メルマガの配信時間は、開封率やクリック率を左右する要素の一つです。
ただし、すべての企業に共通する「最適な曜日・時刻」はありません。読者がメールを確認する時間は、仕事用か私用か、BtoBかBtoCか、配信内容や業種によって変わるためです。
この記事では、日本国内の調査を参考に、メールが読まれやすい時間帯の傾向を整理します。メールの種類・対象・業種ごとの考え方に加え、自社に合った配信時間をA/Bテストで見つける手順も解説します。
BtoBメルマガは平日の日中、BtoCメルマガは平日の帰宅後や休日の余暇が最初の検証候補です。ただし、一般的な調査結果だけで配信時間を決めず、読者の属性、メールの目的、自社の配信実績を組み合わせて判断します。
メルマガの最適な配信時間は読者によって異なる
メルマガの配信時間を決める際は、「平均的に開封されやすい時刻」を正解として扱わないことが重要です。調査で示される時間帯は、対象者や調査方法によって変わります。まずは仮説として利用し、実際の配信結果で確かめてください。
Benchmark Emailの日本国内調査では、メルマガを読む時間帯として、仕事用アドレスは12~15時台、私用アドレスは21~23時台に回答が集まりました。これは開封ログではなく、読者がメールを読む時間を尋ねた調査です。
また、WOW WORLDが全国1,554人を対象に実施した2025年の調査では、私用メルマガを読む時間として「平日の帰宅後」が45%、「休日の余暇」が38%でした。BtoCでは、読者に時間の余裕があるかどうかも重要な判断材料です。
| 配信対象 | 最初に試す時間帯 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| BtoB・仕事用アドレス | 平日の日中、特に12~15時台 | 勤務時間、昼休み、会議が多い時間を考慮 |
| BtoC・私用アドレス | 平日の帰宅後、21~23時台、休日の余暇 | 年齢、生活リズム、商材の検討時間を考慮 |
| 海外を含む配信 | 受信者の現地時間に合わせる | 国・地域ごとのタイムゾーンと休日を考慮 |
この表はあくまで検証の出発点です。例えば、飲食店のランチ案内とSaaSの資料紹介では、読者が次の行動を取りやすい時間が異なります。開封だけでなく、クリックや購入、問い合わせにつながった時間まで確認する必要があります。
配信時間を見直す3つの理由
- 受信トレイで埋もれにくくなる:読者がメールを確認する時間に近づけると、届いてから開封されるまでの間隔を短くできます。
- 次の行動につながりやすくなる:購入、資料閲覧、セミナー申込などを行える時間に届けることで、クリック後の離脱を減らしやすくなります。
- 配信停止の抑制につながる:頻度とタイミングを読者の生活に合わせると、不要なメールが続く印象を和らげられます。
ただし、配信時間だけでメールの成果が決まるわけではありません。差出人名、件名、内容、配信頻度、メールの到達状況も同時に影響します。時間を変える際は、ほかの条件をそろえて比較してください。
メールの用途・配信対象別に考える配信タイミング
メールの配信タイミングは、配信の目的や対象者によって異なります。企業が決めた時刻にまとめて送るメルマガでは、読者が内容を確認し、次の行動に移りやすい時間を選びます。
一方、会員登録や購入などをきっかけに送るメールでは、ユーザーの行動からどれだけ早く届けるかが重要です。
| 用途・配信対象 | 配信タイミングの目安 | 主に確認する指標 |
|---|---|---|
| 販促メルマガ | 読者が商品やサービスを検討・購入しやすい時間 | クリック率、購入率、売上 |
| ウェルカムメール | 会員登録、資料請求、無料トライアル開始の直後 | 初回ログイン率、クリック率 |
| トランザクションメール | 注文、発送、パスワード再設定などの処理直後 | 到達率、配信時間、エラー率 |
