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佐藤 健一

更新日:2026-05-20

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アプリ分析の要点 先に結論

アプリ分析では、ダウンロード数だけを見るのではなく、ユーザーがどれくらい使っているか、どの画面で離脱しているか、継続利用につながっているかを確認することが重要です。特に、DAU、MAU、リテンション率、セッション数、コンバージョン率などのKPI・指標を組み合わせて見ることで、改善すべきポイントを判断しやすくなります。

アプリを公開した後は、ダウンロード数だけで成果を判断するのではなく、実際の利用状況やユーザー行動を継続的に確認する必要があります。例えば、アプリがインストールされていても、ユーザーが一度しか起動していない場合や、特定の画面で離脱している場合は、改善の余地があります。

本記事では、アプリ分析の基本、利用状況の確認方法、行動分析で見るべきポイント、主要なKPI・指標、分析結果を改善施策につなげる考え方を解説します。

アプリ分析で見るKPIと利用状況の全体像

アプリ分析とは

アプリ分析とは、アプリの利用状況やユーザー行動を見て、改善すべき場所と優先順位を決めるための取り組みです。ダウンロード数、アクティブユーザー数、画面閲覧、離脱ポイント、継続率、コンバージョン率などを確認し、アプリ改善やマーケティング施策に活かします。

例えば、ダウンロード数が増えていても、初回起動後に使われていない場合はオンボーディングや初回体験に課題があるかもしれません。商品詳細ページまでは見られているのに購入に進まない場合は、価格表示、決済導線、CTA、クーポン設計などを見直す必要があります。

なお、アプリ分析は「ダウンロード数を見ること」だけではありません。特にアプリ運営では、インストール後に実際に使われているか、継続利用されているか、会員登録・購入・予約などの目的行動につながっているかまで確認することが重要です。これにより、改善すべきポイントを見つけやすくなります。

ただし、取得できるデータの範囲は、利用する分析ツール、計測設定、ユーザーの同意状況、OSやアプリストア側の仕様によって異なります。そのため、まずは自社アプリの目的に合わせて、見るべきKPI・指標を絞り込むことが大切です。

アプリ分析の主な種類

アプリ分析と一口にいっても、確認する内容は目的によって異なります。すべてのデータを同時に見るのではなく、「ユーザーがどう使っているか」「どの施策から獲得できているか」「市場や競合と比べてどうか」を分けて考えると、必要な指標やツールを選びやすくなります。

分析の種類 確認すること 向いている目的
ユーザー行動分析 画面閲覧、タップ、検索、カート追加、購入、離脱など UI/UX改善、ユーザー体験の見直し
ファネル分析 会員登録、購入、予約、申込などのステップごとの離脱率 どの画面・手順でユーザーが離脱しているかを特定する
利用状況分析 DAU、MAU、セッション数、平均利用時間、リテンション率など アプリが継続して使われているかを確認する
マーケティング・広告効果分析 流入元、広告別の獲得数、CPI、CAC、LTVなど 広告予算やユーザー獲得施策を見直す
市場・競合分析 競合アプリ、ストア順位、レビュー、キーワード、カテゴリ動向など ASO、競合比較、市場ポジションの把握

広告効果分析や市場・競合分析も重要ですが、本記事では、自社アプリの改善に直接つながりやすい「利用状況分析」と「ユーザー行動分析」を中心に解説します。まずは、ダウンロード後にユーザーが実際に使われているか、どこで離脱しているか、継続利用につながっているかを確認することが大切です。

このように、アプリ分析では目的によって見るべきデータが変わります。次に、アプリの利用状況やユーザー行動を確認する主な方法を整理します。

アプリ分析で利用状況を確認する方法

アプリの利用状況は、アプリストアの管理画面、Firebase / Google Analytics、自社の分析基盤などで確認できます。どの方法を使うかは、確認したい指標や計測したいイベントによって異なります。

ここでいう利用状況の確認は、スマートフォン利用者が端末の設定画面でアプリ使用時間を確認する方法ではなく、アプリ運営者が自社アプリの利用状況やユーザー行動を分析するための確認方法を指します。

アプリ分析ツールには、アプリ内行動を見るもの、広告効果を測定するもの、市場・競合データを見るものなど、目的ごとにさまざまな種類があります。ツール名だけで選ぶのではなく、まず「何を確認したいか」を決めてから選ぶと、不要な計測や運用負荷を避けやすくなります。

