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佐藤 健一

更新日:2026-05-27

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アプリ内通知とは、ユーザーがアプリを開いているときに、アプリ画面内で表示されるメッセージです。新機能の案内、オンボーディング、クーポン、アンケート、重要なお知らせなど、ユーザーの操作状況に合わせて情報を届けるために使われます。

なお、本記事で扱うアプリ内通知は、企業やアプリ運営者がアプリ画面内でユーザーに表示するメッセージを指します。LINEのアプリ内通知設定や、iPhone・Android端末側の通知設定とは扱う範囲が異なります。

先に結論

アプリ内通知は、アプリ利用中のユーザーに対して、文脈に合った情報を届けるためのメッセージです。プッシュ通知のようにロック画面や通知センターへ届けるものではなく、アプリ画面内で表示されるため、端末の通知許可とは別に表示できる場合が多い点も特徴です。

アプリ内通知の種類とプッシュ通知との違いを整理した図

アプリ内通知とは?

アプリ内通知とは、ユーザーがアプリを利用している最中に、アプリ画面内に表示される通知やメッセージのことです。英語では in-app notification や in-app message と呼ばれ、日本語では「インアプリ通知」「アプリ内メッセージ」と表現されることもあります。

たとえば、初回起動時の案内、新機能の紹介、クーポンの提示、レビュー依頼、アンケート、未完了タスクの案内などがアプリ内通知に含まれます。ユーザーがすでにアプリを開いている状態で表示されるため、その時の行動や画面に合わせた案内を出しやすい点が特徴です。

そのため、アプリ内通知は単なるお知らせだけでなく、購入、会員登録、レビュー投稿、プロフィール入力など、ユーザーが次に取りやすい行動を案内する場面でも使われます。

アプリ内通知・インアプリ通知・インアプリメッセージの違い

アプリ内通知、インアプリ通知、インアプリメッセージは、近い意味で使われることが多い用語です。いずれも、アプリ利用中のユーザーに対して、画面内で案内やメッセージを表示する仕組みを指します。

用語 主な意味 使われやすい文脈
アプリ内通知 アプリ画面内に表示される通知全般 一般的な説明、検索キーワード、ユーザー向けの記事
インアプリ通知 in-app notification の日本語表現 アプリ運用、マーケティング、SaaS機能説明
インアプリメッセージ アプリ内で表示する案内・誘導メッセージ オンボーディング、新機能案内、キャンペーン、アンケート
アプリ内メッセージ インアプリメッセージとほぼ同じ意味で使われる表現 日本語で自然に説明したい場合、非技術者向けの記事

この記事では、検索されやすい「アプリ内通知」を主な表現として使いながら、必要に応じて「インアプリ通知」「インアプリメッセージ」もあわせて説明します。

アプリ内通知とプッシュ通知の違い

アプリ内通知とプッシュ通知は、どちらもユーザーに情報を届ける手段ですが、表示される場所と使う目的が異なります。スマートフォンの通知については、iOSではApple DeveloperのUser Notifications、AndroidではAndroid Developersの通知の解説も参考になります。

アプリ内通知とプッシュ通知の違い
比較項目 アプリ内通知 プッシュ通知
表示されるタイミング ユーザーがアプリを開いているとき アプリを開いていないときにも届く
表示場所 アプリ画面内 ロック画面、通知センター、端末の通知欄など
通知許可 端末の通知許可とは別に表示できる場合が多い 原則としてユーザーの通知許可が必要
主な目的 利用中の行動をサポートし、次の操作を促す 休眠ユーザーの再訪、重要なお知らせ、リマインド
向いている場面 オンボーディング、新機能案内、クーポン、アンケート セール通知、配送通知、予約リマインド、休眠復帰
注意点 表示が多いと操作の邪魔になりやすい 頻度が高いと通知許可の解除やアプリ離脱につながりやすい

つまり、アプリ内通知は「アプリを使っているユーザーに、その場で案内する」ための手段であり、プッシュ通知は「アプリ外にいるユーザーを呼び戻す」ための手段です。両方を同じものとして扱うのではなく、ユーザーの状態に合わせて使い分けることが重要です。

アプリ内通知の主な種類

アプリ内通知には、表示形式や目的によっていくつかの種類があります。すべてを使う必要はなく、ユーザーの行動や通知の目的に合わせて選ぶことが重要です。

アプリ内通知の主な種類
  • モーダル:画面中央に表示される通知で、新機能案内や重要なお知らせに向いています。
  • フルスクリーン:画面全体を使って表示する形式です。初回起動時のウェルカム案内や大型キャンペーンなど、特に目立たせたい内容に向いています。ただし、頻繁に使うと操作を妨げやすいため、重要な場面に絞って使います。
  • バナー・トースト:画面上部や下部に短く表示される通知です。数秒で消える軽い案内や、操作完了のフィードバックに向いています。
  • ツールチップ:特定のボタンや機能の近くに表示し、操作方法を補足する形式です。
  • インラインメッセージ:画面内の一部に自然に表示されるメッセージで、ユーザー体験を妨げにくい点が特徴です。
  • バッジ・ベルマーク:お知らせアイコンやメニューの横に数字や印を表示し、未読のお知らせや確認してほしい情報を示します。
  • アンケート・レビュー依頼:利用後の感想や評価を集めるために表示します。