| BtoBメルマガ | 受信者が業務メールや資料を確認しやすい平日の日中 | クリック率、資料請求率、商談化率 |
| BtoCメルマガ | 通勤時間、昼休み、帰宅後、休日など、私用メールを確認しやすい時間 | クリック率、購入率、配信停止率 |
1 販促メルマガ
セール、新商品、クーポンなどを知らせる販促メルマガは、開封される時間だけでなく、読者が購入を検討できる時間に合わせます。BtoCでは帰宅後や休日、BtoBでは勤務時間内を最初の候補にすると、仮説を立てやすくなります。
キャンペーン開始直後に購入してほしい場合は、開始時刻の少し前に予告し、開始後に本案内を送る方法もあります。期限直前の一斉配信を重ねると配信停止につながりやすいため、対象者と回数を絞ります。
2 ウェルカムメール
ウェルカムメールは、会員登録、メルマガ登録、資料請求、無料トライアル開始の直後に送ります。読者の関心が高いうちに、お礼、ログイン方法、次に行う操作を簡潔に伝えるためです。
複数の機能や情報を案内する場合は、1通に詰め込まず、数回のオンボーディングメールに分けます。設計例は、トリガーメールの種類と配信タイミングでも確認できます。
3 トランザクションメール
注文確認、発送通知、パスワード再設定、本人確認などは、処理の直後に送ることが基本です。受信者がすぐに必要とする情報であり、販促メルマガのように開封されやすい曜日まで待つべきではありません。
配信時間を最適化するより、遅延や未達を把握できる仕組みを優先すべきです。配信基盤を選ぶ際は、APIやSMTPの連携方法、配信ログ、エラー確認の範囲を比較してください。詳しくは、トランザクションメールサービスの選び方をご覧ください。
4 BtoBメルマガ
BtoBメルマガは、受信者が業務メールを確認し、資料や記事を読める時間に送ります。平日の日中からテストを始め、業種や職種に合わせて時間帯を分けます。月曜の始業直後や連休明けは受信メールが多く、埋もれる場合があります。
決裁者と実務担当者でも行動は異なります。役職、業種、過去の開封・クリック履歴などで配信対象を分けると、一斉配信の平均値だけでは見えない傾向を把握できます。
5 BtoCメルマガ
BtoCメルマガは、通勤、昼休み、帰宅後、休日など、読者が私用メールを確認できる時間を候補にします。日本の調査では帰宅後や休日の余暇に読む人が多いため、夜間や休日を含めて検証する価値があります。
ただし、夜間配信がすべての商材に適しているとは限りません。朝に利用するサービス、昼食、当日予約などは、利用時刻より前に届けるほうが次の行動につながりやすくなります。
業種別のメルマガ配信時間と検証ポイント
業種別の配信時間は、読者がメールを見る時間と、商品・サービスを利用する時間の両方から考えます。以下の時間帯は固定的な正解ではなく、A/Bテストを始めるための候補です。
| 業種・ビジネス | 最初の仮説 | 検証ポイント |
|---|---|---|
| EC・小売 | 平日の帰宅後、休日の余暇、セール開始前 | 商品カテゴリ、購入単価、セール期間で分ける |
| SaaS・BtoBサービス | 火~木曜を含む平日の日中 | 資料閲覧、無料トライアル、商談化まで測る |
| 旅行・宿泊 | 帰宅後や休日など、比較検討できる時間 | 予約時期、出発日、連休・繁忙期で分ける |
| 店舗・飲食 | 来店してほしい時間の数時間前~前日 | 店舗の商圏、天候、曜日、予約状況を考慮 |
| 不動産・高額商材 | 平日夜や休日など、比較する時間を取りやすい時間 | 問い合わせより前の資料閲覧や物件クリックも測る |
EC・小売
EC・小売では、読者が商品ページを見て、そのまま購入できる時間が重要です。夜間や休日を候補にしつつ、食品、アパレル、家電などの商品カテゴリごとに結果を分け、セール開始、在庫、クーポン期限との整合も必要です。
SaaS・BtoBサービス
SaaS・BtoBサービスでは、受信者がメールを開封した後、資料の確認や社内共有、問い合わせなどの行動に移りやすい時間帯に配信することが重要です。