なお、各ツールで確認できる指標名や集計条件は変更される場合があります。実際に運用する際は、利用している管理画面や分析ツール上の指標定義を確認することが大切です。

確認方法 主に確認できること 向いている用途
Google Play Console インストール数、ストア経由の成果、Androidアプリの状況 Androidアプリの公開後の基本指標を確認したい場合
App Store Connect インプレッション、プロダクトページ閲覧、ダウンロード、セッション、継続利用など iOSアプリの獲得・利用状況を確認したい場合
Firebase / Google Analytics イベント、ユーザー行動、リテンション、エンゲージメントなど アプリ内行動を詳しく分析したい場合
自社の分析基盤・CRM 会員情報、購入履歴、通知反応、課金状況など アプリ行動と顧客データを結びつけたい場合
市場調査ツール・公開資料 競合アプリの推定ユーザー数、ダウンロード推定、公開されているMAUなど 競合比較や市場規模を大まかに把握したい場合

まずは、ダウンロード数やアクティブユーザー数などの基本指標を確認し、その後に画面遷移、イベント、コンバージョン、継続率などを詳しく見ていくと整理しやすくなります。

なお、アクティブユーザー数の定義はツールによって異なる場合があります。例えば、ユーザー単位で集計する場合もあれば、デバイス単位やアカウント単位で近い指標を見る場合もあります。複数のツールを使う場合は、数値をそのまま比較するのではなく、各ツールの集計条件を確認しておくことが大切です。

アプリ分析で見るべきKPI・指標

アプリのKPIは、アプリの目的やKGIに合わせて設定する重要な指標です。例えば、売上を伸ばしたい場合、単にダウンロード数を見るだけでは不十分で、継続率、購入率、ARPU、LTVなども確認する必要があります。

ここでいう「指標」は、DAU、MAU、セッション数、リテンション率、CVR、ARPUなど、アプリの状態を確認するための数値全般を指します。一方で「KPI」は、その中でも目標達成に直結するため重点的に追う指標です。

すべての指標を同じ重みで追うと、どこを改善すべきか判断しにくくなります。まずは、アプリの目的を「獲得」「利用状況」「継続」「成果」に分け、優先して見るKPI・指標を絞り込むことが大切です。

アプリの目的 優先して見るKPI・指標 確認したいこと
新規ユーザーを増やしたい ダウンロード数、インストール数、CPI、CAC 効率よくユーザーを獲得できているか
継続利用を増やしたい DAU、MAU、リテンション率、休眠ユーザー数 ダウンロード後も使われ続けているか
アプリ内行動を改善したい セッション数、平均利用時間、イベント数、離脱率 どの画面や手順で利用が止まっているか
売上や課金を伸ばしたい CVR、課金率、ARPU、LTV 利用が成果や収益につながっているか

獲得の指標:ダウンロード数・インストール数・CAC

ダウンロード数やインストール数は、アプリがどれくらい新規ユーザーを獲得できているかを見る基本指標です。ただし、ダウンロード数が多くても、その後に使われていなければアプリの成果にはつながりません。

広告やキャンペーンを実施している場合は、CPI、CAC、流入元別の継続率、LTVなどもあわせて確認します。インストール単価が低くても、その後に継続利用や購入につながっていなければ、獲得施策の見直しが必要です。

CAC = マーケティングコスト ÷ 獲得ユーザー数

利用状況・エンゲージメントの指標:DAU・MAU・セッション数・平均利用時間

利用状況を見るときは、DAU、MAU、セッション数、平均利用時間などを確認します。DAUは日単位、MAUは月単位の利用規模を見る指標で、セッション数や平均利用時間を見ると、ユーザーがどれくらい頻繁に、どの程度深くアプリを使っているかを把握しやすくなります。

継続の指標:リテンション率・休眠ユーザー数・アンインストール数

リテンション率は、アプリを使い始めたユーザーが一定期間後も継続して利用している割合です。アプリはダウンロード直後だけでなく、数日後、数週間後、数か月後に使われ続けているかが重要です。

休眠ユーザー数やアンインストール数も、継続利用の課題を把握するうえで重要です。休眠ユーザーが多い場合は、アプリの価値が伝わっていない、通知や導線が弱い、利用習慣が作れていないなどの原因が考えられます。

リテンション率を改善するには、休眠ユーザーに通知を送るだけでなく、初回体験や主要機能への導線も見直す必要があります。例えば、初回起動後に離脱が多い場合はオンボーディングを短くする、特定機能を使ったユーザーの継続率が高い場合は、その行動に早く到達できるように画面設計やメッセージを調整するといった考え方が有効です。

