顧客接点(タッチポイント)とは、顧客が企業やブランドと関わるすべての場面を指します。Webサイト、広告、SNS、店舗、営業、メール、SMS、プッシュ通知、問い合わせ対応など、購入前から購入後までの接点が含まれます。
顧客接点を強化するには、単に接点を増やすだけでなく、顧客の状況に合わせて適切なチャネルで情報を届け、接点ごとの体験を継続的に改善することが重要です。
顧客接点とは
顧客接点とは、顧客が商品やサービスを知り、比較し、購入し、利用し、問い合わせや再購入を行うまでの間に、企業と関わるあらゆる場面を指します。マーケティングでは「タッチポイント」と呼ばれることもあります。
たとえば、検索結果で記事を見つける、広告を見る、Webサイトを訪問する、メールを受け取る、アプリ通知を見る、カスタマーサポートに問い合わせるといった行動は、すべて顧客接点に含まれます。
顧客接点は「顧客と企業が関わる場面」、チャネルは「その接点を作る手段」、カスタマージャーニーは「顧客が認知から購入・利用・再購入へ進む流れ」と整理すると理解しやすくなります。
- 顧客接点:顧客が広告を見る、メールを開く、店舗で相談する、サポートに問い合わせるなど、企業と関わる具体的な場面です。
- チャネル:Webサイト、SNS、メール、SMS、店舗、営業担当者など、接点を作るための手段や経路です。
- カスタマージャーニー:認知、比較、購入、利用、再購入まで、顧客が進む一連の流れです。
CX(顧客体験)は、これらの接点を通じて顧客が感じる一連の体験です。顧客接点を見直すときは、1つのチャネルだけでなく、認知、比較、購入、利用、問い合わせ、再購入までの流れ全体で、顧客が迷わず行動できるかを確認することが大切です。
顧客接点が重要な理由
顧客は一度の接点だけで意思決定するとは限りません。認知、比較、検討、購入、利用、問い合わせ、再購入の各段階で複数の接点を行き来しながら、企業への印象を形成します。
- 認知につながる:検索、広告、SNS、紹介などを通じて、顧客が企業や商品を知るきっかけになります。
- 比較・検討を支える:Webサイト、導入事例、FAQ、資料、問い合わせ対応などが、顧客の不安解消に役立ちます。
- 購入後の満足度に影響する:通知、サポート、フォローアップ、再提案などの接点が、継続利用や再購入につながります。
顧客接点の主な種類
顧客接点は、顧客が企業と関わるタイミングによって整理すると理解しやすくなります。一般的には、購入前、購入時、購入後の3つに分けて考えます。
また、接点の種類はオンラインとオフラインに分けて整理することもできます。実務では、購入前・購入時・購入後のどの段階で、どのオンライン/オフライン接点が必要かを見ていくと判断しやすくなります。
| 段階 | 主な接点 | 役割 |
|---|---|---|
| 購入前 | 検索、広告、SNS、記事、比較サイト、資料請求 | 商品やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらう |
| 購入時 | Webサイト、店舗、営業、チャット、問い合わせ、申込みフォーム | 不安を解消し、購入や申込みを後押しする |
| 購入後 | メール、SMS、アプリ通知、サポート、アンケート、再提案 | 利用継続、満足度向上、再購入、解約防止につなげる |
実店舗や営業などのオフライン接点がある場合も、Webサイト、メール、アプリ通知、SMSなどのオンライン接点と切り離して考える必要はありません。たとえば、Webで資料請求した顧客を商談につなげる、店舗で購入した顧客にメールでフォローするなど、段階をまたいで接点をつなげることが重要です。
オンラインの接点から実店舗やイベントなどのオフライン行動につなげる施策は、O2Oと呼ばれることがあります。さらに、オンラインとオフラインを分けず、会員情報、購入履歴、ポイント、問い合わせ履歴などをつなげて一貫した体験を作る考え方は、OMOやオムニチャネルと関連します。
ただし、用語を覚えること自体が目的ではありません。顧客が「Webで見た内容が店舗で通じない」「購入後の案内が届かない」「問い合わせのたびに同じ説明を求められる」と感じないように、接点同士をつなげることが重要です。
顧客接点の具体例
顧客接点は業種や商材によって異なりますが、デジタル化が進む現在では、オンライン接点とオフライン接点を組み合わせて設計することが重要です。
オンラインの顧客接点
- 検索結果・SEO記事:顧客が課題や商品を調べるときの入口になります。
- Webサイト・LP:サービス内容、料金、導入メリット、問い合わせ導線を伝える接点です。
- メール・SMS・プッシュ通知:メールやSMS、プッシュ通知は、登録後、購入後、休眠前後などに顧客へ直接情報を届ける接点です。
- SNS・広告:認知拡大や再訪問促進に使われる接点です。
- チャット・問い合わせフォーム:比較検討中の不安や疑問を解消する接点です。