まずは平日の日中を基準とし、午前と午後に分けて配信結果を比較するとよいでしょう。効果を評価する際は、開封率だけでなく、資料請求数、無料トライアルの登録数、商談への移行率なども確認してください。
旅行・宿泊
旅行や宿泊は、メールを読んだ後の比較検討に時間がかかります。帰宅後や休日を候補にし、旅行シーズン、予約までの日数、家族旅行か出張かで配信対象を分けます。直前予約と早期予約を同じ時間で評価しないことも大切です。
店舗・飲食
店舗や飲食では、来店してほしい時間から逆算します。ランチ情報なら午前中、週末イベントなら数日前、当日の空席案内なら予約を判断できる時間に送ります。全国一律ではなく、店舗の所在地や営業時間に合わせます。
自社に合うメルマガ配信時間を見つける5つの手順
一般的な調査は、テストする曜日と時間帯を絞るために役立ちます。ただし、最終的な判断には、自社の読者と目的に基づく検証が必要です。次の手順で、配信時間を継続的に見直していきましょう。
-
1
メールの目的と評価指標を決める
認知、記事閲覧、資料請求、購入など、メールで促す行動を一つ決めます。目的に合わせて、クリック率、コンバージョン率、売上などの主要指標を設定します。 -
2
読者を分ける
異なる読者を一つの平均値で判断しないため、仕事用・私用、地域、年齢、業種、役職、購入履歴、過去の反応などで配信対象を分けます。 -
3
2つの配信時間で仮説を立てる
例えば、BtoBなら平日10時と14時、BtoCなら平日19時と21時など、比較する2案を決めます。曜日と時刻を同時に大きく変えすぎないようにします。 -
4
条件をそろえてA/Bテストを行う
同じ条件で抽出した配信対象を無作為に分け、配信時間以外の件名、本文、差出人名をそろえます。十分な件数を確保し、偶然の差を「最適な時間」と判断しないことが重要です。 -
5
結果を蓄積し、定期的に再検証する
キャンペーンごとの結果を曜日、時間帯、読者層別に保存します。季節、商品、働き方、読者構成の変化に合わせ、数か月ごとに仮説を見直します。
配信時間を比べるテストでは、件名や本文を同時に変更しません。複数の要素を変えると、時間と内容のどちらが結果に影響したのか判断できなくなります。
配信時間を評価するメールマーケティング指標
配信時間の良し悪しを開封率だけで判断すると、実際の成果を見誤る場合があります。メールの目的に合わせ、クリック、コンバージョン、配信停止、バウンスまで確認しましょう。
| 指標 | 一般的な計算例 | 配信時間の評価で分かること |
|---|---|---|
| 開封率 | ユニーク開封数 ÷ 配信成功数 × 100 | 受信者がメールを開いた割合 |
| クリック率(CTR) | ユニーククリック数 ÷ 配信成功数 × 100 | 本文のリンクをクリックした割合 |
| コンバージョン率 | コンバージョン数 ÷ 配信成功数 × 100 | 購入、申込、資料請求などを完了した割合 |
| バウンス率 | 配信失敗数 ÷ 送信数 × 100 | 受信先に届けられなかった割合 |
| 配信停止率 | 配信停止数 ÷ 配信成功数 × 100 | 頻度や内容、タイミングへの不満の兆候 |
計算式の分母や「ユニーク」の扱いは、メール配信サービスによって異なります。社内で定義を統一し、同じ条件で比較してください。コンバージョン率も、配信成功数ではなくクリック数を分母にする場合があります。
開封率は確認しやすい指標ですが、画像の読み込み設定やメールアプリのプライバシー機能に影響されます。配信時間を評価する際は、クリック率やコンバージョン率と組み合わせてください。
配信時間と一緒に改善したい5つの要素
読者がメールを確認する時間に送っても、件名や内容が関心に合わなければ開封やクリックにはつながりません。配信時間のテストと並行して、次の要素も見直してください。
- 件名:メールを開く理由が短く具体的に伝わる表現にします。過度なあおりや内容と一致しない訴求は避けます。