成果の指標:CVR・ARPU・LTV

アプリが売上や問い合わせ、会員登録、予約、課金などを目的としている場合は、成果指標も確認します。

成果を見る場合は、CVR、ARPU、LTVなどを確認します。CVRは購入・登録・予約などの目標行動に至った割合、ARPUはユーザー1人あたりの平均収益、LTVは継続利用期間中にもたらす価値を見る指標です。

ARPUやLTVの算出方法は、広告収益型、課金型、サブスクリプション型など、アプリの収益モデルによって変わります。ここでは基本的な考え方として整理します。

ARPU = 一定期間の収益 ÷ ユーザー数
LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間

アプリ行動分析で見るべきポイント

アプリ行動分析では、ユーザーがアプリ内でどのように行動しているかを確認します。 単に「何人が使ったか」だけでなく、「どの画面を見たか」「どこをタップしたか」「どの手順で離脱したか」「再訪問や購入につながっているか」を見ることが重要です。

なお、アプリ行動分析は、個人を監視するためのものではありません。 利用規約や同意取得、プライバシーへの配慮を前提に、ユーザー行動を集計・分析し、アプリ改善や施策の検証に活かす取り組みです。

見るポイント 確認する内容 改善に活かせること
画面遷移 ユーザーがどの画面をどの順番で見ているか よく見られる画面や離脱しやすい画面を把握する
イベント 検索、タップ、カート追加、お気に入り、購入などの行動 重要な行動が発生しているか、どこで止まっているかを見る
ファネル 会員登録、購入、予約、申込などのステップごとの離脱率 どの手順を改善すべきか判断する
コホート・リテンション 特定期間に始めたユーザーが、その後も利用しているか 継続率や休眠化のタイミングを確認する
通知後の行動 プッシュ通知やメールを受け取ったユーザーが再訪問・購入したか 通知施策が実際の行動につながっているか検証する

例えば、ECアプリで商品詳細ページまでは見られているのにカート追加が少ない場合、価格表示、配送情報、レビュー、CTAの配置などに課題があるかもしれません。 一方で、カート追加後の離脱が多い場合は、決済導線、ログイン手順、クーポン表示、送料表示などを見直す必要があります。

行動分析では、最初からすべてのイベントを細かく計測しようとするよりも、まずはアプリの目的に直結する行動を決めることが大切です。例えば、ECアプリなら「商品閲覧→カート追加→購入」、予約アプリなら「検索→空き枠確認→予約完了」のように、重要な流れから確認すると改善点を見つけやすくなります。

重要な行動はアプリの種類によって異なります。ECアプリでは商品閲覧、カート追加、購入、メディアアプリでは記事閲覧、保存、シェア、予約アプリでは検索、空き枠確認、予約完了などが代表的です。

また、継続して利用しているユーザーに共通する行動を見つけることも重要です。例えば、初回利用から数日以内にお気に入り登録をしたユーザー、通知許可をしたユーザー、特定機能を複数回使ったユーザーの継続率が高い場合は、その行動へ自然に進める導線やメッセージを設計しやすくなります。

アプリ分析を改善施策につなげる流れ

アプリ分析は、数字を確認するだけで終わらせず、改善施策につなげることが重要です。目的、指標、原因、施策、検証の順番で整理すると、改善の優先順位を決めやすくなります。

  • 1

    目的を決める

    継続率を高めたいのか、購入率を上げたいのか、休眠ユーザーを戻したいのかを明確にします。
  • 2

    関連するKPI・指標を選ぶ

    目的に応じて、DAU、MAU、リテンション率、CVR、ARPUなど、見るべき指標を選びます。
  • 3

    ユーザー行動を確認する

    どの画面やイベントで離脱が発生しているか、どのユーザー層で利用が減っているかを確認します。
  • 4

    改善施策を実行する

    UI改善、オンボーディング改善、プッシュ通知、アプリ内メッセージ、メール、SMS、キャンペーンなどを検討します。
  • 5

    結果を比較する

    施策前後で指標がどう変化したかを確認し、必要に応じて次の改善を行います。
アプリ分析を改善施策につなげる流れ

通知・メッセージで改善しやすい指標

アプリ分析の結果、ユーザーの再訪問や継続利用に課題がある場合は、プッシュ通知、アプリ内メッセージ、メール、SMSなどのチャネルを使った改善施策が有効です。ただし、すべての指標を通知だけで改善できるわけではありません。通知やメッセージは、主に再訪問、休眠復帰、カゴ落ち防止、イベント参加、継続利用の促進などに向いています。

