avatar

佐藤 健一

更新日:2026-01-13

2416 閲覧数, 5 min 読む

競争が激しい市場環境の中で、企業は他社との差別化を図りつつ、顧客と長期的な関係を築くことを目指しています。そこで重要になるのが「顧客エンゲージメント戦略」です。成果の出るエンゲージメント戦略は売上だけでなく、顧客との信頼関係も強化します。

ブランドへの愛着や満足度は、長期的に見て事業成長につながります。

本記事では、顧客エンゲージメント戦略の考え方を整理します。あわせて主なメリットと、大手企業が実践している具体例も紹介します。

顧客エンゲージメント戦略

顧客エンゲージメント戦略とは?

まず誤解を防ぐために、用語の定義を押さえておきます。顧客エンゲージメント戦略とは、ブランドと顧客の間に「意味のある接点」をつくるための包括的な計画のことです。

接点が生まれる場に制限はありません。

例えば、SNS、電子メール、店舗での来店体験、さらにSMSなども対象になります。どのチャネルを選ぶ場合でも、目的は一貫して「顧客ロイヤルティにつながる強い関係」を築くことです。

顧客エンゲージメント戦略とは?実例でわかる基本

なぜ顧客エンゲージメントを高めるのか

効果的な顧客エンゲージメント戦略は、顧客のニーズや嗜好を理解することを軸に設計されます。また、行動データも踏まえながら、体験を最適化するパーソナライズを積極的に活用します。こうした取り組みは、次のような成果につながります。

  • 顧客ロイヤルティの向上:エンゲージメントが高まると、再来訪やリピート購入が起こりやすくなります。例えばスターバックスは、世界中で「選ばれ続けるブランド」として定着しています。
  • 顧客満足度の向上:体験がパーソナライズされるほど、顧客の満足度は上がります。意味のあるコミュニケーションが増えることで、ブランドへの印象も良くなります。
  • 推奨・口コミの増加:満足度が高い顧客は、周囲にもブランドを紹介しやすくなります。カルバン・クラインの「#MyCalvins」キャンペーンには、関連投稿が多数集まっています。
  • 顧客維持率の改善:顧客との接点を継続的に保てると、競合へ乗り換えられる可能性を下げられます。
  • 売上・収益の増加:顧客満足度が高まると、購入額が増える傾向があります。その結果、売上拡大につながります。
  • ブランドイメージの強化:適切な戦略により、ブランドの印象を高め、市場での存在感を確立できます。例えばアップルは、ひと目でわかる独自のブランドイメージを築き、他社にも影響を与えています。
  • 競争優位性の獲得:顧客エンゲージメント戦略は、同業他社をリードするための強力な差別化要素になります。

顧客エンゲージメントを高める10の施策

ここまでで定義を整理できたので、次は具体例を見ていきましょう。エンゲージメント施策は1つだけ導入してもよいですし、複数を組み合わせて相乗効果を狙うこともできます。

#1 パーソナライズ

パーソナライズ とは、顧客がブランドと接点を持つ際の体験を、顧客ごとに最適化することです。顧客データを活用すれば、個別のおすすめ提案や特典の提示が可能になります。結果として、コミュニケーション全体の効果も高まります。

アマゾンの顧客エンゲージメント戦略

例:アマゾンのレコメンド機能は、顧客が閲覧した商品や購入履歴にもとづいて関連商品を提案します。

#2 オムニチャネル体験

オムニチャネル戦略とは、すべての顧客接点で一貫した体験を提供する考え方です。ウェブサイトやモバイルアプリ、実店舗など、複数のチャネルを持つ企業で効果を発揮します。

スターバックスアプリの顧客エンゲージメント戦略

例:スターバックスのモバイルアプリでは、事前注文、決済、リワード獲得が可能です。どこからでも注文を完了でき、受け取りは希望する実店舗で行えます。

#3 コンテンツマーケティング

顧客エンゲージメント戦略を強化するには、コンテンツマーケティングへの投資が欠かせません。価値があり関連性の高いコンテンツを継続的に発信し、ターゲット層を惹きつけて関係を深めていく手法です。

質の高いコンテンツは、読者とのつながりを強めると同時に、貴社の専門性を示す材料にもなります。コンテンツ制作に入る前に、十分なオーディエンス調査を行うことが重要です。

HubSpotの顧客エンゲージメント戦略

例:HubSpotは、マーケティングに関する記事やガイド、各種リソースが充実したブログを運営しています。その結果、ウェブサイト訪問者の関心を引きつけ、エンゲージメントにつなげています。