デジタル接点の特徴は、顧客の行動や反応を記録しやすいことです。たとえば、どの記事を見たか、どのメールをクリックしたか、どのタイミングで再訪したかを確認できると、次に届ける情報やチャネルを選びやすくなります。
オフラインの顧客接点
- 店舗・窓口:実際の商品確認や対面での相談が発生する接点です。
- 営業・商談:BtoB商材では、導入検討や意思決定に大きく関わる接点です。
- イベント・展示会:新規顧客との接点を作り、商談や資料請求につなげる場になります。
また、口コミサイト、レビュー、比較記事、知人からの紹介、SNSでの投稿など、企業が直接管理しにくい接点も顧客の判断に影響します。すべてをコントロールすることはできませんが、商品情報、サポート品質、購入後フォローを整えることで、間接的な接点での印象も良くなりやすくなります。
業種によって、重視すべき顧客接点は異なります。たとえば、次のように整理できます。
- EC:Webサイト、商品ページ、カート、購入完了メール、SMS通知、アプリ通知、再購入案内が重要になりやすいです。
- BtoB:SEO記事、資料請求、導入事例、商談、問い合わせ対応、セミナー後のフォローが検討を後押しします。
- SaaS:無料トライアル、オンボーディング、利用停滞時のフォロー、契約更新前の案内が継続利用に影響します。
- アプリ:初回起動後の案内、アプリ内メッセージ、プッシュ通知、休眠前後のフォローが継続率改善につながります。
顧客接点を強化する方法
顧客接点を強化するとは、接点の数を増やすだけではありません。顧客が必要としているタイミングで、適切な情報を、適切なチャネルで届けられる状態を作ることが重要です。
まず確認したいのは、顧客がどの段階で迷っているか、どの接点で離脱しているかです。接点を増やす前に、既存の接点が顧客の不安や疑問を解消できているかを見直すと、改善の優先順位を決めやすくなります。
実務では、現在の接点を「どの段階の接点か」「誰が担当しているか」「顧客は次に何をすればよいか」「どの指標で改善を見るか」で整理すると、優先順位を決めやすくなります。
- 顧客の行動段階を整理する:認知、比較、購入、利用、再購入など、顧客がどの段階にいるかを整理します。
- 接点の情報をつなげる:Webサイト、メール、SMS、問い合わせ対応などの反応をできる範囲で整理し、顧客がどの段階にいるかを把握しやすくします。
- チャネルを使い分ける:詳しい案内はメール、緊急性の高い通知はSMS、再訪問の促進はアプリ通知やWebプッシュ、個別の疑問解消はチャットなど、目的に応じて使い分けます。
- 接点の品質を改善する:配信頻度、文面、タイミング、行動を促すリンクやボタン、問い合わせ対応の速さなどを見直します。
- 効果を測定する:開封率、クリック率、CVR、再訪問率、継続率、問い合わせ数などを確認し、改善を続けます。
顧客接点を設計する手順
顧客接点を設計するときは、最初からすべてのチャネルを増やすのではなく、顧客の行動と事業目的に合わせて優先順位を決めることが大切です。
顧客の行動や感情、接点ごとの課題を詳しく整理したい場合は、カスタマージャーニーマップを使って可視化すると、どの接点から改善すべきかを判断しやすくなります。
マーケティングオートメーション(MA)やCRM(顧客管理)などのツールは、顧客接点を継続的に運用しやすくする手段です。先にツールを選ぶのではなく、どの接点を改善したいのか、どの情報を届けたいのかを整理してから検討すると失敗しにくくなります。
-
1
顧客の行動を整理する
認知、比較、購入、利用、問い合わせ、再購入の流れを整理し、どこで接点が発生しているかを確認します。 -
2
不足している接点を見つける
検討中の顧客が問い合わせしにくい、購入後のフォローがない、休眠顧客に再接触できていないなど、接点の抜けを確認します。 -
3
チャネルごとの役割を決める
メール、SMS、プッシュ通知、Webプッシュ、チャットなど、それぞれのチャネルをどの場面で使うかを決めます。 -
4
配信・対応のタイミングを設計する
登録直後、購入後、カゴ落ち、休眠前、問い合わせ後など、顧客の行動に合わせて接点を設計します。 -
5
結果を見ながら改善する
開封率、クリック率、問い合わせ数、CVR、継続率などを確認し、接点ごとの改善を続けます。
顧客接点を改善するときに確認したい指標
顧客接点の改善では、接点を作っただけで終わらせず、各チャネルが成果につながっているかを確認する必要があります。
すべての指標を同時に追う必要はありません。まずは、接点ごとに「次の行動につながっているか」「不安や疑問を解消できているか」を確認すると、改善点を見つけやすくなります。
| 接点 | 見るKPI | 確認したいこと |
|---|---|---|
| SEO記事・LP(ランディングページ) | 表示回数、クリック率、問い合わせ数、コンバージョン率(CVR) | 検索流入が次の行動につながっているか |
