適です。

簡単な統合と使いやすいUIを備えた信頼性の高いOTP認証プラットフォームをお探しなら、EngageLabの導入をおすすめします。

よくあるご質問

  • 1

    OTPが届かない場合は何ですか?

    OTPが届かない場合は、多くのプラットフォームで用意されている「再送信」オプションをご利用ください。問題が解決しない場合は、銀行のカスタマーサポートにお問い合わせください。
  • 2

    OTPの有効期間はどれくらいですか?

    OTPの有効期間はサービスによって異なりますが、一般的には30秒~5分程度です。
  • 3

    OTPは再利用できますか?

    いいえ。OTPは「ワンタイムパスワード」の名の通り、一度使うか有効期限が切れると無効になります。

まとめ

デジタル時代の今、サイバー攻撃も日々巧妙化しています。銀行や利用者が金融アカウントのセキュリティを高め、資金を守るためにはOTPの活用が不可欠です。

本記事で紹介したポイントを実践することで、銀行口座や資金を安全に保ち、必要な場面でOTPを活用して正規アクセスを確保できます。