課題 見直す指標 施策例
初回起動後に使われない 初回起動率、翌日リテンション率 オンボーディング改善、初回利用ガイド通知
休眠ユーザーが多い DAU、MAU、休眠ユーザー数 パーソナライズしたプッシュ通知、メールでの再訪問促進
カートや申込途中で離脱する CVR、カート追加後の離脱率 カゴ落ち通知、クーポン通知、リマインドメール
重要なお知らせが見られない 通知開封率、再訪問率 アプリプッシュ、SMS、メールの使い分け

分析結果をもとにユーザーセグメントを分けると、同じ通知でもより適切なタイミングや内容で届けやすくなります。例えば、直近30日間利用していないユーザー、カートに商品を残しているユーザー、特定カテゴリをよく閲覧しているユーザーなどに分けて施策を設計できます。

EngageLabでアプリのエンゲージメント改善を支援

アプリ分析で課題が見えた後は、ユーザーに再訪問や継続利用を促す施策が必要になります。EngageLabでは、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知、メール、SMSなどを組み合わせて、ユーザーの状態や行動に応じたコミュニケーションを設計できます。

休眠ユーザーへの再訪問促進、カゴ落ち後のリマインド、特定機能の利用促進などを、マーケティングオートメーションのセグメント配信やシナリオ配信として運用しやすくなります。

EngageLabで離反ユーザーの再エンゲージメントシナリオを設計する画面
  • アプリプッシュ通知による再訪問促進
  • ユーザー属性や行動に応じたセグメント配信
  • メール・SMSとの組み合わせによるリマインド
  • 通知配信後の反応を見ながら施策を改善

アプリ分析に関するよくある質問

アプリ分析とは何ですか?

アプリ分析とは、アプリの利用状況、ユーザー行動、継続率、成果指標などをデータで確認し、アプリ改善やマーケティング施策に活かす取り組みです。

アプリのユーザー数やアクティブユーザー数はどう調べますか?

自社アプリの場合は、Google Play Console、App Store Connect、Firebase / Google Analytics、自社の分析基盤などで確認できます。日単位で利用状況を見る場合はDAU、週単位ではWAU、月単位ではMAUを確認します。

一方で、他社・競合アプリの正確なユーザー数は公開されていないことが多く、市場調査ツールや公開資料から推定値として確認する形になります。自社アプリの改善に使う場合は、まず自社で取得できるデータを正確に見ることが重要です。

アプリの利用状況はどこで確認できますか?

アプリの利用状況は、アプリストアの管理画面、Firebase / Google Analytics、自社の分析基盤などで確認できます。どの方法を使うかは、確認したい指標や計測したいイベントによって異なります。

アプリ分析で最初に見るべきKPIは何ですか?

まずは、ダウンロード数、DAU、MAU、リテンション率、セッション数、コンバージョン率を確認するとよいでしょう。収益化を目的とするアプリでは、ARPUやLTVも重要です。

DAUとMAUの違いは何ですか?

DAUは1日にアプリを利用したアクティブユーザー数、MAUは1か月にアプリを利用したアクティブユーザー数です。日常的に使われるアプリではDAU、月単位で利用されるアプリではMAUを重視することがあります。

アプリのリテンション率を改善するにはどうすればよいですか?

リテンション率を改善するには、初回利用時のオンボーディング、機能のわかりやすさ、通知のタイミング、ユーザーごとの関心に合ったメッセージ配信などを見直します。また、継続して利用しているユーザーに共通する行動を見つけ、その行動へ自然に進める導線を設計することも重要です。休眠ユーザーには、プッシュ通知やメールで再訪問を促す施策も検討できます。

アプリダウンロード数とKPIの関係は何ですか?

ダウンロード数は、新規ユーザー獲得を確認する基本的な指標です。ただし、ダウンロード後に利用されていなければ成果にはつながらないため、DAU、MAU、リテンション率、CVRなどとあわせて見ることが重要です。

まとめ

アプリ分析では、ダウンロード数だけでなく、利用状況、行動、継続率、成果指標を組み合わせて見ることが重要です。DAU、MAU、リテンション率、セッション数、CVR、ARPU、LTVなどのKPI・指標を確認することで、アプリの課題を見つけやすくなります。

また、分析結果は確認するだけでなく、改善施策につなげることが大切です。休眠ユーザーの再訪問、カゴ落ち防止、継続利用の促進などには、プッシュ通知、メール、SMSなどを組み合わせたコミュニケーション施策が役立ちます。