- セグメンテーション:属性、購入履歴、閲覧行動、過去の反応に応じて、配信対象と内容を分けます。
- モバイル表示:スマートフォンでも、件名、冒頭、本文、ボタンを読みやすくします。
- CTA:資料を見る、商品を確認する、申し込むなど、次の行動を一つに絞って示します。
- 配信頻度:開封率だけでなく配信停止率も確認し、同じ読者に短期間で送りすぎないようにします。
パーソナライズの方法は、パーソナライズメールの活用方法で詳しく解説しています。配信時間だけでなく、読者の関心に合う内容へ調整する際に参考になります。
日本で販促メールを送る際の注意点
販促目的のメールは、配信時間を最適化する前に、受信者の同意と配信停止の仕組みを整える必要があります。日本の特定電子メール法では、広告宣伝メールは原則として事前同意が必要です。送信者名や受信拒否の通知先などの表示義務もあります。
詳しい要件は、消費者庁の特定電子メール法に関する案内を確認してください。国外の読者に送る場合は、送信先の国・地域で適用される規制も確認しておいてください。
EngageLabで配信時間を検証・改善する方法
メルマガの配信時間を改善するには、配信対象の分類、テスト、結果の集計を繰り返せる環境が必要です。EngageLab Emailでは、連絡先の属性・タグ・過去の配信結果などを使ってセグメントを作成し、対象を分けて配信できます。
配信後は開封・クリックの時刻や端末などを確認できるため、どの読者がいつ反応したかを分析できます。A/Bテストやスマート送信を組み合わせると、担当者の推測だけに頼らず、実績に基づいて配信タイミングを調整できます。
EngageLab Emailで配信時間の改善に使える主な機能
- 属性、タグ、過去の配信タスクを条件にしたセグメント作成
- 配信時間、件名、本文などを比較するA/Bテスト
- エンゲージメント傾向に応じて配信タイミングを調整するスマート送信
- 開封・クリックを含む配信結果の確認
具体的なセグメント配信やA/Bテストの考え方は、ターゲティングメールマーケティングの解説も参考になります。機能の詳細や利用条件は、EngageLab Emailの製品ページで確認できます。
メルマガの配信時間に関するよくある質問
メルマガは何時に配信するのが最適ですか?
BtoBでは平日の日中、BtoCでは平日の帰宅後や休日の余暇が最初の候補です。ただし、読者や商材によって結果は変わります。2つの時間帯でA/Bテストを行い、クリック率やコンバージョン率まで比較してください。
メルマガは何曜日に配信するとよいですか?
BtoBでは火~木曜を含む平日、BtoCでは平日夜や休日から試す方法があります。曜日だけを固定せず、読者の勤務日、休日、給料日、キャンペーン期間、繁忙期なども考慮してください。
ウェルカムメールや注文確認も配信時間を調整すべきですか?
ウェルカムメールは登録直後、注文確認やパスワード再設定は処理直後に送ります。ユーザーがすぐに必要とするメールは、一般的な開封されやすい曜日まで待たず、行動をきっかけに自動配信してください。
海外の読者には日本時間で配信してもよいですか?
海外配信では、受信者の現地時間に合わせることが基本です。国・地域ごとにタイムゾーンを分け、現地の勤務時間、休日、生活習慣を考慮してください。複数地域へ同時に送ると、一部の読者には深夜に届く場合があります。
まとめ:配信時間は一般論ではなく自社データで決める
メルマガの配信時間は、仕事用か私用か、メールの種類、業種、読者の生活リズムによって変わります。BtoBは平日の日中、BtoCは帰宅後や休日を最初の仮説にできますが、それだけで最適な時間とは判断できません。
まずメールの目的と指標を決め、読者を分けて2つの時間帯を比較します。開封率だけでなく、クリック率、コンバージョン率、配信停止率まで確認し、結果を蓄積することが重要です。定期的な再検証により、読者と事業の変化に合った配信時間を見つけられます。