#4 ソーシャルメディアでのエンゲージメント

ソーシャルメディアは、顧客エンゲージメント戦略を強化しやすい手段の1つです。顧客とリアルタイムでやり取りできるため、情報発信や問い合わせ対応に活用できます。

また、ユーザー生成コンテンツへの反応を通じて、コミュニティとの関係を深めることも可能です。

Wendy’sの顧客エンゲージメント戦略

例:Wendy’sは、機転の利いた投稿と素早い返信でX上で存在感を高めています。フォロワーは、面白く参加しやすいコンテンツとのやり取りを楽しんでいます。

#5 ロイヤルティプログラム

ロイヤルティプログラムは、貴社を支持してくれる顧客に特典を提供できる仕組みです。再購入のきっかけを作りやすく、長期的なロイヤルティの向上にもつながります。

代表例としては、ポイント付与や割引、会員限定の特典などを提供するプログラムがあります。

Sephoraの顧客エンゲージメント戦略

例:Sephoraは「Beauty Insider」プログラムを提供しています。購入に応じてポイントが貯まり、割引や限定商品と交換できます。

#6 メールマーケティング

顧客エンゲージメント戦略の代表的な手法として、メールマーケティングがあります。以前から使われている手法ですが、今でも効果的な戦略の1つです。

パーソナライズされたターゲットメールを配信することで、顧客への情報共有や特別なプロモーション案内を継続しやすくなります。有益なコンテンツ提供にもつなげられます。

DuoCardsのメールにおける顧客エンゲージメント戦略

例:DuoCardsのメール施策では、アプリ利用者に合わせた学習状況のデータを提供しています。これにより、語学学習を継続するモチベーションにつなげています。

#7 顧客フィードバックとアンケート

顧客フィードバックやアンケートは、顧客エンゲージメント戦略を磨き込むうえで欠かせません。顧客の声を継続的に収集し、体験や提供価値の改善につなげられるためです。

また、改善内容を顧客に伝えることで「意見が反映された」という実感を持ってもらいやすくなります。その結果、信頼感やロイヤルティの向上にもつながります。

Social Catfishの顧客エンゲージメント戦略(フィードバック収集)

例:Social Catfishは、サービス利用後に顧客からフィードバックを収集しています。

#8 コミュニティづくり

顧客エンゲージメント戦略の中でも効果的なのが、ブランドを中心としたコミュニティをつくることです。顧客の関心を保ちやすくなり、強い感情的なつながりも生まれます。オンラインフォーラムやソーシャルメディアのグループなどが代表例です。

LEGOの顧客エンゲージメント戦略

例:LEGO Ideasは、ファンがアイデアを投稿できるオンラインコミュニティです。ほかの案への投票や、チャレンジへの参加も可能です。

#9 カスタマーサポートの品質向上

優れたカスタマーサポートは、顧客エンゲージメント戦略を支える重要な要素です。迅速で的確な対応ができれば、顧客の不安を最小限に抑えられます。さらに、共感のあるサポートによって、ネガティブな体験もポジティブに変えられます。

顧客エンゲージメント戦略ツール:EngageLab

例:EngageLabは、顧客満足を第一に考え、期待以上の対応を行うカスタマーサポート体制を構築しています。

#10 ゲーミフィケーション

シンプルで効果的なのが、顧客体験にゲーム要素を取り入れる方法です。楽しさが増すことで、エンゲージメントとモチベーションが高まりやすくなります。ポイント、バッジ、ランキング、チャレンジなどを活用すると、やり取りがより魅力的になります。

Duolingoの顧客エンゲージメント戦略

例として、Duolingoはゲーミフィケーションで知られるブランドです。学習の進捗管理や報酬の仕組みを取り入れ、継続しやすい体験を提供しています。さらにソーシャル機能も組み合わせ、語学学習を楽しく続けられる設計にしています。

顧客エンゲージメント戦略の事例

ここまで紹介した顧客エンゲージメント戦略をより深く理解するには、実際の事例を見るのが近道です。具体例を確認することで、自社に合う顧客エンゲージメント戦略のヒントが見つかります。また、自社の取り組みを検討する際の参考にもなります。

事例1:Nike

Nikeの顧客エンゲージメント戦略

Nikeの顧客エンゲージメント戦略は、モバイルアプリのエコシステムを中心に設計されています。代表的なアプリとして、Nike、Nike Run Club、Nike Training Club、Nike SNKRS、Nike Adaptがあります。

これらのアプリでは、パーソナライズされたトレーニングプランを提供しています。また、限定コンテンツも用意しています。さらに、顧客同士やブランドとつながるソーシャル機能も備えています。

フィットネストラッキングも活用しています。チャレンジやリワードと組み合わせ、継続利用とモチベーションを後押ししています。その結果、ターゲット層の関心に合ったコミュニティづくりにも成功しています。

事例2:Coca-Cola

コカ・コーラ「Share a Coke」に学ぶ顧客エンゲージメント戦略

コカ・コーラの「Share a Coke」キャンペーンは、顧客エンゲージメント戦略の好例として広く知られています。ボトルのロゴを人気の名前に置き換えることで、パーソナライズされた顧客体験を提供しました。

開始当初は、自分の名前や家族、友人の名前が入ったボトルを探して回る動きも見られました。

さらにSNSでも話題となり、#shareacoke のハッシュタグには多くの投稿が集まっています。

事例3:Airbnb

Airbnbの顧客エンゲージメント戦略

Airbnbの顧客エンゲージメント戦略は、利用者の記憶に残る体験づくりを重視しています。同社の「体験(Experiences)」では、旅行先で楽しめるユニークなアクティビティを予約できます。

旅全体の満足度を高め、ブランド体験としての特別感も演出できます。

さらに、閲覧した目的地に合わせたパーソナライズメールも配信しています。

顧客エンゲージメント計画の準備はできていますか?

強固な顧客エンゲージメントのプロセスは、顧客との長期的な関係構築に欠かせません。エンゲージメント戦略を実行することで、短期と長期の両面で大きなメリットが得られます。

顧客エンゲージメントを次のステージへ進めたいとお考えなら、EngageLabをご活用ください。使いやすく信頼性の高いプラットフォームで、貴社の顧客エンゲージメント戦略の実装を支援します。

今すぐのご登録で、取り組みの可能性を最大限に引き出せます。

EngageLabの詳細はこちら。日々の運用効率化にもお役立ていただけます。