| メール | 開封率、クリック率、配信停止率、CVR | 内容やタイミングが顧客の関心と合っているか |
| SMS | 到達率、クリック率、認証完了率、返信率 | 重要な通知や認証が確実に届いているか |
| プッシュ通知 | 配信数、表示数、クリック率、再訪問率 | アプリやWebへの再訪問につながっているか |
| 問い合わせ対応 | 問い合わせ数、初回応答時間、解決率、満足度 | 検討中や利用中の不安を解消できているか |
顧客接点を強化するときの注意点
顧客接点は多ければよいというものではありません。顧客にとって不要な接点が増えると、通知疲れや離脱につながることもあります。
- 接点を増やすこと自体が目的になる:チャネルを増やしても、顧客の課題解決につながらなければ効果は限定的です。
- 同じ内容を複数チャネルで重複配信する:メール、SMS、プッシュ通知で同じ案内を繰り返すと、顧客に負担を与える場合があります。
- 顧客の状態を見ずに一斉配信する:新規顧客、検討中の顧客、購入後の顧客、休眠顧客では必要な情報が異なるため、同じ内容を一律に届けると反応が下がることがあります。
- 購入後の接点を軽視する:購入前の集客だけでなく、利用開始後のフォローや再提案も重要です。
- 効果測定をしない:どの接点が成果につながっているかを確認しないと、改善の優先順位を判断できません。
EngageLabでデジタル顧客接点を一元化・自動化する
EngageLabは、顧客接点の中でも、メール、SMS、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知、WhatsAppなどのデジタルコミュニケーション接点を一元管理し、配信・自動化・効果測定を行うためのプラットフォームです。
たとえば、登録後の案内、購入後のフォロー、カゴ落ちリマインド、休眠顧客への再アプローチ、重要通知の配信など、顧客の行動に合わせた接点設計に活用できます。
実店舗や営業商談などのオフライン接点そのものを置き換えるものではありませんが、購入後のフォロー、再訪問の促進、重要なお知らせ、休眠顧客への再接触など、デジタル接点を継続的に運用したい場合に役立ちます。
特に、登録後、購入後、休眠前、再訪後などのタイミングが決まっている接点は、自動化しやすい領域です。顧客の行動に応じてメール、SMS、アプリプッシュ通知、Webプッシュ通知を使い分けることで、手作業の負担を抑えながら接点を維持しやすくなります。
ユーザーの行動に応じて、メール・SMS・プッシュ通知を出し分ける接点設計の例
顧客接点に関するよくある質問
顧客接点とタッチポイントの違いは何ですか?
顧客接点とタッチポイントは、ほぼ同じ意味で使われます。顧客接点は日本語表現、タッチポイントはマーケティング領域で使われるカタカナ表現として理解するとよいでしょう。
顧客接点とチャネルの違いは何ですか?
チャネルは、Webサイト、SNS、メール、店舗、営業担当者など、顧客とつながるための手段や経路です。顧客接点は、そのチャネル上で顧客が企業と実際に関わる場面を指します。たとえば、メールはチャネル、顧客がメールを開封して商品ページを確認する場面は顧客接点と考えられます。
顧客接点にはどのような分類がありますか?
顧客接点は、購入前・購入時・購入後のように顧客の行動段階で分ける方法と、オンライン・オフラインのように接点が発生する場所やチャネルで分ける方法があります。実務では、両方の視点で整理すると不足している接点を見つけやすくなります。
顧客接点を増やすには何から始めればよいですか?
まずは、現在の顧客接点を整理し、顧客が離脱しやすい場面や情報が不足している場面を見つけることから始めます。そのうえで、メール、SMS、プッシュ通知、チャットなど、目的に合うチャネルを追加します。
顧客接点を強化するときに重要なことは何ですか?
重要なのは、接点の数ではなく、顧客にとって必要なタイミングで必要な情報を届けることです。配信頻度、内容、チャネル、タイミングを見直しながら改善する必要があります。
デジタル顧客接点とは何ですか?
デジタル顧客接点とは、Webサイト、メール、SMS、アプリ通知、Webプッシュ通知、チャットなど、デジタル上で顧客と関わる接点のことです。行動履歴や反応を確認しやすいため、顧客の状態に合わせたフォローや改善に活用しやすい点が特徴です。
まとめ
顧客接点とは、顧客が企業やブランドと関わるすべての場面を指します。検索、広告、Webサイト、店舗、営業、メール、SMS、プッシュ通知、問い合わせ対応など、購入前から購入後までさまざまな接点があります。
顧客接点を強化するには、顧客の行動段階を整理し、接点ごとの役割を決め、適切なチャネルで継続的にコミュニケーションを行うことが大切です。特にデジタル接点では、配信・自動化・効果測定を組み合わせることで、顧客体験と成果の両方を改善しやすくなります。