アプリ内通知の活用シーン・例

アプリ内通知は、ユーザーがすでにアプリを使っているタイミングで表示できるため、行動の文脈に合わせた案内に向いています。

  • オンボーディング:初回利用時に主要機能や次に行う操作を案内します。
  • 通知許可の案内:プッシュ通知の許可を求める前に、通知を受け取るメリットや受信できる内容をアプリ内で説明します。
  • 新機能の案内:アップデート後に追加機能を知らせ、利用を促します。
  • キャンペーン・クーポン:購入や予約などの行動に近いタイミングで特典を提示します。
  • 未完了タスクの促進:プロフィール入力、カート、予約、設定などの未完了状態を案内します。
  • 操作完了や状態変化の案内:設定変更、申込完了、ポイント付与など、ユーザーの操作結果を画面内でわかりやすく伝えます。
  • アンケート・レビュー依頼:購入後や利用完了後など、回答しやすいタイミングでフィードバックを集めます。

アプリ内通知を設計するときのポイント

アプリ内通知は、表示しやすいからといって頻繁に出せばよいものではありません。ユーザーの目的を妨げず、必要なタイミングで必要な情報だけを届けることが重要です。

  • 目的を明確にする:新機能案内、購入促進、レビュー依頼など、通知ごとの目的を決めます。
  • 表示タイミングを絞る:起動直後に何でも表示するのではなく、ユーザー行動に合わせて表示します。
  • 重要度に合わせて表示形式を選ぶ:必ず見てほしい内容はモーダル、軽い案内はバナーやトーストなど、情報の重要度に合わせて出し方を変えます。
  • 文面を短くする:長い説明ではなく、ユーザーが次に何をすればよいかを簡潔に伝えます。
  • 閉じやすくする:不要な通知をすぐ閉じられるようにし、操作の妨げを減らします。
  • 許可や行動を求める前に価値を伝える:通知許可、レビュー投稿、会員登録などを促す場合は、ユーザーにとってのメリットを先に説明します。
  • A/Bテストで改善する:複数の文言や表示タイミングを比較し、ボタンや導線(CTA)、対象ユーザーを検証します。

アプリ内通知の効果測定で見る指標(KPI)

アプリ内通知の成果は、表示回数だけで判断するのではなく、通知後にユーザーがどのような行動を取ったかで確認します。

見る指標 確認したいこと 改善例
表示率 対象ユーザーに通知が表示されているか 対象条件や表示タイミングを見直す
クリック率 CTAが押されているか 文言、ボタン、導線を改善する
目的達成率(コンバージョン率) 通知後に目的の行動が発生しているか セグメントやオファー内容を調整する
閉じる率・離脱率 通知がユーザー体験を妨げていないか 表示頻度、表示形式、閉じやすさを見直す

アプリ内通知を運用するときの進め方

アプリ内通知を運用する際は、最初から多くのシナリオを作るのではなく、目的が明確で効果を確認しやすい場面から始めると改善しやすくなります。

  • 1

    目的を決める

    オンボーディング、購入促進、レビュー依頼、再利用促進など、通知で達成したい目的を決めます。
  • 2

    対象ユーザーを分ける

    新規ユーザー、休眠傾向のあるユーザー、購入直前のユーザーなど、行動に応じて対象を分けます。
  • 3

    表示タイミングを設定する

    起動時、購入後、特定画面の閲覧後など、ユーザーの文脈に合うタイミングを選びます。
  • 4

    効果を測定して改善する

    クリック率、コンバージョン率、離脱率などを見ながら、文面や対象条件を改善します。

アプリ内通知の導入方法とツール選び

アプリ内通知を導入する方法は、大きく分けて、外部ツールやSDKを使う方法と、自社で独自に実装する方法があります。どちらが適しているかは、開発体制、運用頻度、表示したいメッセージの種類、効果測定の必要性によって変わります。

導入方法の考え方

アプリ内通知を導入する方法は、大きく分けて「外部ツール・SDKを使う方法」と「自社で独自に実装する方法」があります。短期間で始めたい場合や、配信内容を継続的に変更したい場合は、管理画面を備えたツールやSDKが向いています。一方、独自のUIや複雑な表示条件を細かく作り込みたい場合は、自社実装も選択肢になります。

  • 外部ツール・SDKを使う:短期間で始めたい、管理画面からメッセージ作成・表示条件の設定・効果測定まで行いたい場合に向いています。対応OS、表示形式、セグメント配信、分析機能、既存アプリへの組み込みやすさを確認します。
  • 自社で独自実装する:独自のUIや複雑な表示条件があり、既存システムと細かく連携したい場合に向いています。開発工数、運用画面、表示タイミングの制御、効果測定、保守体制を事前に確認します。

一般的には、マーケティング担当者が継続的に文面や配信条件を調整したい場合は、管理画面を備えたツールやSDKを使う方が運用しやすくなります。一方で、アプリ独自の体験を細かく作り込みたい場合は、自社実装が選択肢になります。

ツールやSDKを使う場合でも、基本的な流れは、アプリへの組み込み、表示条件の設定、メッセージ作成、テスト配信、効果測定の順に進みます。この記事では概要にとどめますが、実際の設定方法は利用するサービスやアプリの開発環境によって異なります。

アプリ内通知ツールを選ぶときの確認ポイント

アプリ内通知を継続的に運用する場合は、単にメッセージを表示できるかだけでなく、誰に、いつ、どの形式で表示し、その後の行動を確認できるかを見ることが重要です。

たとえば、開発チームが細かく実装したい場合と、マーケティング担当者がユーザー条件ごとの出し分け(セグメント配信)や効果測定まで運用したい場合では、選ぶべきツールの条件が異なります。

そのため、ツール名だけで選ぶのではなく、開発工数、運用担当者が変更できる範囲、既存の分析基盤やプッシュ通知との連携をあわせて確認することが大切です。

  • 表示形式:モーダル、バナー、トースト、インライン表示など、目的に合った形式を選べるかを確認します。
  • 実装方式:SDKを組み込んで使うタイプか、既存のマーケティングツールと連携して使うタイプか、自社の開発体制に合うかを確認します。
  • 対象ユーザーの出し分け:新規ユーザー、購入経験のあるユーザー、休眠傾向のあるユーザーなど、行動や属性に応じて出し分けられるかを確認します。
  • プッシュ通知との連携:アプリ外への呼び戻しはプッシュ通知、アプリ内での案内はアプリ内通知というように、役割を分けて運用できるかを確認します。
  • 運用のしやすさ:毎回開発を依頼しなくても、担当者が文面や表示条件を調整できるかを確認します。
  • 効果測定:表示数、クリック率、コンバージョン率、閉じる率などを確認し、改善につなげられるかを確認します。

EngageLabでアプリ内通知とプッシュ通知を組み合わせて運用する

アプリ内通知は、アプリ利用中の行動をサポートする施策に向いています。一方、プッシュ通知は、アプリを開いていないユーザーへの再訪促進や重要なお知らせに向いています。

EngageLabでは、アプリ内通知やアプリプッシュ通知を組み合わせ、ユーザー行動に応じたメッセージ配信、セグメント配信、効果測定をまとめて運用できます。アプリ内では行動を後押しし、アプリ外ではプッシュ通知で再訪を促すなど、ユーザーの状態に合わせた使い分けがしやすくなります。オンボーディング、新機能案内、キャンペーン、休眠復帰など、目的に合わせて複数チャネルを使い分けることができます。

アプリ内通知に関するよくある質問

  • 1

    アプリ内通知とプッシュ通知は何が違いますか?

    アプリ内通知は、ユーザーがアプリを開いているときにアプリ画面内で表示されます。プッシュ通知は、アプリを開いていないときにもスマートフォンの通知欄などに表示されます。
  • 2

    インアプリ通知とインアプリメッセージは同じですか?

    ほぼ同じ意味で使われることが多いですが、インアプリメッセージは通知よりも広く、案内、誘導、チュートリアル、アンケートなどを含む表現として使われる場合があります。
  • 3

    アプリ内通知はユーザーの通知許可が必要ですか?

    プッシュ通知は端末側の通知許可が必要ですが、アプリ内通知はアプリを利用している画面内に表示されるため、端末の通知許可とは別に表示できる場合が多くあります。ただし、実際の仕様はアプリやツールの設計によって異なります。
  • 4

    アプリ内通知はどんな場面に向いていますか?

    オンボーディング、新機能案内、クーポン提示、未完了タスクの促進、レビュー依頼、アンケートなど、ユーザーがアプリを利用している文脈に合わせた案内に向いています。
  • 5

    アプリ内メッセージはどう実装しますか?

    主な方法は、外部ツールやSDKを使う方法と、自社で独自に実装する方法です。継続的に配信内容を変更したり、セグメント配信や効果測定を行ったりする場合は、管理画面を備えたツールを使うと運用しやすくなります。具体的な実装手順は、利用するサービスやアプリの開発環境によって異なります。

まとめ

アプリ内通知は、ユーザーがアプリを使っているタイミングで、必要な情報や次の行動を案内するためのメッセージです。プッシュ通知とは表示タイミングや目的が異なるため、オンボーディングや新機能案内にはアプリ内通知、再訪促進や重要なお知らせにはプッシュ通知というように使い分けると効果的です。

成果を高めるには、表示タイミング、対象ユーザー、文面、CTA、頻度を調整しながら、クリック率やコンバージョン率を継続的に確認することが重要です。導入時は、外部ツールやSDKを使うのか、自社で独自実装するのかを、開発工数と運用しやすさの両面から検討するとよいでしょう。